作品名: 無頼の群 -


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お名前: ウエイン命   
ペックが’50年代に撮った西部劇には結構世評の高いものが少なくないと思いますが、J・スチュワ
ートがA・マンと組んだ一連の西部劇が”西部劇に新風を吹き込んだ”と賞賛されているのに対し
て、”ペックも頑張ったがそこまでは行かなかった”と云うようなことが、昔「スクリーン」誌など
に書いてあったのを憶えています。理由を書いてなかったので、何を以って両者に差をつけているの
か分かりませが、本数の違いだけではなさそうでした。
恐らく、この映画にしても「拳銃王」「廃墟の群盗」にしても、”暗く””すっきりしない””陰々
滅々とした”およそ西部劇らしくない印象に加えて、ペック演じる主人公が西部劇のヒーローとして
は首をひねりたくなるような人物ときては、いくら”従来の伝統的な西部劇とは違う、新しい面白さ
がある””以降の西部劇に少なからず影響を与えた”などの要素はあったとしても、”新風”と呼ぶ
には余りにもネガティブであることが、そしてそれが果たして本来西部劇が必要とするものだろうか
と云うことが、ジミーの西部劇ほどには評価しないとの声があがる主因ではないかと思っていますが
どうでしょう。
話は変わりますが、私「拳銃王」の欄に”ペックにはもう少し銃の練習をして欲しかった”と書きま
したが、その代表が実はこれなんです。まず、L.V.クリーフを殺す場面、撃鉄も起こしてない銃のシ
リンダー部分を手のひらで持ってます。親指を上に乗せてネ。あれで相手に銃を突きつけてるつもり
でしょうか。「クリーフ、何してる。今から抜いても十分間に合うぞ」と応援したくなっちゃます
よ。も1つ、S・ボイドを殺す場面。珍しく(と云うかこれくらいしか見たことありません)ワンカ
ットで抜きます。が、抜いてはみたもののやはり撃鉄を起こしきれず(と見えます)カットを変えて
発砲すると云う、思わず目を覆いたくなるようなシロモノでした。ここまで来ると編集の責任も問い
たくなりますね。
昔、萬屋錦之介の代表作「宮本武蔵5部作」の製作発表を聞いたとき「錦之介に出来るか?」と思い
ました。と云うのは彼の殺陣は腰が引ける癖があって当時の時代劇スターの中でも下手な方だった
し、何より東映の歌舞伎的チャンバラは内田吐夢監督のリアリズムにそぐわないじゃないですか。錦
チャンと武蔵はどう考えても重ならなかったからです。ところが完成した映画は観てビックリ、スク
リーンの中にいるのは、まるで武蔵が乗り移ったかのような”剣豪”錦之介でした。それまで身につ
いたチャンバラの錆びを捨ててリアルな闘いとしての剣技を身につけるまでの努力が偲ばれました。
武蔵が終わった後の作品を観るとやっぱり腰が引けてますから、いかに武蔵に集中していたかが分か
ります。
私、いろんなところでガン捌きが鮮やかに見えないのを俳優の所為だけのように云ってますが、本当
にそう思っているわけでは勿論ありませんよ。演出や編集である程度はカバーできるわけですから
ネ。現に殆どの決闘シーンは、悪人が銃に手を掛ける、カットが変わって主人公が撃つと云うパター
ンですよね。ただ、”ワンカットで出来ない”あるいは”とにかく下手”と云うのは俳優個人の属性
ですからね。”あれで撃てるわけないよ”と云うのでは困りますし”早射ちの役演るんだったらその
くらい努力して欲しい”と云うのが私の気持なんです。要は自覚と根性、その役にどれだけ打ち込ん
でいるかの証明ですよ。今、それが感じられるのはコスナーくらいじゃないでしょうか。
[2006年9月18日 9時0分3秒]

お名前: 老レンジャー   
 後味の悪い西部劇、しかし一部の人には評価が高いというのが一般的でしょうか。
一人また一人…愛する妻を殺し血に狂う無頼の者共を倒して行く男ひとり!西部劇に新境地を開いた
傑作! 公開当時の広告の惹句です。
 新境地とあるようにこの頃西部劇は変化しょうとしていました。単なる勧善懲悪劇でなく、悩む主
人公や人間の影や悪人にも喜怒哀楽の感情がある等大人の鑑賞にも耐えるドラマを模索していたよう
です。私も同感ですがこの映画が成功していたかと云えば疑問に思います。偽情報と思い込みから妻
殺しでは無実だが元々は死刑囚の脱獄囚を3人も殺してしまう。法の上では正義を行ったヒーロー。
しかし心は休まらず神に許しを請う。許しを請う者は神は許すと聞きましたが。この辺りの法律上の
正義と罪と宗教上の罪を持ってきた皮肉を感じさせる結末が私にはよく分かりません。
 グレゴリー・ペックが脱獄囚を順繰りに殺して行く場面。草むらに待伏せするリー・V・クリーフ
を追跡隊で唯一見つけるペックに復讐心の強さを感じさせる。この時リー・V・クリーフは助けてく
れと懇願しているのをあのペックが構わず撃ってしまいます。
 次は森で待伏せするアルバート・サルミに対し馬を左右に走らせて狙いを外させ、投げ縄で捕まえ
そのまま枝に逆さま宙吊りする。この場面が作品中最も迫力がある。
 大将格、スティブン・ボイドは酒場で早撃ちで殺る。ビデオで分かったのですが、ペックはボイド
より先に抜いて撃つ。単にテクニック上そうなってしまったのか、作品の人物の役上(復讐が第一義)
そうなのかよく分かりませんが。
 爬虫類男、ヘンリ・シルバが最後に逃げ帰った家族の前ではちゃんと夫、父の顔になっているのに
は驚きました。流石役者。
 他に何時もは悪役のアンドリュー・ダガンがゴッツイ神父になって何となく場違い。
 高校生のこの頃は何時でも腹を空かしていましたが、取分け2本立て、3本立ての映画を見ている
間は空腹でした。ジーン・エヴァンスが小屋でジュージュー音をたてて焼いていたベーコン・エッグ
の美味そうだった事。映画と食べ物と云うと豪華な料理より必ずこの場面を思い出します。
[2004年9月15日 20時39分37秒]

