作品名: 決闘 コマンチ砦 -


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お名前: A・マーフィと同身長   
連れ去られた妻を、なぜ夫本人が捜そうとせず
他人に任せたのかが分かるラストだけ、
「あ〜、そういうことだったのね。」と納得がいって、
記憶に残っています。
[2008年5月2日 20時52分29秒]

お名前: クインキャノン   
 ウエイン命さんが、「深沢哲也さんが書いてるような幕切れの説明字幕は覚えがねえ」っておっしゃるの
は、あっしも同じで、そんな覚えはありませんや。

 この件から、作家で演出家だった久世光彦さんが、生前に新聞に書いた文章で、エロール・フリン主演の
「ドン・ファンの冒険」を13回見たって自慢してたのを思い出しやしたね。あっしも、西洋チャンバラは
西部劇同様に好きだから、エロール・フリンやタイロン・パワーの写真をいろいろ楽しませて貰ったし、
「ドン・ファンの冒険」はエロール・フリンもののうち屈指の出来だって思ってやすよ。まあ、久世さんは、
スペイン王妃役だったヴィヴェカ・リンドフォースがお気に召したようだけど。

 ところが久世さんは、「大詰めは、悪宰相と一騎打ちしてこれを倒したドン・ファンが、王妃と固く抱擁
するところへエンドマークが重なって大団円」てふうに書いてるもんだから、目が点になりやした。13
回にゃ到底及ばねえけど、あっしも劇場上映と、テレビ放映と、ビデオを合わせると3、4回は見てるから、
ラストシーンがどんなかは覚えてるんで、「13回見てそんなことをいうんじゃ、目が節穴か、でなきゃ毎
回映画の終わりに寝込んでたんだろう」って毒づきたくなりまさあ。だけどまあ、人間の記憶なんてそんな
もんでござんしょうね。

 さて、深沢哲也さんは、「画面に『来る年も来る年も妻を捜して、そして彼は年老いていった』と云うク
レジット」云々て書いたそうだけど、あっしが四十年以上前に劇場で見たときも、最近DVDで見直したと
きも、そんなことはありやせんでしたね。夫と抱き合ったロウ夫人が振り向いて、万感の思いの眼差しを主
人公に向けると、主人公は独特の二本指の敬礼をし、馬首を返して去って行くんで、せりふも、ナレーショ
ンも、字幕も一切なしでさあ。そりゃ、この写真のバージョンが一つでなくて、あっしらが見たのと深沢さ
んが見たのとには違いがある、ってことがねえとはいえねえ。実際、あっしはジョン・ヒューストン監督の
「赤い風車」に、劇場で見たのとテレビやDVDで見るのとで、はっきり違ってる箇所があって驚いたこと
がありまさあ。

 だけどまあ、この写真の場合、そんなことはありそうにねえやね。こりゃきっと、あの場面に感激した深
沢さんの思い込みなんで、深沢さんにとっちゃそれが真実でござんしょうね。だから、違ってるんじゃねえ
か? なんていったら、あの世の深沢さんに、「事実は真実の敵だ」って怒られそうでやんすよ。ところで
ウエイン命さんは、この映画のテレビ放映の短縮版のビデオをお持ちだそうだけど、この作品はもともと74
分と短えものだから、別に短縮版ってわけでねえんじゃねえですかい?
[2007年5月6日 18時34分40秒]

お名前: ウエイン命   
恥ずかしながらB・ベティカーの作品はこれしか観てませんが、前々から仏の映画評論家A・バザン
がベティカーをまるで神様の如く崇めていることは知っていましたし、その表現が尋常でないので
(例えば「ベティカーは岩も木も周りの物すべてに命を吹き込むことが自在に出来た(ウロ憶えで
す)」と云う具合です)、「B級西部劇の監督が?」と怪訝に思いながらも「百聞は一見にしかず」
何とか作品を観たいと思っていたところ、ラッキーにもこの映画が公開されたんです。バザンの云う
ことはともかくとして、やはりスコット=ベティカー作品は他のと全然違うんだなーと云うことはよ
く分かりました。クライマックスのコマンチの襲撃もたった3騎ですが凄い迫力ですね。C・エイキ
ンスも悪漢ながらこう云うところではちゃんと助太刀したりして、なかなかイイ味を出してました。
ひょっとして彼のベストかも知れませんね。夕陽をバックにしたスコットのシルエットが切ないラス
トシーンにはググッときましたが、西部劇オタクの評論家深沢哲也さんがその著書に「その画面に
『来る年も来る年も妻を捜して、そして彼は年老いていった』と云うクレジットが被り、胸が締め付
けられた」と書いてらっしゃるんですよ。私が持っているビデオは30年ほど前にTVの深夜番組を録
画した短縮版ですが、いくら眼を皿のようにして見てもそんなものは出てきません。事実だとしたら
スゴクいいとは思うんですが、深沢さんは思い込みの激しい方だったので半信半疑です。スコット映
画の第一人者、クインキャノンさんならご存知でしょうか。
[2007年5月5日 23時24分30秒]

