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お名前: 馬にひらりと乗れない理由
>>「例えば馬にはもう少し「ひらり!」と乗って欲しいと思いませんかあ?
これを受けて、僭越ながら一言だけ言わせて下さい。
「拳銃王」の撮影から遡ること2年前。「廃墟の群盗」の撮影時にその悲劇は起こりました。
「白昼の決闘」でも有名な映画スターホース・Dice同様、自分の乗る馬を自分で馬定めしている
最中のペックの身体の上に、馬が突如として覆い被さるが如く崩れ倒れたのです。
ペックの足は馬の全体重の下敷きとなり、緊急手術を施したものの、左膝の複雑骨折は
2度と完治することはありませんでした。
それ以降、走ることはおろかスキップさえもままならぬ状態となり、晩年までギブスの着用が
強いられることとなりました。ハリウッドではデビュー前の脊髄負傷と併せて「ペックは障害を持つ役者」として知られています。「廃墟の群盗」の撮影も彼の現場復帰まで約半年間中断された
ようです。背中の負傷は有名ですが、足の障害は以外と知られていないと思います。
そういった身体的な欠陥が、彼の騎乗を優雅に見せてくれない一因ではないでしょうか?
アクシデント以前の「白昼の決闘」の騎乗スタントと比較してみれば一目瞭然です。
しかしペックの乗馬の腕前はハリウッド屈指との呼び声も高く、50年代に活躍した著名な
ホーススタントウーマンのMartha Cantariniも、同時代のあらゆる屈強な西部劇・アクション
俳優を退けて、彼をトップ騎手として評価しています。
[2006年6月20日 1時26分32秒]
お名前: ウエイン命
私はもう、ペックへの注文はただ一つ、「もうちょっとまじめにガン捌きの練習やって欲しかった」
それだけです。「無頼の群れ」等他の作品もそうですが、やっぱり早射ちの役演ってんですからネ、
演技の一つだと思いますよ。
[2006年5月20日 10時41分52秒]
お名前: ノスタル爺
実在のガンマン、ジョニー・リンゴーに関しては名前だけが一人歩きしている感じですね。
『駅馬車』のリンゴ・キッドは、ジョニー・リンゴーの伝説(兄の仇を3発の銃弾で仕留めた)を
ラストの決闘に使っただけですし、この作品では、拳銃の名人として名前(ジミー・リンゴー)を
使っているだけです。ただ、弟を殺された三兄弟が、リンゴーを仇として追ってくるのは、伝説の
裏返しになっていますが……
史実に一番近いのが『トゥームストン』ですね。
ジョニー・リンゴーが二挺拳銃だったかどうかはわかりませんが、当時のガンマンは二挺以上
の拳銃を身につけていたことは事実です。
複数の敵を威嚇するには二挺の方が効果的ですし、射合いになった時は弾込めする暇なんて
ないからです。
ジェシー・ジェームズは腰に二挺、腋の下に二挺と、四挺の拳銃を身につけていました。
この作品で二挺拳銃が印象に残っていたのは、1950年代の西部劇にしては珍しく、細かな
ところに手抜きをしていなかったからなんです。
酒場の裏で顔を洗って戻ってくるシーンで、腋の下に拳銃を吊るしていなくても、作品全体には
何ら影響を与えませんからね。
このこだわりが、リンゴーの服装にも表れていました。
戦前の西部劇スター、ウィリアム・S・ハートの服装(埃で汚れたオールド・スタイル)に
似かよっていましたよ。
リンゴー生存説もそうですが、深読みすると、いろいろ考えさせられますね。
[2004年3月30日 21時16分27秒]
お名前: Ms.Tenderfoot
ノスタル爺さん: リンゴーは実は2挺拳銃であったこと、ビデオを見直して
よく分かりました!さすがに、見るところをきっちり抑えていらっしゃって感服
いたしました。 ところで、実在したリンゴーキッドも2挺拳銃だったのでしょうか?
G.Peck は彼の電気、じゃなくて伝記の中で、この作品に触れて、この映画では
左手で cross-over draw をするリンゴーを 監督とともに [invent]
した。 と出ていました。ですから、左手で抜くのは彼の創作なんでしょう。
それに口ひげとサイズの合ってないような上着や、つばの狭い帽子は、当時の
風俗をリアルに表現している、という事で、いつも2枚目ばかりの役の彼が
そうではない設定を楽しんでいたようです。この作品では、いかにも「ハリウッド的な
早撃ちガンマンスタイル」を避けたかったようで、髪型もいかにも素人が切った
ようなスタイルにしたかったらしいですよ。 スタジオのお偉いさんは
彼の口髭が気に入らず、取り直しを命じたそうですが、予算の関係であのまま
製作されたそうですね。 ですから、「ペックって早撃ちガンマンに見えない、」
ってお言葉、彼が聞いたらとっても喜んだと思いますよ!
とは言え、ペック氏の演劇に於ける身体的な能力は、机と椅子に座った時に
一番うまく発揮されると私は思って居ますんで、この人、西部劇に向いて
ないなあ、、と。 例えば馬にはもう少し「ひらり!」と乗って欲しいと
思いませんかあ?
グリーンベイさま:
はい、はいっ、私も「リンゴー生きてる説」を取りたい方です。 この映画の
テーマには反することを承知で、あの夕映えの中を行く男はリンゴーだと。
(少なくともあれはペックです) と、いうのは最初のタイトルロールの背景
に流れるガンマン(リンゴー)の映像はペックではない(吹き替え)ように、
私には見えるのです。(ちょっと、関係なかったかも、、ですね)
それに、いくつかセリフで検証?してみても、ペギーとやっと会えた場面で、
彼女が ”They (Federal Officers) would never give up (chasing you), as long
as you live" つまり生きてる限り追われるなら、死んだ事にすれば??って
この時ひらめいたかもしれないし、撃たれた時に、保安官に向かって ”You heard
what I said, I drew first. Don't argue with me, I know what I'm doing."
