作品名: ジェロニモ -


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お名前: 上州の隠居   
チャック・コナーズの「ジェロニモ」はラヴ・ロマンスもあるハリウッド・西部劇、それが史実に
沿った作風なのも時代の流れ。当時の有様を良く再現してあり、好きな作品だ。”名はGoyakia"(
he who yauns)とナレーションで呼んでいたが、前回の公開時の解説ではゴヤスレイ、ゴクレイエー
と呼んでいる本もある。マイルス将軍は野心家だったらしく、軍隊の力で”捕まえるか殺せ”との
シェリダンの指示を実現したかったが、成果無く、ゲートウッド中尉に交渉の任務を与えた。彼は
兵6人とスカウト2人で、ジェロニモが女達をメスカル酒を買いにメキシコの小さな町フロンテラス
へ送っていると聞き込み一人のアパッチ女の跡をシェラマドレの山中まで追った。スカウト二人が
先行しているのを知ったジェロニモは二人をキャンプに招き一人を中尉の所へ帰し、交渉に応じる
と伝え、翌日中尉は指示どうり スカウトと二人で会いにいった。(「大西部物語 グレート・チ
ーフ」より)この時のスカウトがチャトーたは明記されていないが、彼はこの時勲章を貰っている
。映画では チャトーと中尉の二人で崖を登りジェロニモ達に囲まれるがこの方が映画として良く
出来ている。あれだけの勇士が"無条件降伏”をしたのか。家族がフロリダへ送られたのが、直接
の原因のようだ。映画でも一瞬の間をあけてその感じを出しているが、少し物足りないと思う。
実際には 部下達が情況から不安をおぼえて降伏を勧めたようだ。シェリダンはクロックのアパッ
チのスカウトには反対で、アリゾナの住民もアパッチそのものを嫌っていて、チャトーもフロリダ
行きとなる悲劇は 映画でも 良く出ている。
PS アル・シバー の部下に トム・ホーンが出てくれば申し分なかったのに!
 老後のジェロニモの話は 菊池東太著「ジェロニモ追跡」が面白く、酔っ払って溝に落ち翌朝死
んでいるのを発見されたそうだ。
[2007年4月30日 17時19分56秒]

お名前: ウエイン命   
殆ど世評に上りませんでしたが、G・ハックマン、R・デュバル、M・デイモン、J・パトリックと
云う地味ながらマニア受けのするキャスティングと、W・ヒル監督に加えて脚本が私のご贔屓J・ミ
リアスと来ては相当期待しますよ。何よりも西部劇を劇場で観られると云う滅多にないチャンスです
から尚更です。
見終った時の感想は「西部劇も随分変わったしまったナー」(当たり前カ)と云えばいいんでしょう
か。騎兵隊(と云うか合衆国)に最後まで抵抗するジェロニモ(若い頃の丹波哲郎を彷彿とさせるな
かなか精悍な面構え)の孤独な戦いを真正面から描いた極めて真面目な映画ですが、少々地味すぎた
かも知れない起伏に乏しいストーリーの所為か、あるいはすべてがデイモン扮する若い新任将校の眼
を通して描かれており終始彼のナレーションで進行していくと云う手法の所為か、何か「NHKスペ
シャル」でジェロニモのインタビューを見ているような感じでした。投降を決意するのがパトリック
との友情のためと云う辺りに僅かながらミリアスらしさを感じますが、それを先住民文化の終焉に結
びつけるには、そこに至るまでの過程でもっといろんなことが語られる必要があったのでは、と思い
ました。
貨車でフロリダの刑務所(と云うことは「ネバダ・スミス」でマクィーンがA・ケネディを追って入
ったところでしょうかネ)へと護送されて行くラストは観ているこちらが落ち込みましたね。感動で
はないですよ。何かユダヤ人がアウシュビッツへ送られていくシーンを観ているのと同じように悲し
くやるせない思いでした。「トム・ホーン」の欄にも書きましたが、ここでも私、事実をそのまま再
現されることへの抵抗を感じました。いくら事実でも英雄ジェロニモの物語をあんな無残で惨めなシ
ーンで締めくくる必要があるでしょうか。「ダンス・ウィズ・ウルヴス」のテイストでやられた方が
私のようなシンプルな者は素直に感動しちゃうんですがね。尤もこの手の映画にはもともと人を感動
させようと云う意図がないのかも知れませんが…。ヒルの一連の西部劇を観ていると、この人の登場
人物への思い入れは一体どうなっているのかと思いますね。ただ「実際はこんな人物だったんだよ」
と教えてくれているだけじゃないかと。実在の人物ではないことが殆どとしてもペキンパーが登場人
物一人ひとりに注ぐ優しい眼差しを思うにつけ「貴方自身はこの人をどう思ってるの」と云いたくな
ってしまいます。
ところで公開当時、私もそう思いましたが、画面がやたらと暗く、画質が悪いことを指摘する声が随
分ありました。ヒルは大ヒットシリーズ「エイリアン」の製作者ですが、3・4作目が同じような見
づらい画面でしたよね。そう思って「ロング・ライダーズ」を観ると綺麗ですがやはりちょっと暗い
ですよ。絞りがきつ過ぎる感じです。「ワイルド・ビル」まで見直す気はしませんが、ヒルの特徴で
しょうか。意図的だとしても「ジェロニモ」くらいになると、私みたいな眼の悪い年寄りは、ちゃん
と見ようと云う方に気を取られて肝腎の映画自体に集中出来ないもどかしささえ感じました。
[2007年3月31日 12時10分21秒]

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