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お名前: ママデューク
ハリー・ケリー・Jrは、その自著で「捜索者」は特別な場所に位置するべき作品である、とかいている。
私もこの作品は大好きなんです。フォードの晩年の映画は、殆どがメジャーの雇われであった為、ダン・フォードの言う様に精彩お欠いていますが、
「捜索者」はインデペンデントなので力がはいっていますね。
巻頭より素晴らしいショットの連続です。ぬける様な青い空、たなびく白い雲、赤い大地。まさに、フォードの世界ですね。
でもねリンゼイ・アンダーソンは警告するんですよ、この美しさに騙されてはいかんと。
そしてイーサン・エドワーズはインディアンに対し、暴力的過ぎる。
とか憎しみを強調するクロース・アップはフォード的でないとおっしゃる。
しかし、この映画の原作は、アラン・ルメイだいインディアンが敵なのは当たり前だ。
フォード・ファンはこんな理屈っぽい事よりも、フォード・ウエインの西部劇を楽しもう
、イーサンのスタイル、ブリムの広い帽子、前で結んだスカーフ、裾をおったジーンズ、
そしてこの映画ではデュークはベストを着ないんだ。これはハリー・ケリーなんだね、
フォードとデュークは二人してシャイアン・ハリーを作り上げているんだ。
それで最後のシーンでオりーブ・ケリーに仁義をきるんだ。
ついでに言うとね。最初のドアとラストのドアのシンメトリー、この構成は、
編集のジャック・マレーの手柄だとおもうんだ、
フォードは大昔よりドア越しのショットが好きだったんだ、
だから、こんなに、見事に仕上がったんで悔しくて、
ヴォクダノヴィッチのインタヴューに何も答えていないじゃないのかな。
[2008年2月17日 15時18分39秒]
お名前: ウエイン命
杉本さんのご指摘通り確かに同じ所に見えますね。常連の諸兄なら具体的な場所や地名などもご存知
かも知れません。
ところで、ついでに本欄を遡って読んでいたら、2000年に「COLKID」さんがW ・ボンドが見ている
のに気付かずマーサがイーサンのコートに頬刷りをするシーンが二人の過去を示唆している、と云う
意味のことを書かれてますね。勿論そうですが、その前に冒頭で既に示唆されてます。帰ってきたイ
ーサンを一家で出迎えた後、急に音楽が変わってマーサがイーサンを誘うように家の中に向って後ず
さりをしますね。あそこが最初に2人と云うか兄も含めて3人の過去を示唆した最初のシーンですよ
ね。当時私はまだ中学生でしたが、マーサの顔が瞬時にして母親(または人妻)の顔から女の顔に変
わるのを見て、俳優って凄いなーと感心すると同時に、あのワンカットだけで3人の間にあったこと
を観客に分からせてしまう映画の力はもっと凄いなーと思いましたね。そう云う新しい発見の積み重
ねが私を映画少年にしたんだろうと改めて思いますが、今から思うと我ながら随分ませた子供ですヨ
ネ。でも、このくらいの映画になると1回目なのか2回目なのかと云うことでそのシーンの持つ意味
も全然違ってくるような気すらします。何か、心して観なければいけないような…。
それともう1つ「Yamakawa」さんに是非お聞きしたいのは、2002年の書込みに「かけだしのマクィー
ンを忘れないでください」とありますが、どういう意味なんでしょうか。まさかこの映画に彼が出て
いると云う意味じゃないですよね。その後の諸兄の書込みでも何も触れられていないので気になりま
す。ご本人がもうこのサイトを離れてらっしゃるなら、どなたか教えていただけませんか。
[2006年10月7日 19時10分2秒]
お名前: 杉本
コマンチとの初戦の河(ジョン・ウェインがライフルで狙い撃ちするシーン)・・・この河と、
黄色いリボンの渡河作戦の河(ジョン・ウェインがコーヒル中尉を対岸に残すシーン)は、
おそらく同じあたりだと思うのですが、いかがでしょうか。
また、この河もモニュメント・バレーにあるのでしょうか。コロラド河でしょうか??
