ジョージ・オブライエンを見たのは、「アパッチ砦」や「黄色いリボン」でした。後年、近所の図書
館で借りたビデオで、オブライエンがダニエル・ブーンを演じるのを見たことがあります。インディア
ンに囲まれた時、短剣を飲むように見せかける手品で相手を煙に巻き、逃げてしまう場面は笑えました
が、時代が18世紀後半だから、普通にいう西部劇ではありません。昔、この「挑戦」上映のポスター
が町に貼ってあったのを覚えていますが、戦前作のこれはまるで骨董品に思えて見る気が起きませんで
した。しかし、本欄の「はせべ ひろし」氏の文章を読んだら見たくなってDVDを求めました。今と
なっては、50年前の新作も70年前の骨董品も違いはありません。
腕前を見込まれて任命されるマーシャル、学校教師のヒロイン、美人先生に横恋慕する悪徳保安官、
雇われガンマンなどお馴染みの連中が物語を紡ぎますが、一種のワイアット・アープとドク・ホリデイ
ものですね。大詰めの対決場面で、オブライエンとブランドンが後ろ姿を見せて煙のあふれる中に姿を
消し、撃ち合いが直接見えないのも、「荒野の決闘」の砂ぼこりの中の撃ち合いに通じると思います。
私も不精になって、近年のようにどの映画も2時間もあるのでは見るのが億劫ですが、コマーシャル
無しで手軽に60分ほど楽しませてくれるというのはいいですね。オブライエンとデヴィッド・ハワー
ド監督という人のコンビは、こういった作品をいくつも作っているようですね。
[2006年4月2日 16時40分35秒]