8月6日の私の書き込みは「ダーティーハリー」をスタージェス作品と思ってるかのように読めますネ。
超有名映画ですから敢えて訂正する必要もないんですが、勿論違います。
本サイトに参加させてもらってスゴク勉強になってます。職場では「報告書の神様（？）」と云われ
てる私ですが、こう云った散文スタイルで１本の映画を正確に且つポイントを押さえて手短に、しか
も自分なりの評価も添えて文章にしご紹介することが如何に難しいかと云うことを痛感しています。
いくら書いたって読んで頂けないとお話になりませんからね。
それにつけても、老レンジャーさん、放浪者さん、ノスタル爺さん、クインキャノンさん等お歴々の
知識、文章表現、まとめ方には感心するばかりですが、クインキャノンさんを除いて最近書き込みが
少ないので寂しく思っています。今後ともよろしくお願いします。

[2006年8月12日 7時56分2秒]

Ｊ・スタージェス監督。イーストウッドの他にＲ・デュバル、Ｊ・サクソンなどが出ています。
「シノーラ」と云うのは邦題で、原題は「Joe Kidd」イーストウッドの役名です。アメリカ映画って
実在であるとないとに拘らず、時には安易に思えるほど主人公の名前がそのままタイトルになってい
るケースが非常に多いですよね。勿論「ベン・ハー」などその方がいい場合もありますが、最近はそ
れがそのまま邦題になるものだから、「グッドウイル・ハンティング」など私は何か意味のある言葉
かと思って相当調べちゃいました。本作はさすがに「ジョーキッド」では如何なものかと思ったんで
しょう、映画の舞台となる町の名前になっています。
さて、そのメキシコとの国境の町シノーラでは白人とメキシカンの間に土地争いが起きています。も
ともと自分たちの土地だったのを登記簿を焼いたりして行政ぐるみで白人側が騙し取ったものだと主
張するメキシコ側のリーダー（サクソン）を面倒だから殺してしまおうとする白人側の大地主（デュ
バル）は、大捜索隊を編成しよく分からないけれどもイーストウッドをガイドに雇い、サクソンが生
まれ育った村に押し寄せます。政治的意図などまるで縁のないスタージェスですが、この辺り何だか
イスラエルとパレスチナの構図に似ています。
サクソン一味の待ち伏せに合い村毎包囲されてしまったデュバルは、そこは老練、逆に村人全員を人
質にとり、投降しないと半日ごとに村人を数人ずつ射殺するとサクソンに迫る悪辣さ。そんなこんな
を見ているうちに白人の余りの横暴に義憤に目覚めたイーストウッドはサクソン側に寝返り、デュバ
ル一派を殲滅する。
いくら西部劇とは云え、唖然とするほど恐ろしく単純な展開（ストーリーは単純でもイイんですヨ）
だと思ったら、あの「ダーティ・ハリー」の次の作品だったんですネ。力抜いてたのかナー。往年の
スタージェスをご存知の向きには大いに物足りない１作でしょう。凡作と云うほかはありませんが、
デュバル一味が凄いカービン銃やモーゼルの自動拳銃で武装していたり、クライマックスでは酒場に
機関車が突っ込んだり、今では最早見る見ることの出来ない西部劇の要素もあり、なおかつＢ・サー
ティースのカメラとラロ・シフリンの音楽が映画の内容と不釣合いなほど深くて美しいので、まだ観
てない方は機会があったらご覧くださいってとこでしょうか。

[2006年8月6日 7時21分49秒]