中学の頃、映画雑誌にL・マービンがでてくると、その出演作品には必ず「七人の無頼漢」が紹介さ
れていました。「リバティ」・「コマンチェロ」で初めて知ったマービンの西部劇をもっと観たい、
タイトルもイイ感じだし、一体どんな西部劇だろうと興味は募るばかりでしたが、何せまだTVの洋
画劇場も始っていたかどうかの頃ですから、どこかの映画館でやってくれることを願いつつ、新聞の
映画欄と睨めっこの毎日。そんな時、遂に見つけたんですよ、場末の名画座の欄に「…人の無頼漢」
と云う文字を。「やった!」と小躍りしてよーく見ると、7人ではなくて4人…?、なーんだと思い
ながら更によく見ると、主演のオーディー・マーフィーの脇にビック・モローとあります。云わずと
知れたTV「コンバット」のサンダース軍曹、当時中学生の間で人気絶頂でしたから「3人足りない
けど、まーいっか」と観たのがこの映画です。実は最近、マーフィーの「抜き射ち二挺拳銃」に書き
込みをしたばかりのところへ、偶然TVの深夜放送で、モローが撮影中悲惨な事故死を遂げた「トゥ
ワイライト・ゾーン」を観て思い出したと云うわけです。記憶は薄れていますが、お話しは大体以下
のようなものだったと思います。
モロー以下4人の脱獄囚が、とある町で銀行強盗を働き、金を奪った上、保安官に瀕死の重傷を負わ
せ、頭取の娘を人質に取って逃走します。保安官は早射ちガンマン、マーフィーを保安官助手に任命
し、犯人逮捕と金と人質の奪還を託して息絶えます。マーフィーは追跡隊を編成しますが、結構胡散
臭い連中が集まってしまったような…。後は概ね定石どおり、追跡側、犯人側、双方1人また1人と
射殺されあるいは脱落者を出しと云う展開で、最後にマーフィーとモローの1対1の対決となること
は云うまでもありません。ただ、これがなかなかのもので、このラストがあったからこの映画を憶え
ていると云っても過言ではありません。岩場に追い詰めたモローをマーフィーが射つ、倒れながらモ
ローが射ち返す、1歩近づいてマーフィーが射つ、苦悶の表情でのたうち回りながら更にモローが射
ち返す、更に1歩近づいてマーフィーが射つ…の連続で、結局お互いに全弾射ち尽くし、モローは壮
絶な最後を遂げると云うもので、その異常なまでの迫真力に強烈な印象を受けました。「やっぱりビ
ック・モローは根性あるなー」サンダース軍曹とごっちゃにしながら、一緒に観た友達と痛く感心し
たものです。監督、その他の出演者等一切不明。ちなみに傑作の誉れ高い「七人の無頼漢」はいまだ
に観れておりません。
[2007年11月19日 18時35分42秒]