手元に今は閉鎖された東京は築地のロードショー専門館「松竹セントラル」
の3号連続のパンフレットがあります。
初めは「ワーロック」次が「コルドラへの道」最後が「騎兵隊」です。
これを見ると、たった数ヶ月の間に相次いで大作が公開された、ファンに
とっては良い時代だったんだなと思います。
そこで両大作にはさまれた「コルドラへの道」ですが、ゲーリー・クーパー
にリタ・ヘイワース、脇を固めるのはヴァン・へフリン、タブ・ハンター、
リチャード・コンテ、デイック・ヨークと顔ぶれだけ見てもこれまた大作
だったことがわかります。でも世間一般の評価はいまいちのようでした。
私も派手なアクションを期待していきましたが、はぐらかされた感じで映
画館を出ました。
一般的に西部劇のアクション場面は序盤・中盤にそこそこのを配し終盤に
派手なのが来るのが多かったと思いますが、この映画では冒頭の騎兵隊の
ものすごい突撃シーンがあったので、終盤のそれを期待したのですが、最
後は疲労困憊したクーパーが登り坂を逆走したトロッコに引きずられ、よ
うやく停まった時にはボロボロになっていると言うものでした。
当時の或る批評にj・ウエインならあんなトロッコぐらい片手で停められ
るだろうにと言うのがあって妙に納得したものでした。
主題が臆病者の烙印を押されたクーパーが本当の勇気を探るというもので
すが、この辺の追求が中途半端で印象が薄れてしまったように感じました。
ところで、芳賀書店版「THE WESTERN 西部劇大全集」には戦
後から‘79年までに公開されたほとんどの作品が収録されていますが、こ
の作品は載っていません。時代は20世紀初頭、パンチョ・ビラの活躍した
頃ですし、舞台もニュー・メキシコ州なので、西部劇としての資格?は充
分に有ると思いますが・・・。
同じようにメキシコ革命を背景にしたロバート・ミッチャムの「反逆者の
群れ」も取り上げられていません。
もっとも私の場合西部劇か否かの線引きにはあまりこだわっておりません。
自分で西部劇だと思えばそれでいいかなと言う感じです。
[2003年7月26日 13時17分58秒]