作品名: 拳銃無宿 -


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お名前: ウエイン命   
とにかくモノクロ撮影がきれいです。ロケ地が素晴らしい上に「44-40」さんがおっしゃってる
通り構図も非常に印象に残りました。実は最初観たときは諸兄とまったく同じ、「悪党を空鉄砲で追
っ払った」「ラッセル嬢がそれほど純情可憐でなくむしろ大胆」「ラストの決闘が肩透かし」の3点
に不満を覚えました。空鉄砲は別にして、ラストは人を殺しちゃうと宗旨上ラッセル嬢と一緒になれ
ないので仕方ないかなと後で思うようになりましたが、まあ西部劇ですから「一応3人を倒しておい
てから、もう2度と銃は持たないとラッセル嬢に誓って抱き合う」くらいでも良かったのではないで
しょうかネ。むしろ、あたかも銃を持ってるかのようなウェインの振り向き方は、自殺でもしようと
云うのなら分かりますが、そんなシチュエーションではないし、ちょっと解せませんね。最初の紹介
者「Ikeda」さんが下品な映画とおっしゃってますよね。「ウェインは生涯を通してラヴシーンが苦
手だった」と思い勝ちなんですが、云われてみると若い頃の彼はジャンルを問わず本当によくキスを
すると思いませんか。あれだけキスする西部男も珍しいと思いますがどうでしょうネ。H・ケリーは
典型的な儲け役ですよね。保安官が過去の罪に眼をつむって若い2人を暖かく見送る…、「駅馬車」
を彷彿とさせる爽やかなラストシーンで気持良かったです。
ところで今回見直したお陰で、ウェインのガンベルトが、「リオ・ブラボー」以降(と思いますが)
専ら愛用したお馴染みのものとは違うものなのにホルスターの傾き方だけは同じで、「シェーン」の
J・パランスや「荒野の七人」のマクィーンと逆のスタイルになっていることに気が付きました。早
射ち名人と逆ですから遅いのも当然ですよネ。現に「赤い河」では普通のホルスターでJ・アイアラ
ンドを射った時など結構早かったですよ。ところが「三人の名付親」ではまたいつものスタイルに戻
ってます。彼にとってはその方がしっくり行くんでしょうネ。尤もウェインの抜き射ちはこれ以降
「コマンチェロ」くらいしか思い出せませんけどね。
[2007年12月15日 16時50分34秒]

お名前: 44-40   
最近はじめて見たが、思っていたよりずっとシッカリしていた作品だった。
監督のジェームズ・エドワード・グラントはほとんど聞いたことがないが、
原作・脚本を兼ね(ウェインも製作を兼ねている)、並々ならぬ思い入れが
あるのちがいない。しかし、そのような人間の演出ほど、どうにもこうにも
ひどいことが多い。ところがこれはかなりうまくいっている。奥行きのある
立体的な画面構成は、短いカットで多くを語り、ややもするとだらだらしそ
うな設定を退屈させることなく展開する。活劇も堂に入っている。とても
物書きのにわか演出とは思えない流暢さだ。ほかに作品があれば見てみたい。
ハリー・ケリーやブルース・キャボットもよく生きている。最後の「肩透かし」
だって、この簡潔さと締りがあってこそ、成立するものだと思う。

ジョン・ウェインはこの作品のように、心中に忸怩たる思いを抱えながら、
それでもなお状況を打破していかなければならない人間を演じるとき、非常な
魅力を放つ。ゲイリー・クーパー亡き後の「コマンチェロ」あたりから一般に
浸透していったデカデカしい横綱相撲もまたいいが、周囲とは相容れない内面の
不完全さをはっきり抱えながら、力強く戦ってゆく彼の姿には、ほかのどの西部
劇俳優にも出せない真実味があると思う。

ジョン・フォードもそれがよくわかっていたと思う。「捜索者」や「リバティ・バラ
ンス」におけるウェインのすばらしさを見るにつけ、そう思う。シーゲルによる
遺作「ラスト・シューティスト」で、すっかり年老いた彼の姿に久しぶりにその片鱗
を見ることができたとき、思わず胸が熱くなったことを告白したい。
[2005年8月3日 17時11分11秒]

お名前: Ikeda   
私も先日、380円のDVDを買って、56年ぶりに見ました。前回投稿したのは私が、まだ
高校生の時の感想で、多少表現の不正確な所に気がつきましたが、全体的にはそう違わない感じ
でした。ただ、これ以前に見た西部劇と言えば「大平原」「荒野の決闘」「悪漢バスコム」
ぐらいなものでしたから、今とは見方が多少違う所はあります。それに、西部劇に限らず、当時は
CMPEというアメリカの統制機関のもとで、戦争中の良心的な映画を主体に輸入されていました
ので、これを見て下品と感じたのだと思います。
今見ると、それほどではありませんが、ジョン・ウエインも、どこかやりにくそうですし、
ゲイル・ラッセルのキャラクターも中途半端で、もう少し純情さを出すべきだという感じで、
やはり演出が良くないと思います。ラストシーンも確かに肩透かしですが、改めてハリー・ケリー
の貫禄を感じました。
結局、B級西部劇としては、まずまずの作品だというのが再見した感想です。
[2005年5月28日 11時34分57秒]