(グランド・キャニオンあたり?)
1.この河で戦う前に両側からコマンチが現れる景観の良い場所、2.ジョン・ウェインが、白い
テンガロンハットで、ナイヤキコマンチ酋長に会いに行く砂漠で「馬のたてがみがとがった岩の連
なり」・・・「マジソンカントリー・・・」と発声するシーンあたりの景色かな。モニュメント・
バレーに行ったことはありませんが、どのあたりなんでしょう、
地図が販売されていて、これらの場所が分かればぜひ訪れたいと思います。
モニュメント・バレー、オールドツーソンセット、ツームストンを中心にして、サンフンシスコあ
たりへでも寄って来るような、7日間くらいの西部劇マニアツアーがあるといいのになといつも思
います。
[2006年8月22日 21時20分53秒]
お名前: ウエイン命
「そんなコトくらい知ってらい!」と、まあ殆ど全員の方に云われるのを覚悟で、
どなたもふれていらっしゃらないので敢えて書きます。ラストシーンでのあのウエインの、
片手でもう一方の手の肘を抱えるポーズ、いいですよネ。
フォード新人監督時代の恩人と云うか盟友のハリーケリーのトレードマークだったと云う
ハナシを聞いたことがあります。
[2006年3月27日 23時22分23秒]
お名前: オーサカ老レンジャー
この映画が西部劇マイベスト1には個人的な思い出を含めて3つの要因が
あります。
先ず1番目は見るまでの思い入れです。1956年4月1日、「今日からは映
画は洋画を見る(当然西部劇も」と決心した8月の公開です。しかし、貧し
い中学生にロードショウ(¥150位)を見る余裕はなく、近くの2番館、3
番館迄待つのが普通でした。何故なら、場末なら2〜3本立て¥55〜¥70
なのでロードショウ1本代で5〜6本も見られるからです。近所へ来るまで
私はあのジョン・ウェインとジェフリー・ハンターのポスターを自分で描い
て壁に貼り、まだかまだかと待っていました。(映画雑誌も¥130位なので
買わない)
こういう状況下に見た私の西部劇バイブル「トルー・ストーリー、西部読
物特集号」の「西部劇花形スタア名鑑・ジョン・ウェイン欄」には、鞍超し
に遠くを見るウェインのアップに「想えば六年という歳月の永かりしことよ。
あごひげにさえ白いものが見える。使命を果たしたイーサン・エドワーズは
独り駒を返して夕陽の落ちる彼方へ去って行く−−捜索者のラストシーンで
ある」と紹介され、いやがうえにもイメージは膨らむばかりでした。(結局、
翌年1月15日、「知りすぎた男」との2本立てで見た) この様に、見るまで
に完全に洗脳されてしまっていた。
次ぎにこの映画のJ・ウェインの徹底したインディアン憎悪と対インディ
アンスキルは自分の主義・主張に生き、妥協を許さないプロフェッショナル像
につながり、私の憧れの人間像です。それは時には人に理解されず、他人を
寄せ付けない(J・ハンターも)、普通人には辛い孤高の人です。プロフェッ
ショナルは家庭を持てない、次なる目的を求めて去るのみです。ライダウェイ、
ライダウェイ。
映画によってJ・ウェインの帽子は変えられているが、この作品では黒く
山が浅く、険しい眼光をよく生かしていました。
単にこれだけでなく開拓者の家庭や近隣の人間関係がこの映画に深みを与え
ています。限られた付合いの中でも年頃の若者は思わず拍手を送りたくなる恋
をしていました。(但しあんな荒地で何の開拓をしていたのでしょうか)
このサイトでは評判が高いようですが、当時の映画評論家には「駅馬車」
「荒野の決闘」「黄色いリボン」の続きで見たせいか殆ど評価されていません
でした。1960年「映画の友、西部劇読本」では「ヴェラクルス」「死の谷」に
次いで20位です。(1位「荒野の決闘」)。主題歌も直後の「誇り高き男」、
翌年の「ロンリーマン」「OK牧場−」のようにはヒットしませんでした。
