GLN 宗教を読む

法華経

◆15.従地涌出品
いよいよ重要な部分へと入ってまいりました。この章はそのための序分のようなものです。ここでは上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩などの四菩薩をはじめとする地涌の菩薩というかたが登場いたします。地涌とは字の通り、地中から涌き出たという意味です。人々はこれら地涌の菩薩をみて大変おどろきました。というのはどの菩薩も大変立派な功徳を積み、仏さまのようなお顔をしているのです。しかも何千何万と数えきれぬ程の大勢です。いったいこれらの人々はどこの国で、そして何という仏さまに教化されたのだろうかとたずねました。すると釈尊はこれらの菩薩はこの娑婆世界に於いて私が教化したのだと答えられました。そこで一同は不思議に思いました。いつの間にこんなに大勢の人々を教化せられたのだろうか、私たちはいつも釈尊のそばでお仕えしていたのだが今まで一度もこれらの人々の前で教えを説かれたところを見たことがなかった。まるで老人が子供をつかまえて、この人は私の父であると言っているくらいに不思議なことだ。そこでこの疑問に答えるべく、釈尊がそのわけをお話になられました。それが次の如来寿量品第十六という大変重要な章なのです。

[次へ進む]  [バック]  [前画面へ戻る]