老レンジャーさん・・・映画少年グリーンベイと申します。懐かしい作品を発掘されますね。
　この作品は、マン監督とスチュアートとのコンビを組んだ４本目の西部劇ですね。直前に
　「グレンミラー物語」（５４）という見事な作品がありました。この作品で特筆すべきは
　自然の美しさをクリーンに仕上げられていることです。カナダのジャスパー国立公園でロケされ
　カメラに収められた風景が人物以上に魅力になっていることです。ジミーと悪役マッキンタイヤア
　が好演しているが、「裸の拍車」（５３）でも見せた斬新な決闘シーン、ここでも後半に
　見せた床下の撃ち合いは見事でした。美女ルース・ローマンはいつもの通りだがコリーヌ・カルヴエ
　はパリジェンヌらしく新鮮でした。ローレン・バコールの若い頃に似ていて・・・。彼女は
　ロース・ローマンの２才年下でした・・・。５回結婚の後２００１に逝っている。

[2003年7月14日 16時34分1秒]

　アンソニー・マン、ジェームズ・スチュアートのコンビの西部劇「ウィンチェスター
銃’７３」1950、「 怒りの河」1951、「裸の拍車」1953に続く1954年の作品。私の西
部劇元年1956年には既に代表３作品は上映されておらず、何とか間に合ったこの作品を
３番館上映で見た。
　Ｊ・スチュアートとウォルター・ブレナンのコンビはワイオミングからシアトル、ア
ラスカを経てカナダ、ユーコンの金採掘で新しく興った奥地の町へ牛を運び、その金で
金採掘を始める。そして金と町を強奪しようとする悪徳判事ジョン・マッキンタイヤと
闘う。
　舞台は文字通り「遠い国、The Far Country」でカナダの雪を戴く岩山のロケが素晴
らしい。タイトルバックは氷河でした。
　善人グループは他にジェイ・Ｃ・フリッペン。マッキンタイアの一味にヘンリー・モ
ーガン、ボブ・ウィルキ、ジャック・エラム、。女優は美貌ルス・ローマンと可憐コリ
ンヌ・カルヴェと典型的なこの頃の西部劇のキャスティングです。
　Ｊ・スチュアートは単純な正義漢でなく、頑固で利己的で他人の面倒は見ないという
性格付けで、最後に皆に命を助けられてやっとマッキンタイヤと闘うところ等がマン監
督らしいひねりです。スチュアートの何時もの飄々とした演技がぶっきらぼうで分らず
屋で憎たらしい感じに見えた。ですからこの映画の9割の時間、主役は観客の味方では
ないのです
　スチュアートの鞍には小さな鈴がぶら下がっていて、決斗の夜、町外れからチリンチ
リンと鈴の音が近づいて来る。ボブ・ウィルキは「あの鈴の音を消してやる」と酒場か
ら出ていく。ムード十分です。板張りの歩道を利用したガンファイトは後に「西部の人」
のクーパーに引継がれています。

[2003年7月14日 10時9分43秒]