作品名: コロラド - |
第2次大戦がアメリカに与えた負の影響は結構大きく、その表れのひとつが 戦後西部劇の変容だといわれる。第2次大戦をアメリカ史上唯一の内戦である 南北戦争(原語はCivil War)になぞらえやすいからかもしれぬ。これもその 典型か。しかもかなり描き方がダイレクトだ。現代の軍隊を直接描かない分、 言い訳がましくならずにすむからかもしれない。 ヘンリー・レビンの演出は、脚本に助けられたせいもあるかもしれないが、 以降の彼の作品から比べるとかなり良い。ただグレン・フォードの狂気や 苦悩の描写は撮影時期を考えても少し不十分だとは思う。 それよりもこの作品は、意外にも拳銃の考証が正確だ。南北戦争直後は、 まだコルト・ピースメーカーはなく、レミントンなどのパーカッション・ リボルバーなのだが、この映画ではちゃんとそれらの本物が使われている。 普通はピースメーカーを改造した(銃身の下にレミントンぽい3角形の部品 をつける)、通称「ハリウッド・レミントン」と呼ばれるものを使う。パーカ ッション・リボルバーはハリウッドでも小道具としてそろえるのが難しい という。また、カートリッジ式でないから弾込めに手間がかかり、火薬も 違うため、管理が大変なうえ発砲すると黒い煙がもくもく出て、映画には 適さない。だからこの映画でも発砲シーンにはピースメーカーが使われて いる。[2005年8月25日 11時12分36秒]
親友同士(ウィリアム・ホールデンとグレン・フォード)が敵味方になり、その間に双方から 想われている美人(エレン・ドルー)がはさまるという西部劇のお馴染みのパターン。 ただ、戦争のトラウマによる精神異常をテーマにしているところが異色なものになっています。 その点は社会派西部劇といえますね。 ウイリアム・ホールデンは平凡ですが、グレン・フォードは目イッパイの臭い演技をして、 狂気ぶりを発揮していましたね。確かに記憶に残る演技です。 日記をめくるように、スタッフとキャストを紹介していくタイトルは、内容とマッチして面白い アイデアだと思います。[2005年5月14日 21時51分31秒]
グレン・フォードの西部劇としては、同じくウィリアム・ホールデンと共演した、「掠奪の町」の方が ずっと古いが、わが国公開は、「コロラド」の方が先。彼は、戦争で頭がおかしくなった大佐で、大芝 居を演ずる。ホールデンはかすんだ役。かっこよかったのは、いつも、鉄の鎖を腕につけていて、クラ イマックスでは、火の海の中で、大佐と闘うジェームス・ミリカン。西部劇ファン仲間のあいだでは、 脇役スターNO.1に浮上した。しかし、このジェームス・ミリカン、「真昼の決闘」では、クーパー の頼みを断わる腰抜け保安官助手を演じ、みんなの期待を裏切った。 グレン・フォードは、その後、低予算ながら、水準をいく、いくつかの西部劇に出演したが、「コロラ ド」の印象が強烈なため、きっと、途中で、異常になるはずだと思いつつ、見るくせがついた。 1948年作品カラー[2003年7月26日 15時39分44秒]