ジェフ・ブリッジェスは、いまでも味のある中年男優として活躍しているが、若き日はより良かった。
その後マイケル・チミノやイーストウッドと組んだ「サンダーボルト」でもいい感じだった。
この映画は北軍から逃げた少年たちが西部でアウトローたちと戦う話だが、少年達を群盗と
いうにはちょっと無理があるし、その素晴らしい邦タイトルと比べると、ウイドマークや
Rテイラーらのガンファイトよりはちょっとショボイ銃撃戦だが、そのつたなさや不慣れさに
緊張があり、リアルな西部の無法な凶暴さが感じられもした、Rフライシャーの 「スパイクスギャング」とは違った意味で苦い青春西部劇であった。
監督は後に「クレイマー クレイマー」を撮って大出世する、ロバート・ベントンだが、作品的
こちらのほうが良いという声も多く、私もそう思う。その後のベントンはやはりこの作品を 超えられずにいたが、「消えたセクシーショット」というのが起死回生の一作になった気がする。
つまりベントンにはB級が似合うのだ。だが彼はその後もネストール・アルメンドロス撮影監督
の遺作ともなった「ビリー ザ バスゲイト」などを文芸映画的に仕上げているが、ベントンには
つまらぬ文化性よりあくまでB級映画の傑作を作りうる自身の才覚をもっと自覚してほしいと思う。
[2002年1月19日 16時48分8秒]