◆1.序品 法華経は「かくの如く、我れ、聞けり。」で始まりますお釈迦さまが霊鷲山の山頂にて静かに瞑想に入っておられました。まわりには、いつもそばにいる舎利弗や多くの修行僧、信者の人々、さらには観世音、日光、月光、文殊などの菩薩さまが多くのお供を連れ、また、竜神さまや帝釈天などの守護神が多くの家来を連れて集まっています。これから説かれる教えがいかに多くの生きとしいけるもののために説かれるかということが暗示されています。やがて天上界から花びらが舞い、大地は静かに震動をはじめ、自然界が感動を現しはじめました。お釈迦さまの額の真ん中からは光が放たれ、その輝きは東方の遙かかなたの世界までも照らし出しました。これほどまでの光景は見たことがありません。多くの人々の不思議な思いを感じて、弥勒菩薩が知恵第一といわれる文殊菩薩に尋ねました。「いったいこの不思議な現象は何ですか。これから何が起ころうとしているのですか。」文殊菩薩は、知恵のすべてを引き出して、前世や他の世界のことを思いださせました。そして「以前にこれと同じようなことが日月灯明如来という仏さまの世界で起こったが、その時と同じ不思議な現象である。お釈迦さまもこれから「妙法蓮華経」という偉大な素晴らしい教えを説かれるに違いない。」と答えました。法華経は偶然に説かれるのではなく、深い深いわけがあって、お釈迦さまがこの世で法華経を説かれるのだということです。 〔如是我聞・ 奇跡の項参照〕 |
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