作品名: 追撃のバラード - |
TVでもやったこと無いしビデオも無いしで、結局、昔映画館で観たッキリですが、とにかく痛快で 面白かったことを憶えています。ランカスターの見せる物凄い射撃にガンマニアの私はもう釘付けに なりましたよ。でも本当に「旨いなー」と思ったのは、悪党に用心棒の一団がいましたよね、あのボ スです。なんと云ったらいいか、西武ライオンズの和田を思いっきり悪人面にしたような…。彼がラ スト近く、馬車で(と記憶していますが…)突っ込んでくるランカスターの馬をウィンチェスターの 連射で射ち倒しますね。あのライフル捌きのなんと鮮やかだったこと、速さと云い、操作の巧みさと 云い「お見事」の一言、最高でした。何とかもう1度観たい1本です。[2006年10月9日 15時34分42秒]
今では想像も出来ないことですが、TVが登場した頃は高価で一部の富裕 層しか保有出来ない時代がありました。我々庶民は街頭TVで見たもので した。 そんな中、人気があったのが今は亡き力道山が活躍したプロレス中継です。 力道山の戦い方はフェアプレイそのままで、外人レスラーの相次ぐ反則技に 徹底的に痛めつけられ、最後に堪忍袋の緒が切れると、伝家の宝刀「空手 チョップ」を抜いて勝利するというパターンです。 プロレス伝来後日が浅いせいもあってか、終了間際に空手チョップが出る と我々小学生のみならず大の大人も狂喜したものです。 この映画をみると何時も私はこの力道山のぎりぎりまで耐えた後の反撃を 思い出します。 見舞金の提供を顔役に再三要請し、その都度軽くあしらわれてきたランカ スターは、ついに顔役の手下のリンチを受け、木の十字架に括り付けられ 荒野にほっぽりだされます。 そして生還後反撃を開始。 砂漠の砂山の蔭から襲ってきた手下を散弾銃でふっ飛ばすシーン。 ウインチェスター銃の射程の遥か彼方から、シャープスライフルで次々と 手下を狙い撃ちするシーン。 何時もこの辺りのシーンになると、大袈裟ですが一種のカタルシスを感じ ます。 子供の頃のプロレス中継で埋め込まれたDNAのせいでしょうか? それとも多くの日本人が持っている「判官びいき」のなせる技でしょうか? あまり高い評価を得た映画ではないかと思いますが好きな映画の一つです。[2003年5月14日 15時26分10秒]
バート・ランカスターがメキシコ人と白人の混血保安官ヴァルデスを演じるちょっと 変わった西部劇。ヴァルデスは何のために戦うのか?正義のため?いや100ドルの 為に戦うのである。 彼は殺人犯と誤認された黒人を自ら射殺してしまった負い目もあるが町の顔役に遺族 への見舞金100ドルを出させるため交渉に行き逆にリンチに合う、しかし彼は諦めず 顔役の女を誘拐し、追っ手をシャープスライフルで撃ち殺し、最後は顔役と一騎打ち。 そして映画は「男らしく戦うか、100ドル出せ!」のセリフで終わってしまう。 戦えばヴァルデスが勝つのは分っているが、あえて結末が示されない。舞台出身の 監督らしい終わり方といえばそうだが、そこには西部劇の爽快感がない。 もちろん「100ドル出せ」というのは口実であって、それはヴァルデスの弱者へ の思いと意地が込められている。したがってこの映画にはよく映画紹介に書かれて いるような犯人探しに重要性はない。異常なまでに顔役(強者)に対する意地を貫く 男の物語である。[2001年10月23日 22時44分14秒]