お名前: クインキャノン   
 ランドルフ・スコットとバッド・ベティカー監督の第七作、いわゆるラナウン・サイクルの掉尾、そ
してスコットの映画経歴の最終段階を飾るにふさわしい好作品だね。今回見直した七本中、邦題のついて
る四本はどれも昔映画館で見たよ。「七人の無頼漢」と「反撃の銃弾」は吉祥寺(駅の両側に分かれて
だけど)、「決闘ウエストバウンド」は確か渋谷、そしてこの「決闘コマンチ砦」は八重洲口の地下劇場で。

 ラバを曳いた一匹狼のジェファーソン・コディがコマンチ族と会って、ラバの品物と捕らわれていた
白人女性のナンシー・ロウ夫人(ナンシー・ゲイツ)を交換する。コディは人助けしたのにあまり満足
そうでないね。彼は彼女を夫と幼い息子の元に届けようとローズバーグに向かう。その夜の野宿で、コ
マンチの虜だった女を、男は引き続き求めるだろうかと彼女が口にした時、コディは、愛情が深ければ
それは問題でない、って答えるよ。流石、修身の先生は言うことが立派だね。

 ロウ夫人を駅馬車に乗せようとコマンチ駅所に来ると、三人の男がコマンチに追われて馬で駆け込ん
でくる。賞金稼ぎのベン・レイン(クロード・エイキンズ)と若い仲間のフランク(スキップ・ホメイ
ヤー)とドビー(リチャード・ラスト)で、コディとレインは軍隊時代からの仇敵さ。レインは、ロウ
夫人の夫が彼女の救出に五千ドルの懸賞をかけてるから、彼女を探してるって言う。ロウ夫人は、コディ
も謝礼目当てなんだって考えて、彼に不信を覚える。レインの方は相棒二人に、謝礼は生死に関わらずっ
てんだから、コディを殺し、口ふさぎにロウ夫人も殺して賞金を貰うって言う。夜、レインはロウ夫人
に、夫が妻の捜索を金で他人にやらせるのは男らしくないって軽蔑した調子で話題にするよ。コディが
謝礼のことは知らなかったって言うけど、彼女は「信じない」と言い、コディはただ「そうだろうな」
って答えるのさ。

 コマンチの動向が不穏なんで駅馬車は来ず、五人はローズバーグに向けて危険な道行きをする。次の
夜もレインは、前にも白人女性がさらわれて、夫が懸賞金を出し、ついにある男が彼女を見つけるけど、
彼女が夫の元に帰ることはなかった、って話をして、その男はコディだったっていわんばかりだから、
コディが怒ってレインを殴り倒すよ。老レンジャーさんの言われるように、この辺のエイキンズは嫌み
たっぷりで可笑しいね。後刻、ロウ夫人はドビーにコディのことをいろいろ尋ねるよ。

 この写真は珍しく、無法者の仲間の若者二人を暖かく見てるね。二人は利口じゃないだろうけど、地
はむしろよい若者で、他に方法がなくてレインに従ってるのさ。ドビーは、父親が自分にひとかどの人
物になって欲しいって望んでた話をして、コディへの敬意も打ち明ける。ひとかどになるには、何か一
つするだけでいいのに、父親は結局何もできなかったって残念がる。二人にゃ友情と兄弟愛みてえなも
のがあるから、フランクが死んだ時、彼の残したのは鞍とシャツだけだって嘆くドビーの悲しみがこち
とらの胸に迫るんだね。

 今回見てちょっと驚いたのは、「ライド・ローンサム」の縛り首の木が、また出て来たことだよ。前
作じゃ野原の真ん中に一本だけ立ってたけど、今度は一行が馬で渡る流れの中にさりげなく立ってるね。
この木の禍々しい枝振りが監督のお気に入りなんだろうよ。アメリカ西部なんて広いだろうし、そのま
ま使えるロケ地がいくらでもあるんだろうって思ってたけど、結構細かく気を遣って場面作りしてんだ
ね。この木も出演者の一人さ。

