作品名: 悪の花園 -


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お名前: 44-40   
意図せずとも男たちを翻弄してしまう運命の女…。この作品はフィルム・ノワールの
ファム・ファタルの要素を西部劇に取り入れようとしたのだと思う。
西部劇には開拓時代のアメリカをおおらかに描く一面と、ゴールドラッシュや南軍の
敗北を背景に、孤独な無法者たちの欲望渦巻くせめぎあいを描くという、20世紀の
犯罪を描くフィルム・ノワールやハードボイルドに通ずる一面がある。
後者はやがてマカロニ・ウェスタンへもつながってゆくのだろう。南北戦争が生んだ
無法者たちは、2つの世界大戦が生んだギャングたちに置き換えられるかも知れない。
ただどうしても違うのは、西部劇が「荒野の物語」なのに対して、フィルム・ノワールは
「都市の物語」だということだ。そして、運命の女ファム・ファタルはやはり都市の産物
だと思う。大自然の中でたくましく生きる女たちは、都市の危うさの中で妖しく光る
女たちとは、やはり一線を画するだろう。
いいところもたくさんあるのに、この映画がどこか中途半端な印象を与えるのは、結局
その一線を越えられなかったからだと思う。少なくともスーザン・ヘイワードのせいでは
ない。音楽だってバーナード・ハーマンだし。
監督もヘンリー・ハサウェイではなく、ジョン・ヒューストンやニコラス・レイあたり
だったら少しは印象が変わっていたかも知れない。ジョン・スタージェスやハワード・
ホークスだったらどうだったろう? きっと前者には撮れなかっただろうし、後者なら
依頼を断ったに違いない。
まあハサウェイにしたところで、ラストのヘイワードとクープの逢瀬を、夕闇のロング
ショットにとどめて余韻を出し、ウィドマークと組んだノワールの佳作「死の接吻」の監督
としての意地を見せてはいる。
[2004年5月4日 22時24分43秒]

お名前: 老レンジャー   
 今でも最も記憶に残っているのは断崖絶壁の細い道を馬で駈けるシーンです。中でも2m程
欠けている部分を飛び越し、後続を振り返る場面の崖下側から仰角ショットに高さとスリルを
感じたのでした。走る馬が虫位に小さく映っているこの崖のロングショットに、これぞシネス
コ、これぞ西部劇と大満足したものです。又、他の西部劇では余り見ない火山灰の荒原や溶岩
に埋もれた教会等の風景が展開していたのも珍しかった。
 オールド・トーサンさん(一寸云いにくいです)には申し訳ないですが、他に西部劇らしい
アクションは少なく、金と女が絡むドラマの方はもう一つで、全体は余り印象に残りませんで
した。当然、当時は子供なのですが、今見ても矢張りと思います。
 スーザン・ヘイワードは綺麗ですが男4人が全員まいるというのが西部劇のテーマと云うの
はどうかと思います。
 折角のゲーリー・クーパーも見せ場が何にもないし、リチャード・ウィドマークが詩人でギャ
ンブラーと云うのも似合っていないのでは。冷酷なあるいは主人公を小バカにするハイエナ笑い
か、「襲われた幌馬車」「太陽に向って走れ」のような俊敏な動きを見せる役の方がウィドマ
ークらしく思います。
 全くの余談ですが私の1994年録画ビデオには兵庫県知事選のCMに初々しいイチローと薮が
映っています。
[2004年1月23日 20時30分31秒]

お名前: オールド・トーサン   
公開時に観た中で一番印象に残っているのは、クーパーに拳銃を向けているキャメロン・
ミッチェルの背中にアパッチの矢が突き刺さり、銃を落したミッチェルが背中に手を回し
て矢を抜こうとして崖下に転落するシーン。ニキビ華やかなりし頃の記憶です。

その後再見の機会が無く東京出張の度に銀座の楽器店のビデオコーナーを覗いておりまし
たが、数年前にやっと見つけてゲット。
40数年振りに改めてじっくりと鑑賞しましたが、相変わらず満足している一編です。
惜しむらくはラスト近くでウイドマークがヘイワードを口説くシーン。
ウイドマークにはニヒルでクールなまま最後まで押し通して欲しかった。
一枚看板の「襲われた幌馬車」のような作品なら仕方ないけど、クープがいるのだから
自分は、女には関心が無いよという姿勢を貫き通したらもっと格好良かったのに。
あの口説きのシーンが無くともラストの自己犠牲は成り立つような気がしますが。
などと見るたびに思ってます。
でも大好きな作品です。
[2004年1月13日 23時55分1秒]

お名前: 花園商店   
当時はR.ウィドマークのせりふも「かっこいいなー」と思いましたが、
いまではただ「ダサイ、クサーイ」と感じるのは何故でしょうか?
[2003年1月27日 22時6分33秒]

お名前: グリーンベイ   
 コルト45さん・・・初めまして・・・映画少年グリーンベイと申します。
 本当に、ウイドマークが得な役回りでした。クーパーを完全に喰ってました。スーザン・ヘイワード
 良かったですね。あんな完熟ラ・フランス(山形なもので)の登場では、男どもが只で済むはずがない。
 この作品は、54年の公開ですが、彼女は、53年に「狙われた駅馬車」(51)でタイロン・パワー
 と共演し、セクシーなところをアピールしてました。好きな女優さんの一人です・・・。
 HNのコルト45は、ランドルフ・スコット西部劇「COLT 45」からでしょうか?。
[2002年1月24日 19時49分33秒]

お名前: コルト45   
 金鉱探しで生き埋めになった夫を救出するためS・ヘイワードが元保安官のG・クーパー、
賭博師のR・ウイドマークら4人を雇って「悪の花園」と呼ばれるメキシコ領内のインディ
アンの聖地へ乗り込むのが導入部。ラスト近くでウイドマークは「陽が沈む。夕陽と一緒に
毎日人が沈んで行く。今日は俺の番だ」の名セリフと共に息絶えます。

 当時流行した大スターの競演による西部劇大作の一つですがウイドマークが大変な儲け役で
良い場面を一人でさらってしまい私もこの映画ですっかり彼のファンになりました。十八番
の女性を殴り飛ばすシーンはありませんが皮肉な笑いや一人残って断崖から一枚ずつカード
を飛ばすシーンが印象的でした。ウイドマークはこの後J・スタージェス監督と「六番目の男」
「ゴーストタウンの決闘」という二本の傑作を作りますがこの期間が彼のベストだったように
思います。

 クーパーは保安官か元保安官という役が多いですね。「真昼の決闘」「西部の男」が代表作
なのでしょうが芸術性より娯楽性の私は「ダラス」や「ヴェラクルス」の様なアクション中心の
西部劇の方が好きです。

 演出はH・ハサウエーですがドラマ性を求めたのか夫婦の確執などを盛り込み少しもたつきます。
もっとストレートにテンポ良く描いた方が良かったのではないかと思われますが、その辺はスター
ジェスの方がずっと冴えていましたね。

[2002年1月17日 17時14分7秒]
[2002年1月17日 21時8分14秒]

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