フィルムと現像


専ら愛用しているフィルムは、FUJIネオパンプレスト400(PREST400)である。
その理由は、

1.感度が400で使い安い。
2.コントラストがあり、メリハリのある描写をする。
3.詰め物のフィルムがこれで安かった。(現在は、長巻きを使用している)
4.手現像する際、適度なコシがあり、リールに巻きやすい。
5.感度が400であるが、粒状性に優れている。
6.カーリングし難い。


もっとも使用したフィルムの種類が、少なくこれの他ネオパンSS、ACROS(アクロス)、Tri-X(kodak)くらいである。
この中で、次点であげるとすればやはりTri-Xとなるが、カーリングが出やすく引き伸ばしの際手間がかかる。
ネオパンSSは、感度が100である割には粒状性が劣るが、これだけ愛用されているのには理由があるのだろう。もっとも、粒状性に関しては、短絡的に欠点とはならないと思うが。
ACROSは、粒状性が一番と言う宣伝文句があり、確かになめらかである。コントラストにしても階調性が良いが、フィルムが堅くリールに巻きにくい。
フィルムの使用に関してはそれぞれ、適材適所がある。

話は、現像のなるのだが、私が使っている現像液は通称SPD(スーパーフジドール)もしくは、ミクロファインである。それぞれ、1:1の希釈現像を行っているが、どちらかというとSPDの方が好みである。
元々、ミクロファインとSPDとは目的が異なり、ミクロファインは粒状性に優れた現像を行うのに用いられ、先ほどのACROSとの相性が良い、一方SPDは、増感用および機械現像の為の迅速現像液である。
しかしながら、1:1の希釈現像では、粒状性も良く、PRESTO400との組み合わせでは、コントラストが増強され力強い描画が得られる。

手現像では、減感処理も増感処理も思うがままでありそれ故、とんでもない失敗もする。
今までに一度ではあるが、いつも1:1の希釈現像を行うはずが、原液現像を行いフィルム2本を真っ黒けにしたことがある。 このときばかりはしばらく落ち込んでしまった。

現像の方法は、今のところマニュアル通り、前浴、現像、停止、定着、予備水洗、迅速洗浄液、本水洗、水切り浴、乾燥の順で、水切り浴までは、30分ほどである。しかし、リール巻き、現像液、定着液など下準備が必要となるので2時間ほどの時間がないとやる気になれない。

下準備を極力緩和するため、最近停止液は水で済ませている。 ただし、定着液の疲労をなるべく避けるため、3度ほど水を入れ替えている。

現像タンクは、LPLのステンレスタンクを使用しているが、特に不満はない。 ただし、マスコタンクに憧れてはいる。
当初ここまで、モノクロにのめり込む予定では、無かったため現像タンクに2万近くの投資が出来なかった。
しかし、この調子だと、いずれ手に入れる様な気はする。

現像液は先の話の通りで、SPDかミクロファインを使用している。 業界標準のD76も手元にあるが未だ使用していない。 このあたりも極めるときりがない気がする。
攪拌に関しては、SPDでは、30秒毎の攪拌に対し、ミクロファインでは、1分毎となる。 これは現像時間が、6〜7分程度を境に、場合分けしている。 希釈現像なのでもちろん使い捨てである。

一方、定着液は、フジフィックスを使用。 迅速タイプでないので 7〜10分程度かけている。定着液は、再利用を行っていて5〜6回は回していると思う。

現像に当たっては、日本カメラ出版の「モノクロ写真の現像とプリント」を当初参考にしており、しばらくして、同社の「モノクロ写真塾、写真工学出版社「ファインプリントテクニック」などを買い求めた。
これから、始めようとする方も同様の書籍を用意された方が良いと思う。
ファインプリントテクニックは、ちょっと高度な内容なのでいまだ理解していない部分が多分にある。

いずれにしろ、モノクロ現像も撮影同様に「習うより慣れよ」と言うことが言えよう。
最終目的は、ファインプリントを目指し、焼き易い標準ネガを作成るために、現像作業というのがあるので、本人自身が納得行くまで精進しなければならない。