58年、MGM、ロバート・パリッシュ監督作品。この西部劇は、題名の示すように、所謂、無宿者を
描いている。原題は「SADDLE THE WIND」ですから邦題もうまくつけたものです。
昔、旅から旅と無法状態の西部を渡り歩いた拳銃渡世の旅がらすが、ある平和な谷に来て善良なカーボ
ーイとなる。しかし、彼(ロバート・テーラー)には暗い過去があった。一度、早撃ちで殺した男の弟
と名乗る男が、彼を訪ねてきた。しかし、相手になったのは、彼の弟(ジョン・カサテベス)で、然も
返り討ちに遭わせてしまった。不幸は弟にふりかかってしまう。かの男も悲惨な最期を遂げる。
彼は、また再び牧場を捨てて、当てのない旅に出かけて行く・・・。ざっとこんな物語だが、弟を、
新人で若いジョン・カサテベスが演じている。その後彼は、演技派俳優として、又監督としても活躍す
る。それに紅一点、歌うスターのジュリー・ロンドンが、自ら主題歌「風に鞍おいて」を歌い、西部の
流れ者の歌い女を好演している。昔、彼女の歌う「想い出のサン・フランシスコ」や「酒とバラの日々
」をよく聴いたものです。この作品を双葉十三郎氏は、一口で「リアルな感じが出てよろしい」と、め
ずらしく評価しています。
[2001年3月18日 18時19分38秒]