1941年、クラーク・ゲーブル出演の古い映画だよ。ヒロインはラナ・ターナー。なに?アレクシス・
スミスや、バージニア・メイヨや、ドロシー・マローンなら知ってるけど、ラナ・ターナーなんて知ら
ないって?西部劇しか見ないとそうなっちゃうかも知れないけど、ラナ・ターナーだって大スターだよ。
悪役は、「エデンの東」の以外はいつも悪役しか見たことのないアルバート・デッカー。
筋はすっかり忘れたけど、ゲーブルは舌先三寸で人をたぶらかす詐欺師で、そういうのが主役だから西
部活劇の面白さってえのは全然ない写真だったねえ。
一つ覚えてるのは、酒場で経営者のデッカーともめた主人公が、短銃に弾を一発だけこめて、代わりば
んこに自分の頭に当てて引き金を引こうっていい出した場面だね。デッカーはそれに二、三度付き合う
んだけど、五度目ぐらいにはとうとう折れて、やめて、ゲーブルに金を払うんだよ。ゲーブルはその短
銃を皆に向けて牽制しながら後ずさりして、出口に来たときに天井に向けて引き金を引くんだけど、
弾は出なかったね。そこで、ゲーブルは「やめて損したな」って憎まれ口をきいて一目散に逃げちゃう
のさ。で、その直後にターナーと並んで夜の通りを歩きながら、短銃をもう一度自分の頭に当てて引き
金を引くと、やっぱり発火しないんだよ。つまり始めから弾を全然こめてなかったんだね。何たって詐
欺師だもんね。
ピースメーカーって短銃は、表通りで派手に撃ち合うにゃあ向いてるけど、これでロシア・ルーレット
をやってもさまにならないねえ。
[2005年9月15日 11時55分49秒]