作品名: 西部の裁き - |
最近見直したら、右手をつぶされたのは主人公だけでなく、大格闘の後で悪党側のアーニー(フォレ スト・タッカー)も、仕返しに主人公に右手をつぶされたんだって分かったよ。なにしろ主人公は復讐 心に凝り固まってて、幕切れで復讐は神の手にありって悟るまでは、目には目を、っていってた男だか らね。だから、この後、映画が終わるまで二人とも右手が使えなくて、大詰めの撃ち合いでも左手に短 銃を持って撃ってたぜ。こんなこと、皆さんは先刻ご承知かも知れねえけど、あっしゃ50年前に映画 館で見た時は、殴り合いの印象が凄絶だったんで見落としてたよ。フォレスト・タッカーもいろんな西 部劇でお目にかかったけど、この時ゃ若かったね。まだ三十に手が届いてなかったんだもんね。 この映画、陰影があって、当時のランディの写真の中じゃ異色で、今思うと後年のバッド・ベティカー 監督の作品を先取りしたような感じだよ。そういえばベティカー監督の「七人の無頼漢」も、確か妻だっ たか許嫁だったかを殺された男の復讐の物語だったよね。[2006年1月25日 23時16分20秒]
本邦初公開のシネカラー天然色。西部とは、こんなに赤茶けた風土のところかと思ったのは、シネカラー のせいだった。見せ場は、ランドルフ・スコットとフォーレスト・タッカーの一大格闘シーン。おそらく 西部劇史上最高の格闘だったのではないか。固パンのようと称されたスコットのあごは無事だったが、右 手の指をつぶされ、以後右手で拳銃を持てない。塔のはしごを上って逃げるマクレディをしとめたのは、 拳銃ではなく、神の手だった。それが、邦題のつけられ由縁。[2003年7月11日 14時36分43秒]