見たのはずいぶん昔だから、細かい内容は忘れちまったけど、主人公は「強盗男爵」とか異名のある非
情なやり手で、強引に町の顔役にのし上がるんだね。それが、終盤で正義派のトマス・ミッチェルが本
当に悪い奴らに殺されたところで善に目覚めるんで、そういう屈折した設定だから、「無法者の群れ」
や「サン・アントニオ」みたいな能天気な面白さにゃあ欠けてたね。
木々の間に綱を張るってのはあっしは全然覚えがなくて、僅かに覚えてるのは次のような場面だね。
1.始めの方で、北軍将校の主人公が馬車で軍資金を運んでいるとき南軍に襲われて、軍資金を奪われ
ないよう、逃げながら馬車ごと焼き払う場面。
2.軍資金を失った責任を問われた主人公が軍法会議で軍からの追放を宣告され、そういう場合の儀式
らしいけど、上官が被告の軍服のボタンを上から一つずつ全部むしり取ってゆく場面。これは他の写真
でも見たような気がするけど、ボタンがしっかり付いていたら、引っ張ったぐらいじゃ取れねえんじゃ
ないかなあ。
3.軍を追われた主人公が、ショーボートみたいな川船で、賭博師連中を相手にポーカーをするところ。
勝負中に何かの婦人会の女性が数人、何か立派な目的のための募金に回って来る。主人公は自分のも含
めて、皆がテーブルに置いた掛け金をそっくりかき集めて丁重に渡しちまう。勝負をしていた連中は当
然面白くなくて、「粋なことをするじゃねえか。女にゃいいとこを見せようってんだな。確かに勝てる
のか?」とか嫌みをいう。主人公がさりげなく、「美人ならここにもがいる」とカードをテーブルにさ
らすと、クイーンが4枚揃っている場面。
まあ、こんなとこだね。
[2005年9月7日 23時24分5秒]