５０年以上前に見たまま、ずっとご無沙汰だった写真だよ。いや、あっしだけがご無沙汰なんじゃな
いよ。アメリカでも西部劇関係の催しで上映されることもなけりゃ、ビデオにもなっておらず、ディー
ラーに聞いても消息が分からねえって始末で、映画評論家でさえ見る機会がないもんだから、もう失わ
れた作品だろうっていわれてたらしいね。それが '０４年にユニバーサル・ホーム・ビデオからＤＶＤ
で出されたんで、あっしも懐かしくって最近買ったのさ。

　平均よりは上の、肩の凝らない通俗西部劇で、監督はレイ・エンライト。テキサス男のランドルフ・
スコットが叔父の運送業を手伝いにニュー・メキシコのアルバカーキーにやって来るんだけど、この叔
父が車椅子の身ながら、強欲に町の運送業の独占を図ってる悪徳ボスなのさ。正義漢のランディは叔父
と袂を分かってラッセル・ヘイドンとキャサリン・クレイグ兄妹の善玉業者側に加わる。胸当てシャツ
を着たスコットは、これでしか見たことがねえように思うぜ。他にジョージ・ギャビー・ヘイズ、ロン・
チェニー・Ｊｒ、なんて顔ぶれで、後半に登場するバーバラ・ブリトンは、悪党に雇われて善玉の様子
を探るスパイだけど、善玉側に乗り換えるグッド・バッドガールだよ。

　ロン・チェニー・Ｊｒは狼男やフランケンシュタインの怪物やドラキュラだけでなく、西部劇でも時
たま見かけるけど、悪玉でなかったのは「真昼の決闘」ぐらいじゃないかねえ。ここでももちろんボス
の子分の悪党で、くわえ煙草のままスコットと殴り合ってたのはおかしかったね。ギャビー・ヘイズは
スコットとも何本か共演してるけど、あっしが最初に彼を見たのは、確かジョン・ウェインの「拳銃の町」
だったよ。誰かの感想文に「この時期のギャビー・ヘイズは、もうギャビー・ヘイズしか演れなくなっ
てた」ってあったのは至言だねえ。この写真でヘイズはピストルを構えてから、「ヴェラ・クルス」の
ジョーかシェーンみてえにくるくるって回して革鞘に納めてたけど、気持ちよさそうだったね。

[2007年3月31日 22時1分29秒]

スコットのシネカラー第二作。シネカラーは、原色が鮮明に出ないので、この映画では、ロン・
チャニー・JRがスコットになぐられて流す血が、ケチャップのような色だったので、観客の失笑
をかった。でも、格闘のあと、「どうしてお強いのですか」と聞かれたスコットが、「テキサス
警備隊にいたことがあるのでね」と答えるのが、なんともカッコいい。

[2003年12月16日 22時28分34秒]

スコットのシネカラー第二作。シネカラーは、原色が鮮明に出ないので、この映画では、ロン・
チャニー・JRがスコットになぐられて流す血が、ケチャップのような色だったので、観客の失笑
をかった。でも、格闘のあと、「どうしてお強いのですか」と聞かれたスコットが、「テキサス
警備隊にいたことがあるのでね」と答えるのが、なんともカッコいい。

[2003年12月16日 22時27分53秒]

　ニューメキシコ、アルパカーキを舞台にした西部小説の第一線作家
　ルーク・ショートの小説を映画化した作品。御大ランドルフ・スコットが
　叔父を訪ねてアルパカーキにやって来ると、叔父は保安官をも巻き込んで
　鉱石運搬を独占しており、競争相手のバーバラ・プリットン兄妹を虐めに
　いじめていた。ここに銀山の鉱石運搬をめぐり、善悪凌ぎを削ると言う
　お話。スコットの手綱を左右に振る乗馬の勇姿と「落日の決闘」でも
　見せたブリットンの可憐さが・・・懐かしく思い出される・・・。
　監督はレイ・エンライト、４７年製作のまさしくＢ級西部劇の一本。

[2003年11月12日 1時14分38秒]