モニュメント、バレーを背景に遠望する騎乗の2人。英語のコピー
「he had to find her(3回繰り返し、字が徐々に小さくなる」。ポスター
もベスト1だと思います。
[2003年5月17日 10時49分44秒]
お名前: AKAAY1011
yamakawa様
この映画は多分一番好きな西部劇です。
ライダウェイーーーーは確かマックス スタイナーではなく有名な騎兵隊のマーチを
書いたスタン ジョーンズ氏だと記憶しています。もちろん全体の音楽を担当したのは
マックス スタイナーです。冒頭に流れる曲は確か”ロレーヌ”というアメリカの
トラディッショナルな曲です。
ともあれ素晴らしい映画ですね。
[2002年6月3日 17時30分57秒]
お名前: Yamakawa
なんと美しい映像!息を呑んでしまいます。最も好きな作品のひとつです。ただあまりに
ストレートな人種偏見は今の時代には受け入れられないのでしょうか。米国の「映画100選」に
選出された唯一の西部劇、が救いです。公開当時、イーサンをつけて来た交易所の悪人を返り討ちに
する場面で、「もし外していたら?」の問いに「思ってもみなかった」のイーサンの言に満席の
場内がどっと沸きました。当時ジョン・ウィン=ガンマンが神格化されていました。それから
かけだしのスチーブ・マックィーンを忘れないで下さい。何度みてもいいですね、特にラスト
怒りも憎しみ消え年老いたイーサンがよろよろと旅立ちます、マックス・スタイナーの音楽に
のせて・・・ライダウェイ〜ライダウェイ〜
[2002年5月29日 22時42分51秒]
お名前: marineflat
BSで観ました。
ジェフリー・ハンターやナタリー・ウッドが出ていたんですね。
昨日徹夜の勤務だったので、寝ぼけ眼でみていたので、イーサンとマーサの
過去の出来事の示唆には全く気づきませんでした。
それから最後の方(デビーを助けるか、射殺するか)で、イーサンがハンターの母親について
何か話していましたが、よく理解できませんでした。
西部劇の男は仕事を成し遂げた後、未練がましく残っていないで、サッと立ち去るところが
いいですね。
[2002年5月29日 0時2分47秒]
お名前: bun
映画が好きになり、自分で自主映画を製作、業界をちょっとだけかじり、ずっと映像に関わって来て
本当に良かったと思ったのが、この作品。この作品に出会えたことの幸せは言葉では言い表せない。
ストーリーはもちろんだが、この作品の画面からあふれ出る詩情は何度見ても絶品の一言。
[2002年1月4日 10時31分11秒]
お名前: whiteriver
URL
イーサン・エドワーズは、単に憎悪に燃えて執拗にコマンチを追うだけの復習鬼ではないですね。
その内に愛の不在を宿しつつ荒野をさすらう孤独な魂なんだと思います。
ラストで静かに去りゆくイーサンの後姿に、男のロマンを感じずにはいられませんでした。
[2001年3月5日 23時50分26秒]
お名前: ワード・ボンド
1月10日にNHKで放映された「地球に乾杯!ルート66」の中で、「捜索者」の
1シーンが紹介されました。この番組の内容は、シカゴからロサンゼルスまで4000キ
ロの「ルート66」を辿りながら、その歴史を振り返るというものでした。この中で
「捜索者」は白人とインディアン(先住民と言わなきゃいけないのかな…)の対立と
差別の象徴として紹介されていました。多くの雇用機会を創出し、インディアンにも
尊敬されていたジョン・フォードがもし生きていたら、不本意な使われ方だと思うに
違いないと思いながら見ました。
(P.S)
それにしても、酋長スカーはいつ見ても獰猛な顔してるな〜。
[2001年1月12日 20時21分22秒]
お名前: グリーンベイ
美しいモニュメント・バレーを背景に物語は展開します。ジョン・フオードはまさに西部劇の神様です。
