二枚目のジョン・ペインも西部劇には結構出てて、これもその一つ。主人公は軍の将校で、ララミーへ
の鉄道敷設工事促進に派遣されるんだけど、大酒飲みの暴れん坊なんだね。細かい筋は覚えてないけど
場面を一つ二つ思い出してみると、
その1.始めの方で、賑わってる通りで、香具師がやってるスリー・シェル・ゲームに主人公が手を出
すんだね。台の上に二つ割りにした胡桃の殻を三つ伏せて横一列に並べてあって、その一つに豆粒みて
えな玉が入ってて、香具師が三つの殻をめまぐるしく動かして順序を変えて、動きを止めたところで玉
がどれに入ってるか客に当てさせて、当たり外れによって賭け金をやりとりする博打さ。ほら、あの
「友情ある説得」で、リチャード・アイヤー坊やが、背が低いもんだから台の表面すれすれに覗いて、
玉の行方を見てて、入ってる殻を指で指すもんだから客が皆それに賭けるんで、香具師が閉口するあれ
だよ。
この映画じゃ、主人公は殻の動きが止まったところで、一つの殻を選ぶんでなく、片手でさっと殻を二
つ取り上げて、台の上に残ってる三つ目を指して「あれだ!」っていうんだね。確かに殻を二つ取って
玉がなけりゃ三つ目に入ってるはずだけど、香具師がトリックを使ってるかも知れねえから、それだっ
て怪しいやね。香具師は困って「ずるい兵隊だ」っていうし、香具師のボスみてえなのも現れて、主人
公に「賭け金を持って帰れ」っていうんだけど、主人公は「おれは玉がどれに入ってるか知りてえ」
ってごねて、挙げ句は大乱闘さ。どう始末がついたか忘れちまったけどね。
その2.鉄道反対派のボスは「ウインチェスター '73」なんかでお馴染みのダン・デュリエで、その
子分のごろつき3、4人が主人公に因縁つけるんだね。子分の中で頭株の男が「痛めつけてやるぜ」
っていうと、主人公が「お前一人でおれを殴るのか。それとも仲間の手を借りてやるのか」っていうん
で、そういわれたもんだから頭株も「どちらでも同じことだが、おれ一人でやろう」っていって二人で
殴り合って、結局頭株はのされちまった。
そんなことがあったもんだから、後の方の場面じゃ主人公がこの連中に袋叩きにあって、動き始めた汽
車の貨車に放り込まれて厄介払いされちまったね。
気取ったとこなんて全くねえ娯楽活劇だけど、「熱風の町」より面白かったかも知れないね。
[2005年9月22日 14時5分54秒]