作品名: 最後の一人まで -


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お名前: ポルカドット   
 初回に、エスター・ラルストンを私が見たのはこれだけだと思う、と書きましたが、実はもう1本見
てましたねえ。1924年のベティ・ブロンソン主演、「ピーター・パン」です。この作品でウエンディ
のお母さんをやっていました。彼女はこのとき21才のはずだし、一方ウエンディは13才の設定です
が、「なぜ21才が13才の母親になれるんだ?」などというのは野暮でしょう。

 優雅なダーリング夫人と、野性的なエレンを演じ分けましたから、なかなかいい女優さんだったと思
いますよ。
[2008年2月3日 21時34分57秒]

お名前: 上州の隠居   
私も「第三の男」でJ・コットンがゼーン・グレイの名を出した時はニヤリとしました。確か字幕で
”山賊の話を書いた"とあったので、Bandit を山賊と訳したのだと思い、字幕作者はグレイが西部
小説の大家であることを知らないな、西部なら盗賊の方がまだましだと、毒ずいてました。
[2007年4月15日 10時39分15秒]

お名前: ポルカドット   
上州のご隠居、

 お察しの通り、原作はゼーン・グレイです。もっとも私は原作を読んでおらず、小説と映画がどう違っ
ているのか分かりませんが。

 ゼーン・グレイといえば、昔見た「第三の男」を思い出します。主人公である三文西部小説家のホリー
・マーチンスがタクシーに乗ると、運転手が行き先も聞かずに猛スピードで走り出し、すわ悪党の仕組
んだ拉致か、と思わせるのですが、車が着いたのは地元の文学愛好者グループの集会所でした。そうい
えば映画の始めで、マーチンスはアメリカから来た小説家ということから、文学好きの集まりで講演す
るよう頼まれ、渡りに舟と引き受けたのですが、彼はその後、ハリー・ライム捜索に没頭して講演の準
備などしておらず、大体そんな約束など疾うに忘れています。

 講演会は定めしひどいものだったでしょうが、講演時間が終了してマーチンスが立ち往生しているの
へ、聴衆の一人が「あなたが影響を受けた作家は?」と質問します。それに対するマーチンスの答が「ゼー
ン・グレイ」です。質問者は続けて「ゼーン・グレイとは誰ですか?」と訪ね、とんでもない人物を講
演者として連れてきた集会の幹事が慌てて、「ゼーン・グレイはアメリカの西部読み物の書き手でして、
厳密な意味では作家とは申せますまい。」などと取り繕って冷や汗を拭く場面がおかしかったです。し
かし、この幹事さんは、ゼーン・グレイを知っているなんて、ウィーン子にしては物知りですね。

 「友達の友達は皆友達だ」に準じて、「西部劇関連の事物が登場すれば西部劇だ」というなら、「第
三の男」は主人公が西部小説家で、その作品の「オクラホマ・キッド」というペーパーバックまで画面
に出ますから、「第三の男も西部劇だ」となります。上記の講演会の場面は省かれていますが、時間的
には小一時間といったところと思われ、この講演会の模様を映画にしたら、「第三の男」の関連作品と
して面白いものができるんじゃないかと思います。
[2007年4月6日 23時58分2秒]

お名前: 上州の隠居   
私は観てないのですが、もしかしたら、原作者はゼーン・グレーではないでしょうか?その頃ランディーはグレーの小説を多数映画化してます。同名の小説は 有名なプレザントヴァレーの羊飼い
と牛飼いの争いが下敷きだと言われており、以前翻訳本が出たおり、読んだのですが、羊が出てこず?と思ったのです。数年にわたった両家の確執なので、映画の方も見たいと思ってましたが、
実話から かなり離れた小説の映画化らしいと推察してます。
[2007年4月6日 15時11分49秒]

お名前: ポルカドット   
 同名の映画が '50年代の終わりにもあり、サル・ミネオ扮するインディアン少年と野生馬トンカの
友情物語に、カスター将軍や第七騎兵隊が絡むお話でしたが、こちらはランドルフ・スコット主演、ヘ
ンリー・ハサウエイ監督の1933年作品で(To the Last Man, aka. Law of Vengeance)、本邦公開は翌
昭和9年でしたかねえ。私が見たスコットの作品中、彼が一番若い頃のものです。

 戦後のスコット作品は、彼がもう五十に手が届こうという頃からですから、彼の恋愛物語などは記憶
になく、「平原の落雷」や「捨て身の一撃」のようにすでに奥さんがいるか、でなければ婚約者や妻が
殺されていて復讐に燃える男、などという役どころが多かったと思うのですが、これは若いスコットの
ラブ・ロマンスです。ヒロインはエスター・ラルストン演じる気の強い娘のエレン・コルビーで、彼女
がヌードで湖水に飛び込んで泳ぐのを、通りかかったスコットが見かけてて頬をゆるめる場面などは、
彼の映画では珍しいと思います。

 時代は南北戦争の直後からですが、拳銃使いや早撃ちガンマンが活躍する西部活劇ではなく、二つの
家族の確執の物語です。ケンタッキーで、ヘイドン家とコルビー家が何代にも亘って血なまぐさい抗争
を続けており、10才ぐらいの少年のリン・ヘイドンが祖父と狩りをしている時、ジェド・コルビー(ノ
ア・ベアリー)が老人を狙撃します。リンの父親のマークは私的な復讐の繰り返しを好まず、ジェドを
官憲に告発して委ね、自分たち家族はネヴァダに移住して新天地で牧場を営みます。ジェド・コルビー
は、殺人罪で15年服役した後、執念深くヘイドン家を追って、監獄仲間のジム・ダグス(ジャック・
ラリュー)と娘のエレンを伴ってネヴァダに向かい、ごろつきを集めてヘイドン牧場から家畜を盗むこ
とを繰り返して、ここでも抗争が続きます。

 成人したリンを演じるのがスコットで、弟がバスター・クラブ、義兄がバートン・マクレーン、マク
レーンの幼い娘でスコットの姪っ子に当たるのがシャーリー・テンプル、ジェドがリンの祖父を撃つ場
面ではジョン・キャラダインがジェドに従っているなど、賑やかな顔ぶれです。仇同士のリンとエレン
が恋仲になるわけで、若い二人が死んだりしたらまるきりロメオとジュリエットですが、流石にゼーン
・グレイはシェイクスピアと違ってそんな野暮な物語にはしていません。終幕で二人は結婚したようで、
未来に希望をつなぎます。しかし、両家の男たちは皆死んでしまいますからやはり悲劇ですね。ハッピ
ーエンドの悲劇です。

 念のために申しますと、私が見たのは昭和一桁の公開時でなく最近です。金髪鉄火なエスター・ラル
ストンを、私は多分これだけしか見てないでしょうが、ファンになりました。といっても彼女は今から
十年以上前に亡くなっています。世代の違うスターを目の当たりにできるのも、水野晴郎さんじゃない
けれど、映画のいいところですね。
[2007年4月1日 20時51分49秒]

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