作品名: 太陽は光り輝く - |
J.W.さま、お先に失礼しました。 ジョン・ラッセルも凛々しくて良かったですね。ジョン・フォードはこのアシュビー役には ベン・ジョンソンを使いたかった様ですね。私もベンが出ていてくれたなら、もっともっと フォード映画らしくなったと思うんです。この頃のベンはソフトな二枚目でしたからね。 「太陽は光り輝く」は私にとって長い間、幻のフォード映画でした。初公開がATGだった ので見ることが出来ず、3年程前アメリカのVHSを買って見ることが出来ました。しかし 当然ノースーパー、英語に弱い当方、まったく理解出来ずついにはATGのパンフを入手し それを見ながらビデオを見た思い出があります。 ウィル・ロジャースの「プリースト判事」の方も、亡き妻の遺影に写る主人公の影、続く 墓に語りかける場面、後のフォード映画に繰り返し登場する場面の原型があり、又「ホット ・ミンス・パイ」や「すいかずらの花」のフレーズも出てきて楽しいのですが、私はそれ 以上に、こちらの素朴なリパブリック映画の方が素敵に感じられてなりません。[2009年1月26日 9時36分31秒]
ママデュークさんに先を越されましたが、「周遊する蒸気船」と並ぶジョン・フォードの 隠れた名品だと思います。フォード自身,興行収入のことなど気にしないで、自分の趣味で 作ったと言っております。 ジョン・ラッセルの名前を覚えたのもこの作品からですが、後年のTV連邦保安官での 渋みはまだ出ていませんね。そうそう、飲んだくれのフランシス・フォードも印象的でした。 南北戦争が終わっても、南軍派、北軍派といつまでもこだわり続ける田舎町での騒動。 音楽のヴィクター・ヤングも素晴らしいです。アーチー・スタウトの撮影と相乗して 正にグッド・オールド・ディズを再現している。[2009年1月25日 10時16分26秒]
1953年度、リパブリック映画。 この映画は1953年当時、日本には輸入されては居たのだが、遂には公開されずに終わって しまった。(S41年ATGにて公開)一つには、出ている俳優にスターがいなかった事、そして もう一つは、その地味な物語にあったようだ。それもそのはず、J・フォードは1934年に 「プリースト判事」と言う映画を撮っており、これはその再映画化なのだが34年作のニコルズ とトロッティの書いた脚本の骨子を、そのままローレンス・ストリングスが脚色しており、 それが又、フォードの製作意図であったようだ。 前作の時代設定は1890年頃、そして本作は1905年。プリースト判事も少々お歳を 召したようだが、召使のジェフ・ポインデクスターと一緒に暮らしている。ストーリーは リベラリストの判事の日常に、若いヒロインのとある過去の出来事がからみ進んでいく、 圧巻は彼女を生んだ母親が(娼婦であるのだが)死に、その葬儀、判事ただ一人その葬儀の 列に加わるのだが、もとより判事は判事改選の選挙の真っ只中にある。それでもあえて 弱者の味方をするプリースト判事に町の、判事の心情を知る人々が列に加わるシーンの 演出は、まさに至芸ともいうべきだ。 アーチー・スタウトのややハイ・キー気味のモノクロームの撮影も美しく、スターと呼べる 俳優も出ていないのだが、スティッピン・フェチッツト、ラッツセル・シンプソン、フランシス・ フォード、グラント・ウィザース、ドロシー・ジョーダン、メェ・マーシュ、ジェーン・ダウエル、 ジャック・ぺニック、パット・ウェインといったお馴染みの面々が織りなす美しい映画です。 ウィル・ロジャースの華麗なフォックスのセットで撮影された34年作よりも、リパブリック でのやや貧相なセットで作られたこちらの方が、私には、この美しく質素な物語にはふさわしく 大好きなのです。[2009年1月24日 17時19分1秒]