作品名: 平原の待伏せ -


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お名前: ポルカドット   
 「テキサス人」のDVDセットに入っていた西部劇4本の一つです。以前に劇場で見たけれど、何せ
古いことで詳細を忘れてしまったから見直しました。メキシコの大軍と戦って全滅したアラモの砦から、
陥落寸前に逃げおおせた男の運命、とはうまい設定ですね。主人公のシュトラウド(グレン・フォード)
は、仲間たちに望まれて心ならずも砦から脱出したのであり、むしろ立派な行動なのですが、世間の人々
は彼を、仲間を見捨てて自分だけ助かった卑怯者と憎みます。ラマー中尉(ヒュー・オブライエン)な
どはその急先鋒です。

 しかし、ラマー中尉も、戦禍から避難する人々の幌馬車を、ウエイド(ヴィクター・ジョリー)のギャ
ング団の待ち伏せから守って平原を行く途中、ヒューストン将軍の命令を受けて、アラモの砦でのシュ
トラウドと同様の決断を迫られ、シュトラウドの行為がやむを得ないものだったと理解します。大詰め
の、滝の直前での川中の格闘で、シュトラウドはウエイドを滝に叩き落とし、殺された妻子の仇を討ち
ます。もっとも、ウエイドは派手に落ちたけれど、滝壺に落ちたのだからひょっとしたら死んだわけで
なく、下流で岸にはい上がってまた悪事を続けたかも知れませんね。

 物語の途中で、シュトラウドが丘の急斜面を転落し、地上で人事不省に陥る事件があり、後刻、息子
同様に面倒を見ているメキシコ人少年に発見されて辛くも命を取りとめます。少年に発見されなければ
多分死んでいたでしょうし、死ねば人々から卑怯者と思われたままです。

 これは映画なので、主人公はエンドマークまでに汚名をそそぐことができましたが、事実は小説より
奇なりといいますから、現実世界にも、偉業をなしながら人々に理解されず、逆に非難の的になったま
ま消えて行く人がいるかも知れないと思いました。我々も、目に見える英雄とは別の、埋もれた真の英
雄の存在を想像すべきでしょうね。

 バッド・ベティカー監督だけあって、しっかりできた作品と思います。スチュワート・ホイットマン
の他にも、デイビー・クロケットの同類のテネシー男をやるデニス・ウィーバー、ヒューストン将軍の
命令を持参するガイ・ウィリアムズ軍曹など、これ以後に活躍する人たちを見かけますね。もちろん、
チル・ウィルスやネビル・ブランドも抜かせません。この人たちも多くは故人になりましたが、ラマー
中尉夫人をやったジャンヌ・クーパーという女優さんは、今でも矍鑠と出演を続けているようです。
[2008年2月23日 18時24分19秒]

お名前: アウトロ−   
題名を覚えているのでその昔映画館で観ている筈なのに今日観てガッカリ・・・
当時はなんの気にもしなかった拳銃が時代考証から逸脱しているのが目に付きましたが
何しろ馬に乗って、拳銃をぶら下げて、カウボ−イハットを被っていれば兎に角西部劇・・・喜んでスクリ−ンに噛り付いていた頃の事に付まあ-良しとしましょう。
オ−プニングの会議のシ−ンに出ている兵士は紛れもなくスチュア−ト・ホイットマンでした。
古い映画のもう一つの楽しみが後年活躍する役者さんを見つけられます。
[2006年5月20日 23時33分6秒]

お名前: オールド・トーサン   
服装など時代考証に拘ったという「アラモ(’04年版)」を観て、対照的なこの映画を
思い出しました。(’53年製作、’58年公開)

故あって玉砕直前のアラモから脱出して卑怯者の汚名を着せられたグレン・フォードが、
悪党一味と対決して見事にこれを倒すという筋書きですが、脱出後のシーンにはテンガ
ロンハットや幌馬車などが登場してなにやら1860・70・80年代を舞台にしたものにタイ
ムスリップしたような感じをうけました。
その最大の原因は時代的に単発であるはずのピストルから6連発のように弾が出ること。
40年以上前のことですので記憶が定かではありませんが、ずっとピストルにばかり気
を取られていて、映画館を出るときはなんとなく納得しないまま出たように思います。
ちなみに双葉十三郎氏の評にも「拳銃がすこし余計に弾丸が出すぎるようである」のコ
メントがあります。

お相手役は贔屓のチャーミングな眼をした「怒りの河」のジュリア・アダムスでしたの
でそれなりに楽しめましたけれど。
[2004年10月12日 18時12分20秒]

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