作品名: 戦ふ幌馬車 -


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お名前: ポルカドット   
 ランドルフ・スコット主演、チャールズ・バートン監督の1934年作品(The Wagon Wheels)、
 1840年代、ミズーリ州インディペンデンスからオレゴン州に向かう幌馬車隊の物語です。

 幌馬車隊の案内人は老スカウトのビル・オライリーとジム・バーチ、それに若いクリント・ベルメッ
ト(スコット)の三人で、彼らは互いに手を差し出して重ね、協力を誓います。夫に死なれたばかりの
若い未亡人のナンシー・ウェリントン(ゲイル・パトリック)が、4歳の息子のサニーを夫の身内から
奪って、幌馬車隊に加わることにします。クリントはナンシーに困難な旅を取り止めるよう告げますが、
ナンシーの決心は固く、参加者名簿に登録します。彼女には頑丈な幌馬車が必要で、それは同行する毛
皮商人のケネス・マードック(モンテ・ブルー)が提供します。幌馬車隊には、オールドミスのアビー
とヘティーのマスターズ姉妹も加わっていて、アビーは丹念に旅日記をつけています。

 マードックは白人とインディアンの混血で、白人を嫌っており、また白人の移住で自分の毛皮業が妨
げられるのを恐れて、親しいインディアン部族を説き、一行の妨害を図ります。幌馬車隊は平野での野
営中にインディアンに襲撃されたり、雪のロッキー山脈を越えたりの困難に出会いながら西に進みます
が、ビーバー・パークスの交易所に着くと男たちは羽根を伸ばして、2週間というもの飲んだくれたり、
ばくちにふけったりしています。クリントは彼らの尻を叩いて旅を再開します。パウダー・リバーを越
えようとする幌馬車隊をインディアンの一群が襲い、マードックもおおっぴらにインディアンに加わっ
ています。激戦の中、クリントが河に浮かぶ筏の上の灯油の幌馬車に火をつけ、黒煙が煙幕となってイ
ンディアンは退却し、幌馬車隊は窮地を脱しますが、この戦いでアビーの妹のヘティーとスカウトのビ
ルが命を落とし、マードックも死にます。

 クリントはいずれナンシーと結ばれてサニーの父親になるでしょうし、アビーと案内人の老ジムも婚
約します。ジムとクリントは再び、今度は二人だけで手を重ねて、幌馬車隊をオレゴンに送り届けるこ
とを誓いますが、それにビルの亡霊も手を重ねます。これは観客には見えても、画面の中の二人には見
えないのでしょう。

 60分に満たない映画ですが、クルーズの「幌馬車」に通じる印象です。野営中に男性コーラスが扮
する移住者たちが、映画と同じ名前の主題歌のハーモニーを聞かせ、美人女性歌手が「エストレリータ」
を甘く歌ったりしますが、まあ、これは観客サービスで、実際の幌馬車での旅はこんなにロマンチック
ではなかったでしょうね。ここでアビーも朗々と歌を披露し、人々が閉口する様子がおかしいです。

 原作はゼーン・グレイの「Fighting Caravans」で、これはこれより3年前の1931年にも、ゲイリ
ー・クーパー主演で映画化されていますが(邦題「戦ふ隊商」aka.「激闘の河」)、私は原作は読んでな
いし、「戦ふ隊商」は確か格安DVDが出てると思いますが、不精して未見です。このページに書き込
みがないけれど、どなたか、ぜひ見て書いて下さい。

 R・スコット主演の、1930年代のゼーン・グレイ原作小説の映画化作品を、いくつか見て感想を
記してきましたが、この辺で終わりにします。同種のものには、まだ、「燃ゆる山道」(Sunset Pass, 1933)
や「国境の狼群」(The Last Round-Up)、その他があるようですが、これらはどこぞの大学のフィルム・
ライブラリーに保存されているらしい、といった状況で、私などは見る機会がなさそうです。どなたか
ご覧になったら感想をお聞かせ下さい。
[2007年11月11日 13時37分1秒]

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