この映画は、Ｍ・オハラ親子の馬車がひっくり返るシーンを撮影中にスタントマンが亡くなったこと
も当時話題になりました。ジミーは、これの１つ前の作品「飛べ！フェニックス」でもスタントマン
の死亡事故に遭っており、自分の主演作品が２本続けて悲惨な事故に見舞われたことから一時すっか
り落ち込んだと云う話も聞きました。さてこの映画は、公開当時双葉十三郎さんが健全娯楽映画の秀
作として紹介されていましたが、何故か見逃したまま４０数年、ＤＶＤが出てようやく観ることが出
来ました。長い空白の間にすっかりストーリーを忘れてしまって普通の西部劇のつもりでいたので、
ちょっと意外でした。Ｇ・ペックの「小鹿物語」やディズニーの「黄色い老犬」と同系列の、西部を
舞台にしたヒューマン・ドラマと云ったところですね。家族みんなで観に行くのに恰好の映画です。
私は子供の頃観た「黄色い老犬」が今でもたまにビデオを見直すほど大好きで、本欄でご紹介したい
と何度も思いましたが出来ませんでした。舞台は大西部、時代も文句なし、Ｆ・パーカーの農場主に
Ｃ・コナーズのカウボーイまで出てきますが、さて「ウェスタンか」と云われると「ウ〜ン」となっ
てしまうからです。犬と子供たちの愛情物語なんですよね。この映画を観ていてそのことを思い出し
ました。それにしても「スタンピード」とは随分無理のある邦題ですよネ。集客のためには致し方な
かったんでしょうが、原題と内容を知らないと「赤い河」のような映画かと思ってしまいかねません
よ。確かにスタンピードは出てきますが、小規模だしお話のポイントになっているわけでもありませ
んしね。でも、ジミーはこ云う拳銃沙汰と縁のない映画だと安心して見てられますね。

[2009年2月1日 22時58分23秒]

今や、肉食種の三大ブリティッシュ・ブリード、ヘレフォード牛が西部に入ってきた頃のお話。
ロング・ホーンばかりの中でかなり目立ちます。
この牛が過酷なテキサスの原野で生きていけるかどうか？
原題の「レア・ブリード」の意味するところです。
この主人公の牛が大変かわいいんです。でも牛は演技が出来ないのかなあ、
少女と牛を、もっと中心にすればラストがもっと生きたかもね。
ベン・ジョンスンもチョイだし、ドーブもいなくなるし、
ジャック・イーラムだけが楽しそうにワルをやっています。
でも太り過ぎていて、「狙われた駅馬車」のような迫力がない。

[2008年3月29日 8時23分33秒]

　この映画で最も笑えたのは、ブライアン・キースのメキシコの山賊のようながさつな牧場主。
　薄汚れた毛皮のコートで、メキシコ訛り、最初はブライアンとは分らなかった。
　彼が、実は（ネタばれになるので言いませんが）というシーンは本当に驚きました。
　ノスタル爺さんの言うとおり、マクリントックの系統ですが、私も楽しめました。
　

[2004年12月11日 21時39分37秒]

アンドリュー・Ｖ・マクラグレンらしいユーモアとダイナミックさに満ちた西部劇です。
監督デビュー作の『マクリン・トック』に似ていますね。酒場での派手な殴り合いシーンは
マクラグレンの本領発揮です。
１９５０年代のジェームズ・スチュアートはアンソニー・マン作品が中心だったので、
『夜の道』にもその影響が見られましたが、６０年代になるとジョン・フォードの西部劇に移り、
『スタンピード』の主人公はＪ・フォード的といえます。
モーリン・オハラは持ち味通りだし、牧場主のブライアン・キースも良い。
悪党のジャック・イーラムも嬉しい存在ですね。
ジュリエット・ミルズは妹のヘイリーよりも美人ですが、中途半端な美しさです。
アイドルというタイプでもないし、人気が今イチだったのがわかるような気がしました。

[2004年12月11日 6時35分4秒]