作品名: 周遊する蒸気船 -


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お名前: J.W.   
W.W.WEB8周年記念で「捜索者」を大画面で堪能した後、
自宅で観たいと思ったのがこの作品。ハードな「捜索者」の次は
やはり、同じフォード監督作品でも、コメディタッチの人情ドラマが
口直しにピッタリと言うところでしょう。

 そういえば、西部劇コメディがBBSで話題になっていましたが、
本作に触れていた人が皆無だった。舞台は1890年代初頭の
ミシシッピ流域であり、たとえ蝋人形と言えども?ジェームズ兄弟
の拳銃が発射されるのだから、ウェスタン・コメディとしてご紹介しても
許されたい。

この映画はフォードの傑作の一つとされながら、長い間わが国では
未公開でしたが、83年にフィルムセンターで特別公開、私は
その後のフォード生誕100年のフォード祭でようやく観る事が出来、
大いに満足したものでした。DVDも発売されましたが、画質は今いち、
折角のシュナイダーマンによる、かっちりしたモノクロ撮影が
生かされていません。やはり、フィルムセンタ等での上映を待つしか
本作の魅力を感じる方法は無いようです。

ストーリーは単純、中古のオンボロ蒸気船の船長(兼、万能薬ホカホンタス
のセールスマン)が殺人容疑で逮捕された甥の正当防衛を証明できる
証人を探すというもの。蒸気船を浮かぶ蝋人形館に改造して金を稼ぎながら
バトンルージュまでの蒸気船レースに参加し、見つけた証人を連れて
縛り首の執行前に州知事に甥の無実を訴えることが出来るかどうかが
クライマックス。

この証人役が駅馬車の銀行家、バートン・チャーチルなのだが、何と
ニュー・モーゼと言う伝道師役を快演、最も印象に残る。
フランシス・フォードも蒸気船の機関士としていつもながら酔っ払い、本作を
盛り上げる。船長はアメリカの善人、ウィル・ロジャースで、見事なロープ裁き
を見せます。

蒸気船レースでは、燃料が無くなって遂には、商品のポカホンタス(実はアルコール?)
やら、ワシントン、ロバート・E・リー将軍等など蝋人形を燃やす。伝道士が祈りながら
燃料補給をするのが笑えます。また、船を破壊しながら進むのは、「マルクス兄弟
の二梃拳銃」やキートンのSLの蒸気船版ですね。
[2006年9月18日 16時35分48秒]

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