03月「雛奉」
「おーい、美香ぁ」
「なにぃ?」
「コレって逆じゃねぇの?」
「御内裏様と御雛様?」
「あぁ」
「それねぇ、右左は地方によって違ってて決まりはないんだって」
「へ〜」
「だからウチはコッチが御内裏様でコッチが御雛様なの」
「ほ〜」
「にしても結構立派な雛飾りだよな。御内裏様と御雛様があって」
「三人官女」
「五人囃子」
「七人の侍」
「・・・・・・」
「お兄ちゃん風にボケてみたんだけど・・・」
「2点」
「ひどい・・・」
「ところで、確か雛飾りって早く出して早くしまうものだろ?」
「うん。受験勉強とか忙しくて出せなかったんだよね」
「ま、出さないよりはマシか」
「そう思って」
「だな。で、しまうのは何時だ?」
「天気のいい乾燥した日にいまうのがいいんだけど、一応来週の土曜日かな?」
「ひな祭りから少し経ってからだな」
「そうなっちゃうね」
「こりゃ婚期は永遠に来ないな」
「・・・・・・(ぶぅ)」
「はっはっは」
「いいもん。わたしはずっとお兄ちゃんとウチにいるもん」
「おいおい、困ったもんだな」
「ふんっ」
「ってか、俺が結婚しないのは大前提かよっ」
「うん(きぱ)」
「しどい・・・」
つづく
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