墓穴から金が見つかり、ゴールドラッシュの波が押し寄せた小さな町は、秩序と風紀が乱れに
乱れていた。
　町議会は保安官を雇うことになり、オーストラリアに行く途中で、金でも見つけて資金稼ぎを
しようと考えていた流れ者（ジェームズ・ガーナー）が、手っ取り早く金にありつこうと、保安官を
志願してくる。町の外れには無法者一家がおり、息子の一人を殺人罪で逮捕するが……　
　ガーナーが腕前を見せるのに、コインを空中に投げて射ち抜くのですが、ガーナーのトボケぶり
が実に可笑しいんです。
　無法者の息子がブルース・ダーンで、留置場でのやりとりや、息子を助けに来る親父のウォル
ター・ブレナンが牢破りに失敗して、留置所のダーンが言う一言には大笑いしましたよ。
　「荒野の決闘」や「真昼の決闘」のパロディはもちろんのこと、西部劇でのお馴染みのシーンが、
次々にパロディとなっており私の口許はゆるみっぱなし。
　コメディ西部劇の傑作で〜す。

[2003年9月6日 22時32分6秒]

　この監督も主役も好みでなかったが、徐々に出世してきたジャック・エラムが
見たくて見た。しかし予想を裏切る面白さだった。皆さん仰云るようにパロディ
ですが、その背景となる押えるべき正統がきっちりあって快かった。多分いつも
は当り前過ぎる画面（例えば乱激戦では撃つ方を交互に映す）がこの映画ではコ
メディプラス正統に見えたのかも知れない。
　私は元々腰と尻が立派過ぎる人は銃の重みが腰骨にかかる感じがしなくてガン
ベルトが似合わないと思っている。ジョン・ウェイン、マーロン・ブランドそし
てジェームズ・ガーナー等。しかしこの映画のＪ・ガーナーはＴＶ「マーベリッ
ク」以来のキャリアが生きたのか、前年の「墓石と決斗」、本作品と保安官振り
は西部劇俳優として他と遜色がない。
　傍役が面白い。大事なレコードを割って音楽家を脅迫したり（キッスで殺せ）、
アープに盾付いたり（ＯＫ牧場の決斗）、キャロル・リンレイを拉致する（ガン
ファイター）等非道を繰返していたＪ・エラムがコミックキャラクターに変身。
手え（関西弁で）と脚が長くその他大勢のガンマンの頃から印象深かった男がド
タドタで凡そ拳銃が似合わなくなって認められるとは。
　かってのチビの殺し屋ヘンリー・モーガン（ハリイ・モーガン）も町長の好々爺
に変身。本能に生きる男・ブルース・ダンも出来損ない息子に変身。皆んな意外
な一面を見せて楽しかった。

[2003年9月3日 19時46分59秒]

『荒野の決闘」のパロデイ西部劇。だが監督のバート・ケネデイはパロデイ西部劇の作家ではない。
「モンタナの西」やラクエル・ウエルチ主演の「ハニーコールダー」など正統にして異色な傑作
多し。後年イーストウッドの「ホワイトハンターブラックハート」というジョン・ヒューストンの伝
記のような映画のシナリオに参加している。また後に「新アラモ」を撮り、見事に９０年代に正統派
西部劇を復活させている。この作品も西部劇を知り尽くしているから撮れるパロデイに仕上がっている。

[2002年1月20日 6時22分17秒]