お名前: Ms. Tenderfoot   
marineflat様:

------ストーリーが入ります-------




この映画でペック扮するジムダグラスの妻を殺し、金を奪ったのはジムの
牧場の近隣に住む、 ジョン バトラーという金鉱堀りの男でした。
結果的に彼は、例の4人組の一人に撃たれて死んでしまうのですが、ジムは
最後まで、この男は誰をも傷つけた事の無い男だ、と信じていたのです。
(”Poor devil never harmed anybody in his life.")
ですから、4番目の男から、真相を聞かされた時の驚きの
表情に、取り返しのつかない「思い違い」をしていた自分への
やるせなさが見て取れます。

ペック自身も彼の回想のなかで、あの場面の演技は「俳優なら誰でも、ひとつや
二つは自分で持っている、たとえ他から評価されなくとも最高の演技をした瞬間
と自分で誇れる場面」と言っています。 この映画、導入部が良いだけに、
最後の部分がちょっと、、ですよね。
多分、あの牧師が一番悪人みたいな顔してるから、彼が「祈り」なんて言っても
しっくり来ないのが原因かもしれません。
[2004年4月6日 20時52分8秒]

お名前: GOGH(管理人)    URL
m(_ _)m すみませんタイトル一覧表示がおかしいようです。テストのための書込みです。
[2002年3月24日 18時36分12秒]

お名前: marineflat   
30年以上も前テレビで観た記憶があります。懐かしいです。
3人との決闘シーンまでは詳しく憶えていませんが、一人は命乞いまでしたんですよね。それなのに
無情にも。
4人目の男は何故ペックを殺さなかったのか。殺す理由がないと言っていたような気がしますが、
自分の命を狙われ、悪党とはいえ、3人の仲間を殺されているのにね。妻殺しに関しては殺された
3人は無実。ペックより人間ができていたんですかね。この男は。
悪党とはいえ無実の男を殺してしまったことに気付いたときのペックの表情が印象的でした。
ところで真犯人は誰なのか。映画で暗示されていましたっけ?
>J.W.さん
ストリーの大部分をかきこんでしまってすみません。
[2001年4月3日 10時25分14秒]

お名前: グリーンベイ   
J・W・さん・・・せっかくのご推薦でしたので、今日「無頼の群」を再見しました。
双葉十三郎氏も、一口に「我々もスッキリしない」と評してます通り、私もスッキリしませんでした。得を
したのはヒロインのJ・コリンズだけですか・・・。しかし、よくよく観ますと、名監督の冴えた演出で
見事な作品だと思います。58年にG・ペックは「大いなる西部」も撮っていますネ。監督ヘンリー・キン
グは、50年に、この作品と雰囲気の似た「拳銃王」を撮ってます。「無頼の群」の様な内容には、良い
女性がでないと、やり切れない訳ですが、イギリス産のハリウッドグラマー「ピラミッド」(55)
などで脚光をあびたジョーン・コリンズを起用したあたり、並の作品ではないことが良く分かります。
白のブラウス黒のパンツ姿がシンプルでとてもセクシーでした・・・・。
[2001年1月14日 16時58分4秒]

お名前: J.W.   
妻を殺され,復讐の鬼と化した牧場主(グレゴリ-・ペック)が、4人の悪漢を追い求める
旅に出る.この映画は執念の追跡行と4人を一人また一人と処刑していくショッキングな
決闘シーンの連続で、強く記憶に残る。
 グレゴリ-・ペックは,黒づくめの服装で,寡黙で非情な西部男を好演し、かっての「拳銃
王」での孤独な,何かにとりつかれたようなガンマン振りがしぶい。
 「無頼の群」の主人公は,ほぼ同時期に作られた「捜索者」のイーサンと,その非情さゆ
えに,しばしば対比させられる。しかし、「捜索者」のエンディングはある意味では,中途半端な甘さ(一応家庭に戻るし,ジェフリー・ハンターは結婚しそう、ウェインは再び旅に
出るという暗示的ラストシーンにとどまっている。)が指摘されるのに対し「無頼の群」の
終わり方はなんだろう!。まだ観てない方のために,詳しくは書けないが、この暗いムード
は好き嫌いが分かれよう。ただ,強烈なインパクトがあることは間違いない。

 それはともかく、私は,初めてこの映画を観た時は,ただただ,4人との決闘シーンに
酔いしれたものです。ひざまづき命乞いする男を射殺する.ロープを自在に操り、木の枝に逆さ吊リなどなど従来の西部劇にない新鮮な感覚(サドではないけど)だった。

この4人の役者がまたすごい。リー・ヴァン・クリーフ,アルバート・サルミ,スチーブン・
ボイドそしてヘンリ-・シルヴァと重量級の脇役がそろっています。

またこの映画は後のクリント・イーストウッド西部劇に大きな影響を与えた事が明らかに
みられる点でも重要でしょう。
[2001年1月6日 23時36分43秒]

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