作品名: 殴り込み一家 -


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お名前: ポルカドット   
 1940年のジョージ・マーシャル監督作品。本邦で公開された頃、新聞か雑誌に「ランドルフ・ス
コットが出ているのに、ピストルの一発も撃たせないのはもったいない」と書かれてあり、それじゃしょ
うがないと思って見送りましたが、スコット・ファンの小生としてはやはり見ず仕舞いにはできません
から、最近DVDで見ました。

 スコットやヒロインのケイ・フランシスは、トップ・ビリングながら一歩引いた脇役で、主人公は無
法者一家のダルトン兄弟、特にボブ・ダルトン役のブロデリック・クロフォードですね。ダルトン一家
はもともと無法者でなく堅気の入植者だったのですが、悪徳開発会社に農地を巻き上げられそうになっ
て悪の道に追い込まれる、という設定で、「地獄への道」のジェシー・ジェイムズ兄弟のようなものです。
そういえば、「地獄への道」では悪徳開発会社側だったブライアン・ドンレヴィは、ここではグラット・
ダルトンです。スコットが扮するトッドはダルトン兄弟の幼なじみで、弁護士であり、開巻、町に帰っ
て来ます。彼と、ボブ・ダルトンの婚約者のジュリー(フランシス)だけが兄弟の同情者ですが、トッ
ドとジュリーが恋仲になって三角関係が生まれます。

 中程以後に、ヤキマ・カナット担当の見事なアクション場面が続きます。追跡されて駅馬車の馬に御
者台から飛び移る場面は「駅馬車」の系統ですが、一人でなく兄弟全員がこれをやります。続いて崖の
岩頭から汽車の屋根に飛び降り、列車には保安官の一群が乗っているのに、行きがけの駄賃とばかり貨
物室から金箱を奪い、無蓋車に積んであった保安官たちの馬を奪って逃走します。走行中の汽車から、
馬に乗ったまま飛び降りるなどというスタントは、危険で他に例がないそうですね。

 ダルトン兄弟は、最後に故郷の町で行った銀行強盗に失敗して全滅します。実録では無謀にも二つの
銀行を同時に襲おうとしたのだそうですが、この映画ではその辺を細かく辿ってはいません。ジョージ
・バンクロフトが悪徳開発会社の悪徳社長ですが、最後の銃撃戦のどさくさに、不正を見抜いていて商
売の邪魔になるトッドを狙撃しようとしているところを、瀕死のボブに撃たれて死に、兄弟の死後、トッ
ドはジュリーを伴い、カリフォルニアを目指して町を出ます。

 結末は悲劇ですが、「駅馬車」の御者のアンディ・デヴァイン扮するダルトン・ギャングの一人のオ
ザークが、珍しく女性に大もての人物で、美女たちが彼を争って痴話喧嘩や取っ組み合いをするのがコ
メディ調です。映画の始めで町に入ってきたスコットと対話し、幕切れではフランシスを連れて町から
出て行くスコットと対話して、「人々は西部にやって来ては去って行く」と西部の歴史を少々まとまり
なく語る髭面の便利屋のような男は、何故かクレジットなしですが、いろんな作品でお馴染みのエドガー
・ブキャナンです。
[2008年12月31日 22時6分30秒]

お名前: 天涯JOE   
ムツゴロウさん、こんにちは。
ブロドリック.クロフォード?、うわー! 「肉弾鬼中隊」?、おおー!(笑)
オープンセット、ミエミエの戦争モノでしたね。「きちゅーたい」と読んで、
「オニ..」だよ、と連れてってくれた親父に言われたのを思い出します。
でも、B.クロフォード といえば、やっぱり元祖「ハイウェイパトロール」で
しょう。「名犬リンチンチン」と共に、最初に観たTVシリーズでした。
どっちも、西部劇でなくて、すいません。 あ、「リンティー..」はいいか?。
ついでだけど、「ハイウェイ....」のサントラってありましたっけ。
[2001年7月9日 23時50分13秒]

お名前: ムツゴロウ   
この映画は中学生のとき、学校の課外授業で見ました。二本立てで、もう一本
の方が本命だったはずですが、思い出しません。スコットより、ダルトン兄弟の
長兄役ブロドリック・クロフォードを知りファンになりました。「肉弾鬼中隊」
「サハラ戦車隊」のリメーク、「廃墟の守備隊」でのクロファードが好きでした。
[2001年6月13日 0時6分9秒]

お名前: はせべひろし   
われわれランドルフ・スコット・ファンは、まずこの映画の広告を見て、まるで任侠ヤクザ映画のような
邦題に憤慨し、映画館では、拳銃におびえ、机の下にかくれる、思いもしなかった弁護士スコットの醜態に、わが目を疑ったのです。映画そのものは、実在の強盗、ドルトン兄弟を描いているだけに、駅馬車強
盗あり、銀行強盗あり、アクション盛りだくさんで、とくに駅馬車の下をかいくぐるスタントは、「駅馬
車」以上との評判があり、西部劇の秀作といえるのですが、スコット君があれじゃどうしようもない。もし、スコットが、ドルトンの親分を演じていたら、彼の代表作として残ったかもしれないのに!スコットは、あれでも、「西部魂」や、「オクラホマ無宿」など、けっこう悪役もやっているのです。この映画が
一番ひどかったが、この前後、スコットに関しては、「地獄への道」や「ヴァージニアの血闘」など、さ
っぱりさえない役柄の映画が次々公開され、スコット・ファンの多くは、ジョエル・マックリー・ファン
に鞍替えしたのでした。そのころ、映画雑誌の読者欄で、クリス・ダーニング(「西部の裁き」のスコッ
トの役名)のペンネームで、スコット応援の先鋒をつとめていた方も、投書をやめられたようでした。
1940年度作品。ジョージ・マーシャル監督
[2001年6月10日 14時20分48秒]

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