原題を「Tennessee's Partner」という1955年作品。ジョン・ペインがエロール・フリンみた
いな口髭を蓄えたテネシーという名の賭博師、ロナルド・リーガンがカウポークと名乗るカウボー
イで、いずれもあだ名だろうから、結局、二人とも本名は分からずじまいです。
ヒロインはいつも魅力的なロンダ・フレミング。「アリゾナの決闘」や「赤い河」のコリーン・
グレイは、ここでは少しばかり性悪女だったようで、それを知っているテネシーが、カウポークの
ためを思って女をカウポークから遠ざけるように計らいますが、そのことを誤解したカウポークが
テネシーをぶん殴り、テネシーは殴り返しもせず殴られるままでいる場面がありました。しかし、
やがてカウポークは自分の誤解を悟り、ラストで悪玉がテネシーを撃とうとした時、テネシーをか
ばって弾を受け、命を落とします。
細かい内容は忘れましたが、口髭を生やしてスーツを着た賭博師が主人公だと、どうも西部劇本
来の痛快さに欠ける傾向があるようで、あまり面白くなかったと思います。
リーガンは確かこれが最後の西部劇のはずです。この映画より前に、エロール・フリンの「カン
サス騎兵隊」や「戦場を駆ける男」でリーガンが共演しているのを見た時、フリンはアメリカ人の
役ばかりでなく英国人の役もやるけれど、リーガンはアメリカン・ボーイの役しかできそうにない
な、と思った覚えがあります。後年、彼が第40代合衆国大統領になった時、世間には「映画俳優
が大統領を演じている」とからかう風潮がなきにしもあらずでしたが、大統領になる前にカリフォ
ルニア州知事を2期務めているのだし、決して俳優が一夜にして大統領になったわけではありません。
俳優時代には俳優組合の組合長もやったということでもあり、もともと政治家の素質のあった人物
が始めは俳優だった、ということなのでしょう。
[2005年9月28日 18時49分56秒]