作品名: 狙われた駅馬車 - |
この当時、スーザン・ヘイワードの映画がどっと日本で公開され、しゃくりあげた鼻の形が日本人ごのみ で、人気ナンバーワンでした。この映画も、タイロン・パワーより、ヘイワードの西部劇ということに魅 力を感じて見に行ったのですが(タイロン・パワーが、後ろからヘイワードを抱きとめたポスターがエロ チックだった)、主役の二人より、「視力を失った左目が、カメレオンのようにあらぬ方を向いている」 ジャック・エラムの悪党ばかりが、印象に残りました。ジャック・エラムも、だんだんユーモラスな役柄 に転じ、「ヴェラクルス」で、「フランス語がお上手で」などと、クーパーをからかいながら、ボーグナ イン相手にダンスを踊るシーンが傑作でしたが、「狙われた駅馬車」は、初めて彼を見た映画でしたから、相当ショックを受けました。[2001年6月30日 12時26分27秒]
FOX社50年製作、ヘンリイ・ハザウエイ監督作品。制作者、あの「荒野の決闘」を手がっけたサミエ ル・G・エンジェル、脚本は「駅馬車」のダドリー・ニコルスと揃えている。「地獄への道」以来の タイロン・パワー主演西部劇です。他に共演者は、スーザン・ヘイワード、ジャック・イーラム、エド ガー・ブキャナン・・。 ローハイド(原題)と言う西部の宿場で、駅馬車が運ぶ10万ドルの金塊を狙うならず者一味に捕ら えられ、手も足も出なくなった若者トム(パワー)が、彼らを向こうに回して決闘するまでのスリルと サスペンスを盛り込んだ第一級の痛快西部劇である。スーザン・ヘイワードの美しさが懐かしい。 彼女はセルズニックが、「風と共に去りぬ」のスカーレット役の候補にしたことから38年映画入りして いる。ハザウエイ監督は、後の作品「悪の花園」でも彼女を起用しています。好みだったのでしょうか。 ラスト近く、彼女が連れている少女を盾に取ったイーラムは、トムに拳銃を捨てて降参しなければ、この 少女を殺すと脅かす。進退きわまったトムは拳銃を投げ出す。ほそく微笑んだイーラムが、やおら拳銃を トムに向けたとき、銃声二発、イーラムが倒れる。振り向くと、そこに銃口から煙の立ちこめる銃を手に したヘイワードの姿があった・・・・。この作品は「シェーン」と同じ53年に公開されています。[2001年6月3日 23時30分53秒]