作品名: ハンプス -


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お名前: ノスタル爺   
 時は1850年代、米陸軍上層部が西部の砂漠にラクダを導入することを思いつき、失敗しても
いいように無能な若い中尉(ジェームズ・ハンプトン)が辺境の砦に派遣されます。
 砦では、てっきりアラブ馬が来ると思っていたのに、来たのはラクダ。
 ブチャむくれした騎兵隊員たちを、なだめすかして訓練にはげむのが、前半の愉しいシーン。
 ラクダから落ちた隊員が、そのまま横になって、「ラクラクだ」なんて駄洒落を言ったりしてね。
 ようやく、ラクダと親密になった時に、軍上層部がもうヤーメタと言ってくるんです。
 ラクダを嘲笑した部隊と、砂漠横断500キロのレースをしてラクダの優秀性を見せるのが、
後半のヤマ場。ジャック・イーラムをボスとするズッコケ無法集団がしつこく絡んできて、もう
私の口もとは緩みっぱなし。
 監督が『ベンジー』のジョー・キャンプなので、ベンジー君もカメオ出演しています。
 ところで、ラクダ部隊ですが史実に残っているんですね。
 1856年に「荒地で開拓民の安全を守るには、軍隊の自由な活動が第一である。それには
砂漠に行っても頑健で従順、長躯に耐えるラクダを輸入すべきである」と、合衆国上院に
ラクダ輸入案が提出され、アラビアから3千ドルで75頭のラクダが輸入されました。
 1ヶ月かけてニューメキシコに送られ、早速編成された騎兵中隊は、訓練の後、翌年の2月に
アパッチの大群を相手に大戦果をあげたと記録されていますが、識者によると、アパッチは
見たこともないラクダの姿に驚いて、戦意を失って逃げ出しただけとのこと。
 実際、ラクダ部隊はすぐに解散しています。ラクダの臭気と騎乗戦闘の困難がその理由。
 用なしとなったラクダは、見世物用として一頭当り3ドルで興行主に払い下げられました。
[2003年8月5日 7時59分26秒]

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