レイ・ミランド主演、ジョン・ファーロー監督の1946年作品。ミランドは西部劇専門じゃないか
ら昔の公開時には見送りましたが、「テキサス人」のDVDに2本立てで入っているので、このたび見
ました。時代は1840年代、ミランドは女出入りから軍隊を脱走した元中尉のトランボで、幌馬車隊
の案内人として雇われ、カリフォルニアに向かっています。立ち寄った町で女賭博師のリリー(バーバ
ラ・スタンウィック)が、カードのいかさまを理由に、「駅馬車」のダラスみたいにご婦人連に町を追
い出されるところに行き合わせ、人格者の農夫のファビアン(バリー・フィツジェラルド)が彼女を自
分の幌馬車に乗せてやります。
しかし、途中、カリフォルニアで金鉱発見の知らせが伝えられ、移住者たちは早く金探しに加わろう
と、幌馬車に積んできた家財道具などを荒野一面に捨てて身軽になり、てんでにカリフォルニアに向け
て馬車を走らせ、リリーもそれに同行して幌馬車隊は瓦解します。
トランボとファビアンがカリフォルニアに着いてみると、財をなした元奴隷商人のコフィン船長(ジョー
ジ・クラリス)と、その一の子分のパイク(アルバート・デッカー)が町を牛耳っており、やり手のリ
リーは酒場の持ち主になっています。コフィン船長はカリフォルニアを独立させようと武器を蓄えて武
力蜂起を計画する一方、リリーに求婚しています。トランボは議会でカリフォルニアの合衆国帰属を議
決させようと、人望のあるファビアンをコフィン船長の対抗馬として議員選挙に立候補させ、ファアン
は勝って当選しますが、パイクたちが彼を襲って殺してしまいます。
トランボら善玉側がコフィン船長の屋敷を攻め入り、トランボはパイクとナイフで勝負してこれを倒
し、コフィン船長はトランボに銃を向けたところをリリーに撃たれます。トランボとリリーがファビア
ンの墓参りをした時、彼は彼女に軍隊に戻る決心をしたと告げ、彼女は彼が戻って来るのを待つといい
ます。
開巻は、「カリフォルニアの歴史を描くのだ」風のちょっと気負った感じで、幌に「カリフォルニア
へ、イチかバチか」と大書した幌馬車の大群が列を作り、無声映画の「幌馬車」さながらの壮観ですが、
登場人物たちがカリフォルニアに着いてからは格別めざましくはないですね。スタンウィックが酒場で
一、二曲歌います。折角アルバート・デッカーを使うのだから、もう少し役の重要度を上げて活躍させ
て欲しかったですね。
[2008年1月26日 21時21分58秒]