作品名: デザーター - |
面白い映画でしたが、スタッフ、キャストに西部劇でよく見かける顔ぶれが多い割には、オールド・トーサンのいわれるように、西部劇という感じが薄かった気がします。主演俳優が東欧出身 で西部劇になじみが薄いのと、作品自体が西部劇というより特殊部隊ものといった感じだからで しょう。 ジョン・ヒューストン監督演ずる将軍はまさに老獪が軍服を着たような人物で、一番印象に残り ました。西部劇にも結構いろんな軍人が現れており、それらは士官学校出たてで実戦未経験の新 任少尉だったり、定年退役を間近に控えて平穏な年金生活に入ることを願っている事なかれ主義 の老大尉だったり、功名に逸って部下を危険にさらす指揮官だったりするわけですが、この映画 の将軍のような食えない人物は始めてで、これが一番面白かったです。[2005年8月16日 9時56分7秒]
アパッチに新妻を虐殺された騎兵隊の大尉が隊を脱走し、たった一人でアパッチにゲ リラ戦を挑んで、彼等を次々と倒していく。 その噂を聞いた将軍が天然の要塞にこもるアパッチを殲滅するため大尉を呼び戻し、 討伐隊のリーダーに任命して送り出す。 かくして大尉は自ら選んだ討伐隊員を引きつれて奇襲をかけるという対インデイアン物。 大尉に舌を噛みそうな名前のユーゴスラビア俳優のベキム・フエーミュ。 役柄もユーゴ出身の設定になっています。 討伐隊のメンバーには大尉に恨みを持つウッデイ・ストロード、アルバート・サルミや ダイナマイトのプロ、チャック・コナーズ、ガトリング砲の第一人者パット・ウェイン、 インデイアンスカウトのリカルド・モンタルバン、案内人にスリム・ピケンズ、さらに はイギリス人観戦将校のイアン・バネンなどお馴染みのメンバーが顔を揃えています。 とここまで書くと「プロフェッショナル」やリー・マービンのナチス物「特攻大作戦」 を思い出しますが、そのせいかどうかこの映画の再公開時の題名は「特攻騎兵隊」に 改題されています。 この豪華脇役陣も大勢過ぎて100分の中に収めるのは大変だったらしく、かなりあっ さりとした描き方で、この作品がもう一つ深みに欠ける事になったように感じました。 そして懐かしい顔「シエーン」のジョーイ少年=ブランドン・デ・ウイルデが志願した 中尉に扮して成人した姿を見せます。 彼はこの後しばらくして夭折しますが、小柄な身体に鼻の下に薄く髭をたくわえた姿は お世辞にも格好良いとは言えず、シエーンの子役のイメージのまま亡くなったほうが良 かったのではないかと、不謹慎な事を思った次第です。ごめんなさい。 他にも将軍にジョン・ヒューストン、上官にリチャード・クレンナ、監督はバート・ ケネデイと本場物の味が一杯の作品でしたが、制作したのがイタリアやスペインだった せいか私にはなにかもうひとつ西部のムードが欠けているように思われました。 とはいっても大好きな騎兵隊&インデイアン物ですし、深い峡谷を渡るシーンなど楽しく 見ましたが。[2004年1月13日 23時12分2秒]