作品名: ラスト サムライ -


書込欄へ  ヘルプ
お名前: 捨石喜市    URL
 今夜(05年5月7日)テレビで見ました。

 映画館で見た時には省かれていたいくつかのカットが挿入されていましたが、全体の印象はそれほど
大差はなかったと思います。その部分も加えての感想は、カツモトの描き方が最初は“インディアンの蜂
起”と同じようなものだったのではなかろうか、ということです。

 カツモトの兵が文明の象徴である「鉄道」を襲う、というエピソードが(ほとんど台詞で片付けられてい
ましたが)はさまったことで、「カツモト兵=未開野蛮のインディアン」という図式が、最初はあったよう
です。(これまたインディアンが“未開野蛮”であるかどうかは別問題ですが)。

 私は西部劇も好きですが、時代劇も大好きなので、このテの作品はたまりません。

 ただ、これまで外国監督の描いた「日本」には、少なからずヘキエキさせられることが多かった、(ジョ
ン・ヒューストン監督、ジョン・ウェイン主演の「黒船」、ジェームズ・クラベルのベストセラーのテレ
ビ映画「将軍」、007:テレンス・ヤング監督、三船・ドロン・ブロンソンの「レッド・サン」などには
正直がっかりさせられましたので)この映画には余り期待はしていませんでした。でも、この監督は「グ
ローリー」の監督なのです。その監督が日本をどう描くか、そのことに興味があって、ゼニを払って映画
館で見たのです。

 思ったより、というより、かなり出来のいい作品でした。 

 この「ラスト・サムライ」に対する最初の感想は、私の「映画日記」(http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Screen/5003/eigadiary/cinema.diary.html)に書いてありますので、よろしければそちらも読んでください。
[2005年5月8日 0時41分23秒]

お名前: マパッチ   
えーと。こういう劇場公開中の新作を入れるのは邪道でしょうか?でも、これは紛れもなく
西部劇だと思います。良く言われている『ダンス・ウィズ・ウルブス』との比較ではなく、
西部劇のもっとラディカルな部分を押えているみたいです。例えば、第七騎兵隊の生き残り
とか、最初がアンソニー・マンやサム・ペキンパーの映画のように行き場をなくした主人公
が西部開拓時代の見世物になって食い扶持を稼いでいる場面から始まるとか、サムライの里
を主人公が異郷として捉えるのではなく帰っていく場所と設定したあたりとか、それから、
『ラスト・シューティスト』よろしく主人公の伝記を語る語り部が用意されていることなど、
西部劇の匂いがプンプンします。

思ったほど、主人公が武士道に傾倒していく過程が詳しく描かれない。つまり、武士道の
説明部分がしつこくないのですが、それでもなお主人公が武士道に傾倒していくことが出来
たのは、日本家屋の板の間や特に縁側に、主人公がアメリカと同じポーチを発見したからだ
と思います。つまりこの作品の主人公は、『捜索者』でポーチの揺り椅子に腰掛けて老後を
送ることに執念を燃やす男と同じ思考回路を持っているといえます。あるいは『許されざる者』
の隠居小屋のちょうどポーチを作っているところのジーン・ハックマンの保安官ともだぶる
と思います。

南北戦争、第七騎兵隊で死に損なった男が、自分の魂が休まる家を獲得するまでの物語。
これはまさしく正統派の西部劇でしょう。
[2003年12月11日 9時22分35秒]

※この作品についての発言をどうぞ。
氏名
E-mail URL

半角カナは文字化けします。  ※自動改行ではないのでご自分で改行してください。

作品名リストに戻る