何方かも申していますが、どの作品が一番などと云われません。彼の作品群は全て良いと致しましょう。
・・・・丘陵の尾根に立っているインデアンの一群、砂塵の中を落日に向かって遠ざかっていく騎影、
西部劇のアクションは面白く見せても、西部のにおい、西部の風景と云ったものを本当につかんでいる
監督は彼をおいて無いでしょう。ラストでデビーが逃げ込もうとした洞窟はハリウッドの近くにあり
数多くの映画で使われたと、「ハリウッド西部劇100年」で解説しておりました。
[2000年11月30日 0時44分0秒]
お名前: 終戦っ子
ワードボンドさんのおっしゃるように、この作品では、冒頭とラストでは暗い家の中にカメラが
あり、画面中央の戸口が開け放たれており、戸外は明るく、家の中は暗いため、ワイド画面のま
ん中だけが人物の輪郭がわかるようになっています。まぶしい戸外の人物だけがわかり、家の中
は黒に近く、物の輪郭がわかりません。ちょうど黒い額縁の中の絵のようでもあり、昔の映画の
アイリス・イン、アイリス・アウトに近い効果がでています。ノスタルジックな感じを出す工夫
ではないでしょうか。
[2000年10月9日 21時17分1秒]
お名前: COLKID
捜索者は、ずっと昔にはじめて見た時から、心に引っかかっていて、その後も見るたびに好きになり、
今ではシェーンと並んで、西部劇のワン・オブ・ベストだと思っています。
復讐の鬼と化したジョン・ウェインの鬼気せまる演技と重い主題にもかかわらず、
ジェフリー・ハンターの結婚に関するエピソード等、やわらかい話を上手く取り混ぜ、
全体にバランスのよい、見ごたえのある作品に仕上がっています。
最後にジョン・ウエイン演じるイーサン・エドワーズが、ナタリー・ウッド演じるデビーを抱き上げる
シーンは、感動のあまり言葉を失います。
私が特にお気に入りのシーンは、イーサンの兄の家で、兄嫁のマーサがイーサンの服を隣の部屋で
たたんでいるのを、ワード・ボンドがそ知らぬ顔で、無言で見ている場面です。
子供の頃観た時には、このシーンの持つ重要な意味に気付かず、なぜフォードはあの不思議な間を
入れたのだろうと疑問に思っていました。
その後、このシーンが、イーサンとマーサの過去の出来事を示唆している事に気付き、お気に入りの
シーンとなりました。
その兄の家族が、その後すぐ惨殺されてしまうのですから、かなり強烈な内容ですね。
この背後にある残酷さが、この作品のカルト的人気の要因のひとつではないでしょうか。
あれほどの仕事を成し遂げたイーサンがラストで家に入るのをためらい去っていくシーンなど、
まさに男の中の男、女の中の女が名作には登場するものですね。
前編名場面に満ち溢れており、完成度のきわめて高い作品だと思います。
その凄さに観客が気付くのに時間を要したのかもしれません。
[2000年9月10日 21時10分31秒]
お名前: ワードボンド
ジョン・フォードの数ある名作の中で「荒野の決闘」や「駅馬車」が
高い評価を得ているのは当然ですし、私自身もそれには全く異論は
ありません。しかし、作者の思いが込められているという意味では
この「捜索者」と晩年の「シャイアン・オータム」が双璧ではないで
しょうか。作者の思いが強いほど良い作品になるとは限りませんし、
逆に、観る側にとっては重たく感じる事はよくあることです。
フォード自身も、この作品に愛着を持っていたと聞きますし、アメリカ
国内では、この作品をフォードのベストワンにあげる人も多いと聞き
ます。作品の冒頭とラストの、ドアの向こうに見える、強烈な日差し
の中の赤茶けたモニュメントバレーは、良くも悪くも、まさにフォード
の世界なのです。
[2000年1月23日 18時26分21秒]
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