作品名: ジュニア・ボナー -


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お名前: ウエイン命   
ロデオ大会を追いかけて全米をさすらう孤高のカウボーイ、鍛えあげられた背中に漂う男の哀愁…、
イイですねー。時代の波に乗り遅れた男の哀歓を描き続けたペキンパーの、私の中ではベストです。
そう云ってしまってから「いや、やっぱり『ワイルドバンチ』かな、『砂漠の流れ者』もあるしナ
ー」となってしまうんですけどね。でも、マクィーンのベストは文句なくこれをあげます。ガン捌き
など一切なしですからね。まさに身一つ、マクィーンが持つ男の体臭だけの勝負ですよ。フーテンオ
ヤジと分かっていながらオーストラリア行きの切符をプレゼントするラストの粋なこと。しびれまし
たね。
ところで、昭和48年に八王子の東京サマーランドにやってきた「ワイルド・ウエスタンショー」をご
存知でしょうか。ハリウッドの現役スタントマンが、目の前でロデオ・投げ縄の妙技に銃撃戦などを
繰り広げると云う、今思い出しても鳥肌が立ちそうな本物のウエスタンショーで、3〜4階建てのビ
ルほどもあろうかと云う補給水タンクの櫓から撃たれて落ちる凄いスタントもあったんですよ。下に
は四畳半程度の干草囲い(当然その下にマットがあるわけですが)があるだけで、落ちる方からは恐
らく新聞紙ほどの大きさにも見えなかったと思いますよ。また、ポニーエキスプレスの一場面と称し
て100m程度の距離を馬で全力疾走して見せるんですが、そのスピードにビックリ!。フォードの20
コマの話が嘘ではないかと思ったほどでした。B・ジョンソンみたいなのがいっぱいいるんですよ。
ロデオの迫力が決して演出やカメラワークで誇張されているのではないこともよーく分かりました。
場内は「ブロンコ・ビリー」ではなく「ウエストワールド」のようなスタイルで、西部劇のオープン
セットがそのままレストランや土産物屋などになっており、彼等と一緒に食事したのも懐かしい思い
出です。片言の英語を駆使して話していると、なんとこの映画で活躍したスタントマンの集団だと云
うではありませんか。後でビデオをチェックしたところ、ロデオ大会や酒場の乱闘シーンなどで何人
かの顔が確認できましたヨ。「夕陽に向って走れ」のキャサリン・ロスみたいなインディアンの美少
女と写真を撮りましたが、ショーが跳ねたら銀ブラ(我ながら旧いですネー)でもするようなスタイ
ルで帰っていったのには笑っちゃいました。
ところで私、この映画や「ワイルドバンチ」などを観ていつも思うのは、作品とそれを作った監督の
人格に相関関係はないのか、と云うことなんですよ。監督や俳優の生い立ちやプライバシーに興味を
持つ方ではないのでよくは知らないんですが、少なくとも亡くなった時の状態がかなりヒドイもので
あったことは当時の報道で分かります。映画に登場する哀しいまでにストイックな男達、ペキンパー
自身がそう云う心の持ち主でなければ描けないんじゃないかと思うんですが、そう云うものでもない
のかなー。しかも、そう云う男達を決して突き放すのではなく愛しんでいますよね。きっと優しい人
だったと信じていますが、周りの人とは折り合いが悪いことの方が多かったと聞いてますし、第一、
ストイックな人はドラッグに溺れたりはしないでしょう。確かに他の芸術、絵画や音楽の世界では、
例えばミケランジェロやモーツアルトのように、作者の人格と作品との間にかなりギャップがあるこ
とはそんなに珍しいことではないんですが、映画もそうなんでしょうかネ。
[2006年10月8日 11時32分24秒]

お名前: 上州の隠居   
古き西部の香りを残して居るのは やはりロデオなんですね。ロデオ・クイーンなど現代ですが、
最後の西部を観に観客が集まるのでしょう。
久し振りの才女(確か女性監督の1号)アイダ・ルピノが実に良いです。西部劇の出演は少ないが
惚れ惚れさせられました。
[2005年6月1日 16時28分37秒]

