作品名: セラフィム・フォールズ -


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お名前: ミチノク・キッド   
某大手レンタルショップで「セラフィム・フォールズ」のDVDを見つけたときは、
「これは期待できるかも!」とワクワクして借りて、家路へ急ぎました。
ストーリーについてはウエイン命様が述べられている通りです。
西部劇なのに前半は雪深い山中が主で、マカロニの「殺しが静かにやって来る」を思い出しながら
視聴していました。極寒の山から砂漠の灼熱地獄へと前半と後半で環境が激変する西部劇を私は
初めて観ました。緊迫したストーリーが続き、先の展開が楽しみで目が離せません。
しかし、物語が砂漠へ移ってから、それまでの緊張感が突如なくなります。
「アレ?」何かおかしいぞ、というストーリー展開に…。
ウェイン命様と同様に私も泉の番人とマダム・ルイーズについては意味が判りません。
泉の番人って登場させる意味があったのでしょうか?
マダム・ルイーズについても登場させる意味なし。弾丸1つを手に入れさせるためだけに無理やり
作られたキャラクターとしか思えません。もっと別の方法で弾丸を手に入れる方法を考えられな
なったのでしょうか?ラストの二人の対決は良しとしても、その後がいけません。

泉の番人を登場させたあたりから、脚本家が急にヤル気を無くしたか、途中から別人が脚本を書い
たように思えてなりません。最後はもうどうでもよくなって「じゃあ、この辺で終りにしよう」と
いう感じで作り手が物語を終わらせたとしか思えません。
[2009年1月25日 22時42分53秒]

お名前: ウエイン命   
DVDのジャケットには「ノンストップ・バイオレンスアクション」とあるだけで一言も西部劇と云
う言葉は使ってないんですが、リーアム・ニーソンとピアース・ブロスナンの格好と云い、手にした
銃と云い、どう見ても西部劇なので借りてみました。他にE・ローター、A・ヒューストンとなかな
か渋い顔ぶれです。
雪深い山中で焚き火で暖を取ろうとしているブロスナンがいきなり銃撃を受けて左腕を負傷します。
続けざまに飛んでくる銃弾をかいくぐりながら、やむなく馬を放棄して逃げるブロスナン。撃ったの
はニーソンと彼がブロスナンを殺すために雇った3〜4人の胡散臭い連中で、彼等の会話から、ニー
ソンがずっとブロスナンを追い続けているらしいこと、しかもブロスナンが逃げる途中厳寒の河に落
ちて滝に呑まれたことを知っても「死体を確認しない限り報酬は払わない」等と雇った連中に云って
ることからして、相当な恨みを抱いていることが分かります。以降の展開になかなか期待を持たせる
オープニングです。この後、山を降り草原を横切って最後に灼熱の砂漠にまで逃げるブロスナンと、
彼を執拗に追い続けるニーソンの追いつ追われつが描かれて行くのですが、ブロスナンは自分で弾を
取り出して傷の手当をしたり、ナイフと火薬を使って火を熾したりとサバイバル技術を身につけてい
るばかりか、追われながらも時に反撃に転じニーソンの雇った連中を1人また1人と倒したり、馬ま
で奪ったりと只者ではありません。ニーソンがそれほどまでにして彼を殺そうとする理由は言葉では
語れていないのですが、時々フラッシュバックで現れる女性の姿に、恐らく妻を殺された恨みではな
いかと想像がついてきます。最後に、ついに追いついたニーソンにブロスナンが云います。「戦争中
だった」。実は南北戦争中(正確には戦争は既に終わっていたらしい)、北軍大尉ブロスナンは南軍
だったニーソンの家を焼き払ったのですが、部下が家の中に赤ん坊が残っていることを故意に報告し
なかったために、結果として助けに入ったニーソンの妻もろとも焼き殺してしまったと云う過去があ
り、その事件が起こった場所がタイトルとなっているセラフィム・フォールズだったと云うわけで
す。
妻子を虐殺した北軍将校への復讐譚と云えば、我等がイーストウッドの「アウトロー」と同じシチュ
エーションですが、残念ながらニーソンと云う一人の人間にズーム・インした描き方はしていないの
で、孤独な男の哀愁もないし、とてもあのような情感溢れる映画にはなっていません。そう云う意味
で「バイオレンス・アクション」と云う謳い文句はむしろ的確なのかも知れませんね。それはいいと
しても、この映画、最後の方になって甚だ理解に苦しむようなシーンに遭遇します。砂漠の入り口に
ある小さな泉の番人とのやり取りもよく分かりませんが、砂漠のど真ん中で弾の切れた2人の前にマ
ダム・ルイーズなる女行商人が忽然と(しかも気がついたらそこにいたと云う感じで)現れ、それぞ
れ馬、水と一発の弾丸とを交換するんです。砂漠のど真ん中でですよ。結局、暫く争ってくたびれ果
てた2人はこれ以上争いを続けることのむなしさを悟り、「戦争は終わった」「もうよそう」などと
云いながら徒歩で60数キロ離れた街に向う…のかと思いきや、画面の右と左に別れ何処へともなく
去って行きます。ついさっきまでのリアルな復讐劇が嘘のような、違う映画かと思ってしまいそうな
ほど木に竹を接いだような、現実なのかどうかも疑わしい寓意的なシーンの連続ですが、こう云う展
開がまったく苦手な私には、何を云わんとしているのかさっぱり分かりませんでした。「戦争中だっ
た」と云う台詞がイラクやアフガンで誤爆を繰り返すアメリカの言い訳のようにも聞こえる、と云う
のは我ながら自分らしくもない勘ぐり過ぎとしても、何故こんな捻くったラストになるんでしょうか
ね。やはり今マトモな西部劇を望むほうが無理なのかとの思いを新たにさせられた一編でした。部分
的にはいい場面もあるので、監督がイーストウッドかコスナーだったら、きっと男と男の壮烈なドラ
マにしてくれたのではないかと惜しまれます。何しろ「スターウォーズ」と「007」の対決ですか
らね。
[2009年1月23日 23時54分20秒]

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