大年増の酒場のマダム(マリー・ウィンザー)と結婚するはめになった男(ジェームズ・ガーナー)
が、途中下車して逃げ出した町は、二人の鉱山主(ハリー・モーガンとジョン・デナー)が対立
していた。男は凄腕のガンマンと間違われ……
バート・ケネディとジェームズ・ガーナーの『夕陽に立つ保安官』の姉妹編。
傍役にもハリー・モーガン、ジャック・イーラムと同じ顔が揃っています。
ジェームズ・ガーナーは、彼の出世作となったテレビ西部劇『マーベリック』の同じイメージですね。
腕のいいギャンブラーで、口先と度胸の男。社交上手で女性には特に目がない。
といっても鼻毛を抜かれるわけでなく、頭の中では常に計算をしている。
町の酒場のマダム(ジョーン・ブロンデル)に言い寄って(これが、マリー・ウィンザーを口説いた
のと同じ文句)、酒代をサービスさせたり、仲良くなった飲んだくれのジャック・イーラムを凄腕の
ガンマンに仕立てて、ハリー・モーガンから用心棒代をせしめたりと、このガーナーのとぼけた
調子の良さは、ブレット・マーベリックと同じキャラクターです。
だから、ルーレットの玉の転がる音を聞くと発作が起こり、有り金を全部賭けてしまいスッテン
テンになるシーンには、『マーベリック』の見事なパロディとなっており、思わず声をあげて笑って
しまいましたよ。
上記の他にはチャック・コナーズのスキンヘッドくらいしか映像で見せる笑いがなく、セリフや
言葉での説明が多かった分、前作の『夕陽に立つ保安官』と比べると少し落ちる気がします。
ハリー・モーガンとエレン・コービーが自転車に乗ってデートするシーンがあったら、笑えたの
にねェ。
それから、気が短くてすぐに銃をふりまわすスザンヌ・プレシェットの役名がペイシェンス(忍耐)
というのは、『夕陽に立つ保安官』でオッチョコチョイぶりを見せたジョーン・ハケットの役名が
プルーディ(淑女)といったのと同じ言葉遊びですね。
[2003年9月6日 22時37分27秒]