この作品の監督ヘンリー・ハザウェイは、「狙われた駅馬車」(51)を撮って以来、10本目の
そして最後の西部劇です。この間の作品には、T・パワー、クーパー、ウイドマーク、マックイーン、
デユーク(5回)、そしてこの作品にグレゴリー・ペックと西部劇の大スターを起用している。何れの
作品でも監督は、一貫して「これが西部劇なんだ」と云わんばかりの傑作揃いを世に送っている。
さて、この「新・ガンヒルの決闘」(72)ですが、銀行強盗をやって、相棒に裏切られ捕まり7年の
刑を受けたペックが出所する。金を独り占めした相棒は、大ボスに収まっているガンヒルへ復習に向か
うと云う筋立てです。かっての恋人に出所の連絡をし駅に出向かいにいくと、彼女は急死して、6歳の
女の子が手紙を携え降り立ちます。この子が自分の子かどうか判明しないまま一緒にガンヒルへ向かう
が道中平坦ではなかった。ガンヒルにあと2,3時間と云う距離までたどり着いた時、雷雨に遭い、雨
宿りに立ち寄った家と云えば、室内は整理整頓が行き届き、子供の教育、躾が万全の彼には理想的な
家庭に映った。・・・ガンヒルで首尾良く復讐を果たした彼は、ここに落ち着くことになります・・・。
見所は、五年前に夫を亡くしたこの家の女主人が、子供たちがベッドに入った後、彼にお酒を勧めます。
「この頃は、私もお酒で寂しさを紛らわすことが多くなりました・・・。」と彼のグラスをとって飲み
干します。彼女の胸の内をストレートにぶつけるこのシーンは圧巻でありました・・・。
「ガンヒルの決闘」(59)とは、何も関係ない作品です。念のため・・・。
[2001年3月14日 17時2分31秒]