といっているところがアヤシイ! つまり、「何もかも承知の上だ、
オレのこの芝居にお前ものってくれ」、って
言ってるようにも取れるし、「医者が来る」とは言いながら、実際医者が来て
宣告したわけではないし、この場面、町の人(と本人が)大急ぎで死んだ事に
しちゃったように私には見えるんですよねえ。 保安官がやたらと「リンゴー
を撃った(殺った)男」を強調するところや、確かに賛美歌歌ってないところ
とか、、うん、アヤシイですよねー。
この、「リンゴー生きてた説」に関しては脚本家の真意を知りたいと思いま
すけれど、きっとここは観客がそれぞれの思いを込めて結末を見ることが
正解といえば正解なのではないでしょうか。と私は解釈して、
彼は生きてカリフォルニアに行けたと信じているのです。
そうでないと、リンゴーが可哀想で、くくく
お邪魔しました!
[2004年3月30日 17時12分42秒]
お名前: Ms. Tenderfoot
「拳銃王」、これほどストレートなタイトルも珍しいと思いましたが、
原題も負けずに「The Gunfighter」で、納得!
どなたか教えて下さいませんか、この映画、リンゴーは左利きの設定だと
思うのですが、劇中数箇所、完全にそれを忘れて?作業している場面が
出て来ます。 オマケにビデオのカバーにプリントされているリンゴーは
右手で拳銃を構えています。 「左利き」だと思って見ない方が良いの
でしょうか?
脚本の出来が素晴らしく、会話の妙も楽しめる素晴らしい映画ですね。最後
の夕映えの中を馬で駆けるリンゴーの姿、余りの美しいラストに涙が止まりません。
[2004年3月12日 19時25分58秒]
お名前: 鳴海昌平
ひたすら暗いムードの西部劇。ショットが厳格すぎるので、そこがまたこの西部劇
世界をいっそう閉塞した暗黒の風土に仕立てあげていた。グレゴリー・ペックも
会心の名演技だと思う。そういう意味でとても心に残る西部暗黒映画の傑作。
[2002年1月13日 16時14分0秒]
お名前: はせべひろし
リンゴオ生存説には驚きました。まるで「必殺の一弾」ですね。私は、ラスト・シーンにウェスタン・ソ
ングの「ライダース・イン・ザ・スカイ」がダブり、いつもこの曲を聴くと、まるで「拳銃王」のテーマ・ソングだったかのように、あのラスト・シーンのペックの幽霊が目に浮かぶのです。
[2001年6月5日 15時3分40秒]
お名前: グリーンベイ
ノスタル爺さん・・・・今晩は。映画少年グリーンベイです。
雑記帳を毎回、興味深く読ませていただいています。ところで、ジミー・リンゴ生存説面白い解釈です
ね。川本氏は、この作品のエンデングマークのバックシーン。この映像からの推測の域を出てないので
は・・・。言われてみれば、なるほどと考えられなくもない。しかし、この映画を初見で生存説をとる
方は、皆無では無いでしょうか。この作品のテーマは「英雄扱いされたガンマンの悲劇」ですから、
生存説をとると、この映画の価値が軽いものになりはしないかと・・・。「シェーン」もご指摘のよう
に、墓の並ぶ小山に登り消えてるシーンで、意見が色々でしたネ。私としては深く勘ぐらないで死亡説
としておきます。
[2001年6月3日 0時2分17秒]
お名前: ノスタル爺
URL
川本三郎さんが言っていたリンゴ生存説をビデオで確認しました。
確かに、エンドマークが出る前に、グレゴリー・ペックが馬で夕暮れの中を行くんですね。
妻子と暮らしたがっていたリンゴが、拳銃自慢の若者に撃たれますが、死んだマネをした
ことは充分に考えられます。
保安官も当然承知のことで、ラストの葬式では賛美歌を歌っていません。(笑)
『シェーン』とは、逆のハッピー・エンド解釈。(笑)
それにしても、グレゴリー・ペックって、早射ちガンマンにみえないんだよなァ。
[2001年6月2日 17時37分10秒]
お名前: グリーンベイ
FOX社50年製作、ヘンリー・キング監督作品。音楽アルフレッド・ニューマン。出演者グレゴリー
・ペック、ヘレン・ウエスコット、ミラード・ミッチェル(裸の拍車)、カール・マルデン他。
オスカーの脚本賞にノミネートされた程の本を元に、名匠キングと誠実派俳優ペックとコンビを組み
西部きってのガンマン、ジミー・リンゴの最後を描いた作品で、アクション・シーンは皆無に等しく
カメラが野外に出ることもなく、西部の人々の心の葛藤を探り、社会意識を持ち込んだ異色西部劇です
伝説的に有名となった拳銃使いリンゴ(ペック)は堅気になり、別れていた妻(ウエスコット)との
平和な生活を夢見て帰ってくる。だが彼を狙う男は何人もいた。やっとの思いで妻子に会い新しい生活
を始めようとした矢先、若い殺し屋に撃たれてしまう。有名になりすぎたガンマンの悲劇と一口に言っ
てしまえばそれまでですが、西部人が伝統的に尊敬している数少ない文明の先駆者のうち、その一人は
教師である。この作品でも、リンゴの別れた妻は教師である。堅気とはいえ元ガンマンとの鮮やかな
対比も作品に厚みを与えている・・・。
[2001年6月1日 23時28分8秒]
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