 主人公が馬上の後ろ姿を見せて去って行く終幕は、いろんな西部劇にあるけど、ここじゃ主人公の単
なるの退場場面でなく、伝説の世界に入って行く男って印象だったね。ラストシーンはまたラバを曳い
て山の稜線を行く主人公の遠景だけど、開巻時と逆に左から右に向かってたよ。きっとああやって、死
ぬまでコマンチ地帯を彷徨ったんだろうね。
[2006年8月6日 18時7分8秒]

お名前: 老レンジャー   
 スティール写真のランドルフ・スコットはどの作品のポスターでも大変かっこいい。
スマートな身体に、顎紐のあるハット、ネッカチーフはリボン式でもスカーフ式でも結
び目は前、撃鉄に親指の根本をかけ銃把尻に小指をかける拳銃の握り方等独特のスタイ
ルが決まっている。が動くともう一つで棒人形のように硬かった。尤も私の見た映画は
殆ど50才台の作品で仕方ないのかも知れません。
 タイトルとラストのR・スコットと愛馬スターダスト号の騎乗シルエットは美しく流石
純西部劇スターと思わせる。棒のような体つきがここではピンと伸びた背筋となって
より美しい。
 コマンチから取り返した女性を夫の元に届ける道中は報奨金の横取を狙うクロード・
エイキンス、スキップ・ホメイヤー、リチャード・ラストの悪役3人組のアウトロー・
ポリシーが面白い。
 特にC・エイキンズは「リオ・ブラボー」の出鱈目殺人犯が代表作かと思っていまし
たが、この映画のキャラクターがもっと面白い。ことある毎にナンシー・ゲイツをニタ
ニタしながら言葉でいたぶる(今ならセクハラそのもの)のが嫌らしい。かと思えばコ
マンチに襲われたランディを助けて「コマンチにやらせて手に入れた賞金では気分良く
使えねえ」とうそぶく。アクションも疾走馬上ライフル撃ちが決まっていた。
[2003年8月23日 11時1分31秒]

お名前: グリーンベイ (管理人移転)   
パット・ベテイカー監督作品「決闘コマンチ砦」(60)。この監督は・51年に「シマロン・キッド」
 オーデイ・マーフイで西部劇を撮って以来、十数本を数えるが、わがごひいきのランドルフ・スコット
 とのコンビも多い。まあ今回再見して水準以上の作品に仕上がっているなと思い紹介します。
 物語は、十年前妻をコマンチにさらわれた男が、コマンチに捕らえられている女を助け、無事、夫の
もとへ送り届ける・・・と云うもの。ありふれたストーリーだが、水準以上とした点は、巻頭から巻末
 まで旅をかさねる風景が多いが、従来の乾いたそれでなく、緑や小川の多い風景で良い。また、夫が
 妻探しに賞金をかけただけで、自分が探しに来ない理由を、ラストで明かすのも良い、こんな趣向は
 今までに無い新鮮さである。共演のナンシー・ゲーツも色っぽく作品に華を添えている。
 邦題は「決闘コマンチ砦」だが、何処にも砦なんか出てこない。原題はcomanch station
 

[2002年12月14日 15時13分21秒]
[2003年1月28日 22時26分50秒]

お名前: 鳴海昌平   
>グリーンベイさん はじめまして。『昼下がりの決闘』良かったですね。べテイカー作品でもう一つ『ブキャナン馬に乗る』とかってのがありましたが、これは追撃シーンに魅力がある作品でした。『決闘 コマンチ砦』は脚本も見事ですね。
[2002年1月8日 5時41分3秒]

お名前: ゲリーンベイ   
 鳴海昌平さん・・・初めまして・・・映画少年グリーンベイと申します。
 ランドルフ・スコット西部劇の中でも、この作品は「死闘の銀山」(48)と共に記憶に残るものです。
 62年の公開でしたが、この年は他に、「昼下がりの決斗」「無法街の決闘」「西部のガンベルト」
 「グレートロックの決斗」とにぎやかでした。この作品で共演したナンシー・ゲイツはとてもセクシー
 でした。10年前に、コマンチに妻を奪われた男が、方々捜しているうち、一人の白人女を助け、夫の
 元に届ける内容でしたが、最後に、ご指摘のようにサスペンス仕立てでしたね。
[2002年1月7日 23時6分9秒]

お名前: 鳴海昌平   
バッド・べテイカー&ランドルフ・スコットの見事な異色ウエスタン。脚本のサスペンスを見事な上手さで演出している。
[2001年12月27日 3時29分6秒]

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