南北戦争が終って故郷に帰ってきたマクネリーは、妻子が無法者に無残に殺されたことを知る。しかし、彼自身胸を患っていて余命は幾ばくもないだろうと思っていたので、『“テキサス・レンジャー”を再建してくれ』という知事の要請を一度は断る。

　父と行商の旅をしていたリンカーン・ダニソンは、家族と再会したその日、町を襲った牛泥棒のキング・フィッシャー一団に目の前で父母兄弟を殺される。彼は“テキサス・レンジャー”に入隊すべく歩いて目的地へ向かうが、途中でやはり牛泥棒に襲われひとり生き残ったジョージと出会い、ふたりで入隊する。
　マクネリー率いる“テキサス・レンジャー”は急ごしらえでほとんど素人ばかり。キング団を追跡しながら新兵を訓練しなければならないようなありさまである。
　黒人のシピオは
　「どうせ黒人は斥候に出されて真っ先に死ぬんだ」
　とボヤいてばかりいるが、射撃の腕前は名人級だった。

　隊長の書記役になったダニソンは、吃音の隊員から
　「隊長の見ている地図はいい加減だから、地図に詳しい自分が手直しするよう進言してくれ」
　と頼まれ、なんの疑いももたず幕舎へ連れていく。
　ところがこいつはキングがマクネリーにかけた賞金を狙った刺客だったのだ。マクネリーはなんなく刺客をやっつけるが、ダニソンは責任を感じて除隊しようとする。
　「その馬で出ていくのか？　その服、その銃も隊のものだ。出て行けば泥棒として追いかけなければならない。泥棒になりたくなければこのまま隊にいることだ」
　とマクネリーはいう。
　
　ある日、敵地へ奇襲を仕掛けた“レンジャーズ”は、罠にはまって12人の隊員を失う。体勢をたてなおすべくデュークス牧場へ身を寄せた“レンジャーズ”はひととき和んだ空気を味わった。牧場の娘キャロラインはジョージに好意を示す。
　戦死した隊員の遺体を収容すべく戻った“れんじゃーず”は、キング一味に捕らえられていたペルディータを助けた。彼女に好意をもった軍曹はその口から悪党どもが狙う牧場を知って“レンジャーズ”は急行するが、実は狙われていたのはデュークス牧場だったのだ。

　“レンジャーズ”は走る。ひたすら悪党どもを撲滅すべく走り続ける。とにかく馬が走る映画ではある。ただ、馬が走る場面に地図をオーバーラップして見せられても、土地鑑がないものであまりピンとこなかったのは残念だった。

　クライマックスはリオ・グランデを越えてメキシコに侵入し、悪党どもの砦に奇襲をかける。
　手投げ弾やガトリング銃が威力を発揮し、隊長の危機を救うべくキングと対決するダニソン。三すくみの状態からダニソンはジョン・ウー映画ばりの跳躍しながらの射撃でキングを倒す。

　近頃テレビで似たような話を見たなあ…と思ったら、あの『新選組！』と同じなのだった。少数ながら精鋭の部隊が、鉄の規律の下で“斬り捨て御免”とばかりに悪党どもをやっつける。補充された新兵が次第に成長して逞しくなっていく様子も似通っているし、なんにせよ私には結構楽しめる作品ではありました。

[2005年5月29日 23時13分28秒]

ようやく野球チームでない本物のテキサス・レンジャースが登場したのですが、期待の割りに、
大味でひとりよがりな映画になったのは、ブッシュ大統領の時代だからでしょうか。
だいいち、隊長が腕利きの部下を全部ひきつれて、ただひとりの敵を追って、テキサス中を
かけまわるなんて、そのあいだ、テキサスの治安はどうなっていたか不思議ですし、腕利き
の集まりにしては、むちゃくちゃ拳銃をぶっぱなし、ちっとも敵に当たらず、ゆうに、警備
隊予算の五年分の弾丸費を使ったように思います。それに比べ、モナ・フリーマンの一発は、
貴重だったですね。

[2004年12月9日 21時35分56秒]

ノスタル爺さん、どうも有難う御座います。
レイチェル・リー・クック、魅力的でした。今後に期待したいです。

[2004年4月8日 0時58分31秒]

＞在韓日本人さん
　過去のテキサスレンジャー映画となると、１９３６年の『テキサス決死隊』が最高です。
　かつては親友だった二人が岩山で対決するクライマックスは余韻の残る名シーンでした。
　『テキサスレンジャーズ』は、アクションは派手なのですが、西部風景の流麗さや人物描写
に関しては、『テキサス決死隊』と比べるとかなり劣りますねェ。
＞可愛らしい女性
　牧場の娘役のレイチェル・リー・クックかな。
　１９７９年生まれだから、今年２５歳。
　ハリウッドでは、まだ駈出し的存在だから、今後に期待ですね。

[2004年4月2日 13時41分27秒]

近年の作品ですが、往年のテキサス決死隊などとくらべるとどうなんでしょうか？
大量虐殺シーンなど、ベトナム後のオブセッションが垣間見られるというのは、小生の穿ちすぎでしょうか？
とても可愛らしい女優が一人出演していました。

[2004年4月1日 15時26分28秒]