お名前: 杉本   
古き良き純朴な西部男を感じさせてくれる秀作です。
ロバート・レッドフォードの「出逢い(THE ELECTRIC HORSEMAN)」(1979)、
クリント・イーストウッドの「ブロンコ・ビリー」(1980)も続いて観られると
グッときますね。
純朴でタフ、楽観的な西部男を観て下さい。
[2004年7月22日 0時43分28秒]

お名前: 武田 芳子   
この作品を鑑賞して感想を書かなくてはなりません。しかし、どこを探してもDVDが見つからず困っています。売っているところあるいは貸してもらえるところを教えて下さい。
発売元は廃盤ですとのコメントだけでした。

上記の内容では主人公はお父さんおもいの優しいさ、そして自分もその父と同じロデオでいることをよかったとしているように思えたが…
ちょっとシェーンににた感じもしますが…。
[2003年6月4日 21時15分24秒]

お名前: J.W.   
「ジュニア・ボナー」1972年のサム・ペキンバ−監督作品。
公開時には華麗なる挑戦という副題がつけられていたこの映画のDVDが嬉しいことに発売されたのを機
に,観直しして,改めてその素晴らしさに心打たれた。

時代設定が今日のアメリカであり、しかも派手な暴力や射合いの皆無な映画であり,あまり西部劇ファン
の話題に上らないが、西部劇最後の監督の西部劇最後のスター(スティーブ・マックィーン)による秀作
として忘れがたい映画である。

舞台はアリゾナの田舎町プレスコット。地元出身のロデオカウボーイ、ジュニア・ボナーが、この町で開か
れるロデオ大会に出場するために帰ってくる。マックィーンがウェスタンシャツとジーンズにテンガロンハ
ットで登場するだけで嬉しくなります。もう引退した方が良いのではという年代のロデオカウボーイを,寡
黙に,悲しげに、しかしプライドは決してなくさない男として見事に演じきっています。

彼が見たのは,実家が取り壊され,牧場が宅地に造成されつつあるという西部が,現代化される事を象徴す
る場面だった。しかもその宅地業者は兄(ジョー・ドン・ベイカー)であり、昔のロデオチャンピオンであ
った父親は自動車事故で入院中。母と父の仲も上手くいっていないようだ。

この父親役がなんと「大平原」のロバート・プレストンであり,最近ビデオが出て久しぶりに観る事が出来
たばかりなので,本当に良い時代となりました。
それはともかく、プレストン演じる父親が,子供以上にいつまでも夢を追いかけている西部男で、今度はオ
ーストラリアで銀を探したいなんて言い出す。プレストンがいい味の年寄り(設定は60歳)を演じていま
す。入院していてもロデオが開かれると聞くなり,無理やり退院し,息子の馬に乗ってパレードに出る微笑
ましい所もある。「大平原」の時のキャラクターがいまだに残っている感じ。



 ジュニア・ボナーが兄からモーテル・カウボーイといわれるシーンがありましたが、現代のロデオカウボ
ーイを良くあらわしている。マックィーンも馬でなく、馬用のトレーラーをつけたキャデラックのオープ
ン・カーで巡業するのである。

ハイライトは当然ロデオ大会であるが、これまた最近観ることの出来た「ユタから来た男」と全く同じ競技
がみられ、西部の伝統が感じられる。サンシャインという猛牛に8秒だか10秒だか乗りこなすのがボナー
の目標なのだが,この牛の持ち主がベン・ジョンソンで彼自身見事な乗馬シーンを一寸見せるなど、さすが
はこの監督西部劇が好きなんだろうなと思わせるし,勿論,私も大満足。

その他,ロデオの華やかなバレード、お決まりの酒場での殴り合いシーン(星条旗を永遠なれをバンドが演
奏するなり,喧嘩も終わるというおかしさ)、父子で馬に相乗りして酒場に向かったり、乳牛からミルクを
採る競技に参加等が印象的な場面。

アメリカン・ニュー・シネマとしてどこか醒めた視点があるものの、最後のシーン敢えていいませんが)で
ホッとさせられますよ。「砂漠の流れ者」につうじるこの監督の優しさが良く出た作品だと思います。
[2001年3月18日 20時31分41秒]

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