GLN(GREEN & LUCKY NET)からこんにちは
大湯環状列石:Cなぜ「石英閃緑ひん岩」を配石に用いたのか?

△電気的効果の活用
 
 大湯環状列石(配石)の目的の一つに、配石に対する電気的効果の期待が考えられる。
(1) 石の集合体
 ここで、仮に「石」の大きさを定義したい。
 @岩石:ヒトの力ではどうにもならない態度の石(いわゆる「岩」)
 A石:岩石よりも小さい石で、大きくても、ヒトの力で何とか運び出せる程度の石
 
 さて、私共が「石」に霊的な感情を抱くとしたら、いわゆる「岩石」でなければならない。 岩石が大きければ大きいほど、重量感があればあるほど、存在感があればあるほど……、私 共の岩石に対する畏敬の念は増大してゆくであろうし、電気的効果も大きくなってゆく と認識するであろう。
 しかし、そのような岩石は、必ずしも身近あるとは限らない。 そこでヒトは叡智を駆使した結果、 数個の石をまとめて、岩石に見立てようとするのである。石を無駄なくまとめるとすれば、 平面的に円形に並べることである。そのようにまとめた石の塊を「岩石」とみなすのである。
 また、日時計風と云うか、中心石に向って放射状に石を並べるとによって、石の電気的効果が 効率的に中心に収斂されると考え得る。これを一個の配石とし、その配石の集合体、 つまり環状列石を形作る。もって形状的にも思想的にも当を得た、石の電気的効果の活用 の場が作り上げられるのである。
 
(2) 電気的効果の活用
 人々は、例えば次のようにして、配石、及び環状列石の電気的効果を活用する。
 @天災地変など自然に対する驚異に対しては、天(神とも)の偉大な「力」を中心の石で 受け止め、その力を周囲の石の群で電気的効果を増幅させ、自然の驚異に立ち向かおうとする。 このような図式のことを、別の言い方をすれば、わが国古来の、神の降臨する依り代 (よりしろ)と考えたい。 依り代の具体例として、磐座(いわくら)や神籬(ひもろぎ)がある。人々は依り代を通して 神に感謝(捧げ物なども)し、そして所期の目的達成のために祈るのである。
 Aいま一つ考えられることは、命の再生である。疫病などで夭折したかけがえのない人命の再生、 あるいは一族のさらなる永続的な繁栄を願うことにある。電気的効果が増幅された石の威力、 つまり神の「お力」にすがって、ひたすら祈るのである。
(H18.01.30)
  次へ進む   バック