「何々の息子」というのは、好評だった作品の続編を作る際の常套手段ですが、どうも正編に並
ぶ出来栄えのものにお目にかかったことがなく、この映画も例外でありませんでした。今となって
は覚えているのは、ピーター・ポッター・ジュニアが写真館で肖像写真を撮らせようとして、黒布
に頭を入れた写真師がなかなかシャッターを切らないのにじれて、「なにを勿体ぶってるんだ!セ
シル・デミルじゃあるまいし」といったら、「私を呼んだか?」といって布から顔を出した写真師
が他ならぬ本物のセシル・デミルだったのでどぎまぎする、というギャグだけです。
西部劇の場合、「息子」の時代といえば二十世紀に入ってしまうわけで、我々がストレートな西
部劇で馴染んだ、男が男らしく女が女らしかった時代を過ぎて、自動車などが登場するようになる
のが泣きどころだろうと思います。
ボブ・ホープといえば、この作品の更に後に、「腰抜け列車強盗」というのがあるようですが、
私は迂闊にもそれが封切られたことに全く気づかず、見逃してしまいました。資料を見るとジェシー
(ウエンデル・コーリー)とフランク(ジム・デイヴィス)のジェームズ兄弟が登場し、ゲーリー・
クーパー、ヒュー・オブライエン、ジェームズ・ガーナー(それから、もちろんビング・クロスビー)
などがカメオ出演するというし、漏斗型の煙突の汽車も出てくるだろうから、「息子」より数等面
白そうに思われます。逃がした魚は大きいといいますが、見損ねたのが残念です。ご覧になった方、
是非、感想をお聞かせ下さい。
[2005年9月17日 11時26分8秒]