作品名: 曠野の追撃 -


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お名前: クインキャノン   
 ロッド・キャメロンの映画は、これまで見たことがねえんだよ(4月に格安DVDが発売予定の「硝
煙のカンサス」に出てるらしいけど、すっかり忘れちまった)。当時はスコット、マクリー、ウェイン、
クーパー、その他メジャーな人たちのを見てりゃ用が足りたんでね。ところが最近、ふとキャメロンの
人物寸評みてえなのが目に入ったら、「練達のピアニスト。美人の若妻を離縁して彼女の母親と再婚し
たのが評判」だってえじゃねえか。これに度肝を抜かれて一遍に畏敬の念が湧き、これあ何か見ざあな
るめえってんで、一枚買うことにしたのさ。50年遅れだね。

 大した作品はなさそうだけど、これなんぞいいんじゃねえかって思ったのは、リパブリックとしては
力作らしいし、ジョゼフ・ケイン監督ってのも、「西部の無法男」とか面白いのを作ってくれてるから
ね。色彩はトゥルカラーってんだよ。知ってる? ちょっと大がかりなシーンで白黒になったりするの
は、フィルムのせいじゃなくて、他の写真からの流用だろうね。細かいことにこだわらねえのが偉い!
そういえば、ケイン監督も映画作りの前はプロのチェリストだったてえから、B級西部劇の世界にも多
才な人がいるねえ。

 で、この映画はというと、ウォルター・ブレナンが「荒野の決闘」の老クラントンか、「幌馬車」
のC・ケンパーみてえな極悪親父のブリムストーンで、できの悪い息子二人と牛泥棒、駅馬車強盗、
押し込み強盗、銀行強盗のし放題だけど、三人目の末息子だけは悪事に乗り気じゃない、って事情だね。
ォレスト・タッカーがガンサイトの町の保安官だけど、ブリムストーンに抱き込まれてて、マーシャル
のキャメロンが正体を隠して保安官補になるってえ覆面捜査官ものだよ。まあ、退屈はしねえけど、
あまり盛り上がらない感じだねえ。というのもブレナンが事実上の主役なんで、そりゃ彼はうまい役者
だけど、ヒーローの方が添え物みてえなんじゃあねえ。タッカーも格別見せ場がないし。先任保安官補
のビッグボーイ・ウィアムズが屋台の食べ物屋で食事してたけど、他の西部劇じゃ屋台店で飯を食うの
なんて見た覚えがねえんで珍しかった。

 キャメロンはちょっと地味な好漢だと思ったね。クリント・ウォーカーに迫る大男なんだね。そのう
ちまた気が向いたら、今度はキャシー・’クレメンタイン’・ダウンズと共演のものでも見ようかね。
[2006年3月21日 21時35分34秒]

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