J・ニコルソンが製作し自らも出演した西部劇ですが、監督のM・ヘルマンと云う人物は難解な映画
を作るのが得意と云うことからずっと輸入されてなかったと云う曰くつきなので、ちょっと観るのに
勇気がいりましたが、当世貴重な西部劇、観ないわけにはいかないですよね。ビックリすることがい
くつかありました。
1ツ目は出演者のトップに「ウィル・ハチンス」と出たこと、2ツ目に紅一点としてミリー・パーキ
ンスが出ていたこと、3ツ目が主役はニコルソンではなく若き日のW・オーツであったこと、そして
最後は別に難解じゃなかったことです。
まずハチンス、懐かしやTV「アリゾナ・トム」ですよ。映画ではブロンコことタイ・ハーディン等
と共演した「陽動作戦」と云うのがありました。パーキンスは云わずと知れたJ・スティーブンスの
不朽の名作「アンネの日記」のアンネ・フランクその人ですよ。私、この人はあの役だけのために映
画に出た素人だとばかり思っていました。すっかり熟女になっていてまるで面影がない上に悪女役で
すが間違いないようです。W・オーツはJ・ミリアスの「デリンジャー」以前はまったく知りません
でしたし、ニコルソンが「シェーン」のJ・パランスをうんと都会的にしたような半黒尽くめのキザ
な殺し屋を演ってるのも珍しかったですね。
お話は、ハチンスと相棒が町で子供をひずめにかけて死なせる事故を起こしながら逃げたことで(つ
まり今で云えばひき逃げです)母親が殺し屋を雇って復讐すると云うもので、砂漠の中で繰り広げら
れる人間模様が描かれています。別に難解でもないと思うんですが、私の見方がシンプルで皮相的な
所為かも知れません。解説に難解だと書いてあるのに難解と感じないんですから、一体自分の鑑賞眼
はどうなっているのかと思っちゃいますよね。ある意味落ち込みます。原題も「THE SHOOTING」なの
で、何か「銃撃」が重要なキーワードになっているのかなとも思いましたが見抜けませんでした。ニ
コルソンが、ちょっと見、彼と判らないくらいまだニコルソンの顔になっていないので相当昔の映画
だと思います。ニューシネマの旗頭「イージー・ライダー」等と同列の作品なんでしょうね、きっ
と。
[2007年4月1日 15時32分36秒]