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お名前: 44-40
インディアンが美しい。セミノール族は華美な部族なのだろうか? 装飾的で
カラフルないで立ちは、どの映画で見るインディアンよりも豪奢で華やかだ。
しかも周囲の自然との調和を乱さない。彼らの集落も出てくる。わらぶきの
高床式の住居が整然と並んでいて、生活文化の高さを想像させる。彼らは誇り
高く士気高く、他の部族のように白人と融和せず徹底抗戦に出る。
それに比べて白人側はみすぼらしい。兵隊たちの青い軍服は煮しめたように
汚らしく、帽子もそもそも何色なのかわからないほど汚れている。士気も低く
クーパーの命令にしぶしぶ従い、忍耐力に欠け、すきあらばおろかな近道を
探ろうとする。唯一しっかりした軍人として、狂言回し役の中央から送られた
若きキャリアが出てくるが、彼はフロリダの沼地のことなど何もわからぬ
闖入者として描かれる。
占領された砦から彼らに助けだされた人質たちもパッとしない。助けたところ
で老い先短い病気の年寄りだったり、美人だがわがままで馬鹿っぽい女だった
り、あんまり助けがいのない連中だ。
御大クーパーは大尉の称号を持つセミノール討伐隊の隊長だが、完全に体制側
の人間としては描かれない。とっつきにくく、上官に反抗的態度を見せる。
制服も着ていない。フリンジつきの鹿革のジャケットをかっこよく着こなし、
浜辺に小屋を建て、混血の息子とともに、自然に溶け込んだ暮らしをしている。
彼の妻はクリーク族のインディアンだった。戦いの最中に白人兵に殺されたという。
最後はセミノールの酋長とクーパーの一騎打ちとなる。激しく憎みあっていは
いるが、互いに一目置いている彼らは、銃を捨てナイフ一本で戦う。水中戦で
ある。二人以外は両軍とも誰も手を出せない。結局はクーパーが勝って、セミ
ノールたちは去り、殺されたと思われた息子も生きており、女も自分のわがまま
を恥じて心を入れ替え、クーパーも軍人として再評価され、すべて「めでたし、
めでたし」となるが、それらがみな唐突な付け足しに思えるほど、ジョン・
フォードなどの騎兵隊ものとはまったく趣が異なる。セミノールの酋長と
クーパーの関係は、やがて6年後の「眼下の敵」のクルト・ユルゲンスとロバート・
ミッチャムとの関係へと成長していくのかも知れない。
さすがはラオール・ウォルシュ。一見冒険アクションものに見せながら、50年代
西部劇に恥じない面目をしたたかに保っている。もちろん、一度始まったら休み
なく最後まで走り続ける彼のスタイルは、ここでも貫かれているから、インディ・
ジョーンズのような娯楽活劇としてもまったく楽しめる。
[2005年10月20日 21時13分2秒]
お名前: Tad
”遠い太鼓”、とてもとても懐かしく、自分の中では無数にみた西部劇のなかでももっとも思いで深い一本です。ク−パ−の部下がナイフでひげをそるシ−ン、ク−パーが対面する部下の背後から迫る毒蛇を拳銃一発でしとめるシ−ン、そのときク−パ−に反抗していててっきり自分が狙われたと思い込んだ部下の恐怖にゆがんだ表情、そしてなによりも圧倒的多勢のインデイアンの酋長とク−パ−隊長のトマホ−クとナイフでの一騎打ち、その舞台となった真っ白い砂と透き通った川、苦闘のすえ水中での戦いを制し、ク−パ−隊長が酋長から奪い取ったトマホ−クをたかだかと誇示したのをみて、対岸でじっとみまもっていたインデイアンの一族が敗北をさとって静かに引き上げてゆくラストシ−ン・・。大作でも名作でもなかったと思いますが、あのラストは本当に見事だったと思います。高校1年か2年だったと思います。
[2003年9月20日 0時2分43秒]
お名前: はせべ ひろし
舞台が舞台だけに、頭蓋骨が干してあったり、ときどき西部劇というより、ジャングル物に思えた映画
でしたが、老齢のクーパーが、口にナイフをくわえ、水中で格闘シーンを演ずるのが、努力賞に値いす
るクライマックスでした。
[2003年8月4日 15時15分9秒]
お名前: グリーンベイ
捨石 喜市さん・・・映画少年グリーンベイと申します。髭をゾリゾリですか・・・。
良くあるシーンですね。最近ご覧になりましたか。私は53年三月当地(田舎)の
洋画専門館でリアルタイムで観ています。「ダラス」「真昼の決闘」「誰が為に鐘はなる」
等で益々好調な大スタークーパー。名前だけで観たものです。たしかクーパーの奥さんが
インデアンで殺されるんですよね。何度となくインデアンの襲撃にあい捕虜になっていた
美女を救い出し、猛獣や毒蛇、ワニのいる湿地帯を歩行する話でした・・・。「死の谷」
「艦長ホレーショ」等数々の名作を残しているラウオール・ウオルシュ監督作品です。
本当に少年時代の懐かしい映画です。
[2003年7月12日 16時33分54秒]
お名前: 捨石喜市
フロリダの湖沼地帯が舞台のこの作品は厳密にいうなら「西部劇ではない」と某評論家がのたまわって
おりましたが、そんなこたあどうでもいいのです。なにもつけずに大きなナイフでじょりじょりとひげを剃
るゲーリー・クーパーがかっこよくて、ようやくひげがはえかかっていた私は、まねをして痛い思いをした
ものです。
[2003年7月5日 11時13分2秒]
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