お名前: はせべ ひろし   
三宮の地下の売店で、「拳銃無宿」の1シーンからとった、ジョン・ウェインの
ブロマイドを買って、宝物にしていたから、昭和27年頃、この映画が再上映さ
れたときには、飛んで見にいった。しかし、題名から連想されるような、拳銃の
スリリングな場面はなく、椅子にまたがって、カラの拳銃でハッタリをきかすの
が、一番の見せ場にすぎず、最後は、ハリー・ケリーに助けてもらう。おまけに
、ゲイル・ラッセルとは、撮影外だけでなく、映画の中でも、ベタベタしっぱな
し。ブロマイドのお宝価値も下がり、上京したときに、紛失してしまった。
[2005年1月6日 20時12分48秒]

お名前: KOJI   
そうですよね。公開時にみれば、みんな同じ感想を持つと思います。
ジョン・ウェインの西部劇が観たいと思って、わざわざ劇場に足を運ぶ僕らが
求めているものは、この作品のテーマに取り上げられているようなものではないですから(^_^;

ジョン・ウェインじゃなくて、ジェームズ・スチュワートだったら・・・。
でも逆にならず者に見えないか(ーー;)「怒りの河」でも見えなかったもんな。
かえって、ジャック・ニコルソンみたいな役者とか
リチャード・ウィドマークとか、
客が呼べるかどうかはわかんないけど、ジョン・アイアランドとか^^;
ヒーロー然としてない役者がやったほうがいい役なような気がします。

それで、思い切って、ハンフリー・ボガードの「俺たちは天使じゃない」みたいな
コメディにしちゃうとか(<をい)

P.S
話の流れからいって、
「拳銃無宿」を見て、「許されざるもの('92)」を観るという順番で
鑑賞したら面白いかも?
[2004年12月4日 14時16分27秒]

お名前: オールド・トーサン   
初めて観たのは今から50年以上前、小学生の頃です。
開巻早々にJ・ウェインの物凄い銃撃シーンが出てびっくりしました。
その後本などでファンニングの名前を知りました。

導入部の迫力からラストの対決は大いに期待したのですが、肩透かしを
食らって戸惑いました。
長じてからは、KOJIさん同様物語の性格上派手な展開は出来ないと言う
事が判ってきましたが・・・。
なにせ当時はJR.は知っていても、「ハリー・ケリー」というビッグ
ネームは初めて観たので、ウェインを差し置いて余計な事をして!程度
の感想だったようです。

まあウェインの西部劇なので満足して観ましたけれど。
[2004年12月2日 21時5分21秒]

お名前: KOJI   
380円のDVDで出ていたので、思わず買っちゃいました!
下品な西部劇という印象はなかったです。
いきなり打ち合い、そうそうにキスという展開は、
ならず者であるエヴァンス(ウェイン)の荒くれた下品さを最初に印象づけるためですね。
ゲイル・ラッセルはたしかに演技力はちょっと疑問ですが、美しいです。
あの独特のまなざしは、ちょっと惹かれました。ウィリアム・アイリッシュ原作の
「夜は千の目を持っている」の映画化に出ているそうですが、
そちらの方が合うのではないかと思いました。都会的な美しさですね。
テーマやストーリー自体はいい感じだと思います。
牧場主との水争いも普遍的な設定ですが、意外な展開で円満な解決が訪れます。
ラストのある意味「肩すかし」的展開も個人的には好きです。
問題は演出力だと思いますよ。
話の性質上、派手な見せ場は望めない映画なのですから、
いわゆる普通の西部劇的な演出では物足りなくなるんですよね。
もっと生活感や心情的な掘り下げに意を配った文学的な感じの作りこみが必要だったと思います。
予算の問題とかスケジュールの問題とかいろいろあるんでしょうね。

この映画、同じく最近DVD化した
グレゴリー・ペックの「拳銃王」と対比してみると面白いとおもいます。
アメリカ人の捨てられない「強さ」という重荷をどう解釈してどう扱うかで、
対照的だと思いますね。

保安官役で出てくるハリー・ケリーはまってますね。好きです(^・^)
[2004年11月21日 10時37分46秒]

お名前: Ikeda   
原題は「Angel And The Badman」で、昭和24年に、ジョン・ウエイン主演なので見に
行きましたが、下品な西部劇でした。最初から、いきなりピストルをバンバン撃ち合い、
ウエインがゲイル・ラッセルに助けられると、いきなりキスしてしまう。馬車が崖から
落ちても二人が助かったり、弾のないピストルで悪党の三人をやっつけたりして、古くさい
所が多い映画でした。ラストは、それなりに良いですが、ラッセルの演技力のなさが、
余計この映画を駄目にしていると思った作品です。
[2004年11月13日 16時13分58秒]

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