作品名: ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 -


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お名前: ポルカドット   
 ビリー・ザ・キッドというと、21才の生涯に21人殺したというのが強烈ですが、これはどうも誇張の
ようで、実際に殺したのは9人前後というところらしいし、正当防衛といえる場合もあったでしょうから、
危険な殺人狂と決めつけるのは早計かも知れませんね。

 数ヶ月前にこの作品の特別版を衛星放送で見て、多少は分かって来たような気がしました。以前は、邦題
の印象から「ビリー・ザ・キッド武勇伝」のようなものを予想したに違いなく、それで戸惑ったのだと思い
ますが、原題通り、「パット・ギャレットとビリー・ザ・キッド」の生涯を並行して描くのが狙い、と素直
に見ればいいわけですね。

 以前は友人だった二人だけれど、ギャレットは時代の変化に応じてチザムやウォーレス知事の体制側に回っ
て生き残りを図り、一方、ビリーは対照的に気ままな無法者暮らしを続けますが、結局は二人とも非業の死
を免れず、それとともに古く荒々しい西部も終末を迎える、というのはこの監督の一貫した視点ですね。無色
透明な感じで画面に現れ、ビリー・ザ・キッドについて歌うボブ・ディランは、われわれ観客を代表してい
るのかも知れません。

 ギャレットとキッドを一身に具現した人物が、スティーブ・マクィーンの演じた「トム・ホーン」なので
はないか、という気がします。
[2007年10月14日 22時26分23秒]

お名前: パルプ   
 通りすがりですが、ちょっと気になったので書き込ませていただきます。

 まずこの作品には現在、73年の劇場公開版と、シーンを追加した88年の復元版、そして
2005年にペキンパーの本来の意図を元に再編集された特別版という3つのバージョンがあ
ります。

 僕の場合は特別版で初めて観たのですが、パット・ギャレットの最期と生前のビリーがめま
ぐるしく交錯するオープニングは非常に衝撃的でした。無法者でありながらあくまでも自分の
生き様を貫くビリーと、かつての親友を追う過程で次第に堕落していくギャレットを対比して
描くことにより、ペキンパーが『ワイルドバンチ』や『砂漠の流れ者』で提示してきた西部の
終焉が、静粛かつより痛烈な形をもって表現されています。そういった意味では娯楽映画とい
う面では劣るかもしれませんが、最後に去っていくギャレットの後ろ姿は『シェーン』へのア
ンチテーゼのように思えてならず、心から離れませんでした(なにせ子供から「カムバック」
の代わりに石を投げられるんですから!)。

 ディランの今一つな演技(歌は最高、特に『天国への扉』)、後半でのビリーの意味不明な
行動など、確かに欠点もありますが、駄作と評する方はおそらく特別版を加味せずに評価を下
しているのではないでしょうか。この作品は『ワイルドバンチ』ほどの傑作ではないにしろ、
まんざら駄作でもないと僕は思っています。実際、復元版はオープニングで無駄にストップモ
ーションをかけたり、ギャレットと妻の会話が削られていたりと、かなりテンポが悪く仕上が
っているので、まだ観ていない方は特別版がお勧めです、絶対に。
(ギャレット射殺シーンすらないという公開版はもっと駄目!確かに駄作)
[2006年7月2日 10時34分37秒]

お名前: ウエイン命   
ポルカドットさん、別に申し訳なくないと思いますヨ。これは紛れもない駄作です。一般に巨匠・
名匠と云われてる人にも、駄作のまったくない人もいれば結構ムラのある人もいるでしょ。前者の
代表はフレッドジンネマンで意義のある人はいないと思いますが、ファン後者はウジャウジャいますヨ。
大体、我等がJ.フォードにしてからがそうですし、西部劇ではないですが、S.ルメット・J.シュレジンジャーなど最近どうしちゃったんだろうと思いますよね。J.リー.トンプソンなど「ナバロンの要塞」が奇跡と思えるくらいですよ。ペキンパーも後者の代表でしょう。クリストファーソンはお気に入りだったのでしょうか、「コンボイ」と云うのもありましたネ。他にキューブリックもそうかな。知ったかぶりの連中がSFの最高傑作と云う「2001年宇宙に旅」、これ私映画史上最高の駄作(と云うより映画になっていない)だと思っていますが、どなたか賛成してくださる方はいません
か。
[2006年4月8日 0時25分3秒]

お名前: ポルカドット   
 サム・ペキンパー監督の1973年作品(原題:Pat Garrett & Billy the Kid)で、ジェーム
ズ・コバーンがギャレット、クリス・クリストファーソンがキッドを演じています。途中何回も撃
ち合いがあり、結構、人死にも多かったと思うのですが、全体的にほとんど忘れてしまいました。

 ビリー・ザ・キッドといえば、21才で殺されるまでに21人殺した強烈な人間というのが通念
ですが、役を演じたクリストファーソンは、当時30代後半だから結構分別がありそうで、そんな
破天荒な人間には見えなかったと思うし、作曲家のボブ・ディランを配役したことにも格別の意味
があったと思えないし、キッドの最後も全然盛り上がらなかった気がするし、どうも私にとって、
長い作品の割には印象が希薄でした。

 しかし、名匠ペキンパー監督の作品をこんなふうにいっては申し訳ない。どなたかこの作品の見
所を解説して頂ければ有り難いです。
[2005年10月7日 14時41分31秒]

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